- 石澤
- 入社2年のふみさんから見てはどうでしょう?
エンジニアとして、他社との違いであるとか。
- ふみ
- わたしはもともと
「UX側のエンジニアとして生きていこう」
と思って入社したんです。
UX(ユーザー体験)を高めることを
得意とするエンジニア、ですね。 - けれど入社してすごいなと思ったのが、
ほぼ日のエンジニアって
全員そこが前提にあるんです。
- 石澤
- そのときの「ユーザー」は、外のお客さん?
- ふみ
- 外のお客さんはもちろん、
社内の人たちもそうですね。
見る人、使う人、企画した人など、
関わる人全員のやりたいことを
きちんと想像した上で、
コミュニケーションをとりながら
ものづくりをするのが基本になっている。 - UX(ユーザー体験)で考えるべきことって、
そもそもボタンの配置とかだけじゃないんです。
その前のインタビューとか、
要件定義の仕方とかもぜんぶ含めて、
押さえるべきところを押さえた作り方を、
ほぼ日の人たちは当然のようにやる。 - その「UXの基本が押さえられている」というのが、
この会社の大きな特徴かなと思います。
そんなふうに仕事をしたい人って
多いと思うんですけど、
「実際しっかりできている」のがすごいなと。 - だから「UXの視点が強みだ」と思って
働いてきた私としては、いまちょっと、
自分のアイデンティティを失った状態で(笑)。
- 石澤
- そうなんですか(笑)。
- ふみ
- でもそれ、相談もできるのが嬉しいんですよね。
- ベイさんにもよく「ここどうしましょう」とか
相談するんですけど、
ビシッと的確な答えが返ってくるんです。
おかしいなと思うところも、基本的にはないかな。
「みんな視点がしっかりしているな」
と思いながら働いています。
- 石澤
- その「UXの視点が基本にある」って、
この会社だと自然なことですか?
- ベイ
- ほぼ日の中では、自然なんじゃないですかね。
常に「自分がお客さんだったらどう思うか」に
立ち戻って考えるサイクルが
できていると思うので。
それがふみさんの言葉だと、
「UXを考えている」になるんだと思います。
- 石澤
- その基本ができているのはどうしてですか?
- ベイ
- 糸井さんが昔からおっしゃっている
「消費者であるという視点を、まず第一に持て」
ということが身に染みているんだと思います。
そこが考えのベースにあるので。
- 川上
- あとは、ほぼ日はツールを使ってないので、
みんな制限がないなかでものを作るわけです。
ですから
「どうすればお客さん、ユーザーさんに
使いやすいものを選べるだろう」
「どうすればもっとやりたいことを
やれるようにできるだろう」を
素直に発想しやすい。
おそらく、そうやって考える癖が
ついているということでもあると思います。
それは少なくとも、
この会社のいいところだと思いますけど。
- ベイ
- そうですね。
「絶対にこの文法にのっとって
やらなきゃいけない」
みたいなことがないから、
自分たちで考えた通りのものを
そのまま作れる場所だと思います。
(つづきます)
2021-08-24-TUE