──

和田さんの生きがいはハンナちゃんだとして、
田原さんの生きがいはなんですか？

田原

仕事ですよ。

和田

それそれ、それです（笑）。

──

仕事かぁ。

和田

仕事人間です。

──

では、いくら
「かわいがられるのがうまい」ハンナちゃんでも、
田原さんの仕事のお部屋には
行っちゃダメなんでしょうか。

田原

いや、来ますよ。
仕事部屋というか、自宅だけどね。

──

あの、YouTubeで観る、
資料がいっぱいあるお部屋は‥‥。

田原

自宅です。
リモートのミーティングのときも
ハンナはとなりにいたりしますよ。

▲リモート会議中の田原さんとハンナちゃん。

──

あの資料が積んであるお部屋、
ハンナちゃんは行って大丈夫なんですか？

田原

大丈夫です。
ね？ （ハンナちゃんに）

和田

ねー。（ハンナちゃんに）

──

ハンナちゃんもそばにいるけど、
田原さんのたのしみは、
やっぱりお仕事なんですね。

田原

もうね、ぼくは、
仕事は好きでやっています。
だから趣味がなんにもない。
ゴルフ、麻雀、酒飲み、
一切しない。

──

えっ、お酒もですか？

田原

なんにも。

和田

そうなんですよ。

田原

そんなね、暇がないんだ。

──

すごいですね。

田原

仕事でアメリカに行くでしょ？
ぼくには景色を見る趣味がありませんから、
観光名所には
ぜんぜん行ってない（笑）。

──

ついでにちょっと
自由の女神を見て行こうか、
みたいなことも？

田原

まったくない。

和田

だから、もったいないんです。

──

では、
「ああ仕事か、嫌だなぁ～」
という日はないですか？

田原

ありません。
ストレスがありませんから。

──

そうなんですね。

田原

そのぶん、まわりが疲れちゃってます。

一同

（笑）

──

ストレスがないなんて、
すごいですね、

田原

ないからこんな年まで元気なんですよ。

──

そうかぁ。

和田

父は、若い頃から家で
よく仕事の書きものをしていました。
我が家にはいつも犬がいましたから、
特に仔犬時代は騒がしく家にあがって、
いまのハンナと同じように、
父の書斎に入り込んでいました。
私たちも子どもだったので、
父のそばにいっては大声でしゃべったりしてました。
でも大騒ぎしようが何しようが、
「ちょっと、静かにして！」
みたいなことはありませんでした。

──

集中なさってるからでしょうか。

田原

能天気なんですよ。

一同

（笑）

──

じゃあ、いまもハンナちゃんに
「しー」なんてことは。

和田

ありません。
ハンナが吠えようが走ろうが、
「うるさい」なんてことはないです。

田原

基本的に、能天気（にっこり）。

──

能天気‥‥。

和田

能天気というよりね、
空気をいっさい読ま‥‥読めない。

──

あっ‥‥。

和田

だから、周りが困っちゃうんですよ。
マイペースすぎて困っちゃう。

田原

いまはみなさん、
空気を読まないといけないって言うでしょ。
ぼくは、ジャーナリストは、
空気を破ることが仕事だと思っているんです。

──

はい。

田原

ぼくは、空気を読んだことなんてないですよ。
総理大臣や官庁に文句があるときには、
出向いて、本人に直接言ってきました。
影で悪口は言わない。
何か言いたければね、総理大臣に会って、
「あんた間違ってる！」って言うんだよ。
そうすると、どうなる？　
本人に直接言うと、
だいたい喜んでくれるんですよ。

──

なるほど。

田原

彼らのまわりには、つねに
空気を読む人だけがいるんです。
いわばお世辞ばっかり聞かされてるんだ。
安倍さんだって岸田さんだって、
文句言うと喜んでくれるんです。