開催せまる「生活のたのしみ展2025」。
なんと今回は、ほぼ日乗組員にもファンの多い
代々木上原の餃子の名店、
按田餃子(あんだぎょうざ)が登場!
お店でも人気の「B麺」を使った
たのしみ展特製の和え麺を食べられたり、
餃子や麺が入った「おたのしみBOX」や
自家製調味料を買えたりします。
おたのしみがたくさんあるので、
店主・按田優子さんのアトリエにお邪魔して、
提供内容をくわしく教えてもらいました。
このとき特製和え麺の試作もしたのですが、
その奥深い味わいの、おいしかったこと!
どうぞこの機会に、あなたも按田餃子の
「はじめてなのに、なんだか親しみのある」
不思議なおいしさに包まれてみてください。
按田優子(あんだ・ゆうこ)
料理家、按田餃子店主。
1976年、東京都生まれ。
菓子工房の工房長、乾物料理店での
メニュー開発などを経て
2011年にフリーの料理家として独立。
2012年4月、写真家の鈴木陽介さんと共同で
東京・代々木上原に
ヘルシーな水餃子が看板メニューの
『按田餃子』をオープンし、大人気店に。
著書に『たすかる料理』(リトル・モア)
『食べつなぐレシピ』(家の光協会)など。
- ──
- 今回、「生活のたのしみ展」に
ご参加いただき、ありがとうございます。
- 按田
- こちらこそありがとうございます。
たのしみです。
- 一同
- わーーっ!(拍手)
- ──
- 按田餃子さんといえば、
その、ほかにない水餃子が大人気で、
ほぼ日でも「ほぼ日Liveコマァ~ス」で
販売させてもらったり、
「おいしいからおしえたいCLUB」で
紹介させてもらったりしていますけれども。 - 今回はバラエティに富んだ
ラインナップで登場くださるという。
- 按田
- はい、そうなんです。
- ジャンボ
- ここは担当のわたしからご紹介させてください。
今回、たのしみ展の会場に
按田餃子さん関連の場所が2か所ありまして、
「その場で食べられるもの」と、
「買えるもの」とがあるんです。
- ──
- ほうほう、というと?
- ジャンボ
- まず会場で食べられるものとして、
「おいしいカルテット」というコーナーで、
「B麺」という按田餃子さんの麺を使った
特製の和え麺を、その場で調理してお出しします。
そんなに広くはないのですが、
立食のカウンターテーブルや
簡易ベンチ(テーブルなし)で飲食可能です。 - そして、物販として、
「たのしみフードセレクション」という
ほぼ日が厳選したおいしいものが集まるブースに、
按田餃子さんのアイテムもならびます。
特製の麺と餃子2種類の「おたのしみBOX」ほか、
いろんな調味料がならびます。
- ──
- おおー、食べられて、買って帰れる!
気になります。 - まずは按田餃子さんをはじめて知る方のために、
餃子のご紹介をできたらと思うんですが。
先に、ほぼ日のメンバーに聞きましょうか。
按田餃子さんの餃子って、どんな印象ですか?
- りか
- 町中華の餃子のイメージでいると、
ちょっとびっくりするかもしれないです。
やや固めの厚めの皮で、食べごたえがあって、
ハトムギ粉がふんだんに使われてて、
どこか外国を思わせる味ですよね。
前に代々木上原のお店に行ったとき、
「日本でこんな味わいのものが食べられるんだ!」
と感動した覚えがあります。
- たけうち
- 私、粉ものがすごい好きなんですけど、
モチッとした生地の感じがおいしいなって。
たぶん半分ぐらい生地じゃないですか。
重なってるところとか、まさに生地を
味わってる感じで、そこがすごい好きです。
そして、ツルンって口に入る感じ。 - 具も、いい感じのバランスで入ってて、
按田餃子さんならではの組み合わせがおいしい。
「あ、これ、きゅうりだ!」とか、
意外な喜びもあるみたいな。
- ジャンボ
- 皮がおいしくて「ごはん」って感じだよね。
1粒で満足感がある。 - どの餃子を食べても、按田餃子さんならではで
初めて食べる味なのに「好き!」という感覚。
知ってるもので当てはまるものがないんだけど、
不思議と「おいしい。これ好き!」
って感じがあって。
「はじめまして、でもたのしいですね」みたいな(笑)。
- たけうち
- あと、ほぼ日社内だと、
みりちゃんも大好きなんですよね。
「おいしいからおしえたいCLUB」で
前のめりで紹介してました。
- 按田
- ありがとうございます。告白大会(笑)。
- ──
- 作られてる按田さんとしては、
どんなイメージの餃子なのでしょうか?
- 按田
- 基本的に按田餃子は、
私がみんなに食べさせたいものを
強制的に食べさせるというお店で(笑)。
餃子にハトムギ粉を入れるとか、
栄養価の高いオイルを使うとか。 - すごくもともとは、
母が病気を患ったときにであった
鉄分が豊富なハトムギの粉なんですね。
これを日常的に食べてほしいなと思って。 - だけどいくら体によくても、食べるって
なかなか難しいじゃないですか。
それで、餃子だったら食べてもらえるかなって。
- ──
- じゃあまずは、味というより機能から。
- 按田
- どちらかというと、そうなんです。
で、餃子であれば母に限らず、
みんなにも食べてもらえるなと思って。
- ──
- でも、按田餃子さんの餃子って、
機能という以上に、もう食べた感じが
すごいおいしいじゃないですか。
- ジャンボ
- そうなんです!
しかも、馴染みのない味なのに
おいしいのが、すごく不思議で。
- 按田
- ありがとうございます。
ね、不思議ですよね(笑)。
- ──
- どうして馴染みがないのにおいしいんでしょう?
- 按田
- 私が思うに、按田餃子で出しているものって、
あちこちの似た気候の食文化のダイジェスト版なんですよ。
世界中、土地ごとにそれぞれ違っても、
気候帯とかでいる菌とかが似てるから、
同じ気候帯とかに住んでる人だと
通じ合うものがあるんじゃないかなと。 - だから「なんとなく知ってる味」でもあるし、
同時に、旅行で異国の土地のものを
経験をしている気分でうれしい、というか。
- たけうち
- 外国の方も好きそうな味わいですよね。
- 按田
- そうですね。
すごく前にイスラエルの人がお店に来たときに、
「自分たちはアジアのいちばん西の際で、
あなたたちはいちばん東の際だけど、
その間を埋めるものを解読しました」
と言ってくださったりしました(笑)。
- ──
- へぇー!
- 按田
- あと、外国から来たお客さんに
「あなた、出身はどこですか?」と聞かれて
「東京の世田谷です」と言ったら、
「そういう意味じゃなくて!」って(笑)。 - 「どういう血が混ざってるんですか?
どうしてこういう味の組み合わせに
なってるのかわからない」
みたいに言われて、
「いや、父も母も日本人です」みたいな。
- ──
- いろんな土地のものを使うことにした
理由というのもあるのでしょうか?
- 按田
- 思いとしては、
「誰にとっても等間隔なおいしさ」の
料理にできたらと思ったんです。 - 東京でお店をやるなら、日本の人も外国の人も
いろんな土地から人が来るから、
そのみんなにとっての「等間隔なおいしさ」を
考えていくと、こういうことになったんです。
そういうプレゼンテーションしたいなと思って。
- ──
- へぇー!
- ジャンボ
- その「誰にとっても等間隔」というの、
なんだかすごくしっくりきます。
- 按田
- 自分たちが思ってる「ふつう」って実は狭くて、
ちょっと住んでるとこが違うだけで、
「ふつう」が全然違っちゃうじゃないですか。 - だから、
「自分が思ってる『ふつう』みたいなことで
ものをはかることをあまりやらないようにしよう」
とは思ってて、
そうすると、できあがるものが、
どこの国のものかわかんなくなるんです。
- ジャンボ
- 餃子だからいい、というのもあるんですかね?
- 餃子の皮の中に包まってるから、
すごく独自の味わいがあるのに、
自分にとっても、どこか親しげというか
近い感じがあるんですよ。
- 按田
- それはあると思います。
餃子はみんな知ってるというか、
知らない人との共通項なんですよね。 - これが創作料理になっちゃうと、
たぶん、遠いんですよ。
- ──
- そんな按田餃子さんの水餃子を
今回の「たのしみ展」で、味わえる‥‥?
- 按田
- はい! 「おたのしみBOX」という
今回ならではの冷凍セットを販売するのですが、
そのなかに2種類の餃子が入っています。
家で茹でて食べていただけます。
- ──
- おおー、うれしい!
その2種類はどんな味ですか?
- 按田
- まず、お店で一番人気の
「大根と搾菜」という豚肉の餃子。
干しエビとか、干しシイタケとか、搾菜とか、
乾物と漬物の旨味を
ぎゅっと凝縮したような味ですね。
- ジャンボ
- おいしい宇宙が口のなかにひろがります。
- 按田
- そして、ほぼ日さん限定で、
以前ライブコマァ~スでも販売した、
「カレーの恩返し」を使った
セロリと鰹節、豚肉の入ったカレー餃子が、1種類。
- ──
- 鰹節の入ったカレー餃子!
- 按田
- ほぼ日さんの「カレーの恩返し」って、
だしっぽい、カレーうどんみたいな味に合わせても
すごいおいしいなというのが発見だったんですよ。
カレーの味がしっかりあるので、
そのまま召し上がっていただくのが
おいしいかなと思います。
- ──
- わぁ、いいですねえ。
- たけうち
- ね、いいですよね。
(つづきます)
2024-12-25-WED