日々のできごとを記してみたり、
これからのことに思いをめぐらせてみたり。
手帳をひらくだけで、
じぶんとじっくり向き合う時間がうまれます。
そこに、おいしいお菓子と心地いい空間があれば、
さらに「いうことなし」だと思いませんか?
気まぐれに更新する「東京甘味手帳」は、
手帳タイムを過ごすのにぴったりな
東京のおいしいもの&お店案内です。
写真:川原崎 宣喜
- 窓が白くなるような、冬の朝。
コートを着込んで、えいやっと家を出る。 - 駅からはバスもあるけど、歩いていくことを選ぶ。
この先に楽しみが待っていると思うと、
冷たい風にもかえって気持ちがふるいたつ。
- お店に足を踏み入れた瞬間、
あたたかさといい香りに包まれて、
寒さに縮こまっていた身体がほどけていく。
- これ!
こんどの休みには
朝ごはんに、シフォンサンドを食べる。
今週の頭からそう決めていたんだ。
- 定番のあんこ+クリームもいいなあ。
でも‥‥。
- 同じくこちらも定番という、
キャラメルバナナ+クリームのシフォンサンドを選ぶ。
朝ごはんにバナナ、圧倒的に正しい。
- 手でそうっともって、
- おもいっきり、
- かぶりつく!
- バナナの甘さとキャラメルの苦さが
口の中で混ざる。
やわらかなシフォンとクリームが、
やさしくとけていく。
- 焼き菓子も充実しているから、
明日の自分におみやげを買っていく。
休みの日の朝にちゃんと起きて
決めたことを成しとげたわたしには
自分を甘やかす権利がある、ということにする。
- たぶん今日はいい日になる。
- さあ、午後は何をしようかな。
フードムード
国立駅から徒歩15分ほど。
2010年ころオープン、
2015年にこの場所に移転してきた、
料理研究家のなかしましほさんのお店。
バターを使わず菜種油でつくられた
焼き菓子、シフォンサンドなどが楽しめます。
新鮮な卵でつくられたシフォンサンドには
定番のものにくわえて、
毎月、季節の素材を使ったものもあります。
特長は、サンドするフルーツに必ず火を通すこと。
素材に合わせて火の通し方を変え、
シフォンケーキ、クリームといっしょに食べたときに
もっともしっくりくる状態にするのです。
あわせる素材によって
生クリームも脂肪分や砂糖の量を変えたり、
ヨーグルトを足したりと、細やかな調整をくわえます。
手でぎゅっとつかんで食べるシフォンケーキは、
デザートというよりもまさにごはんのように
身体にしみわたるおいしさです。
◎シフォンサンド(キャラメルバナナ+クリーム) 450円
しっとりとした口どけのシフォンケーキに
軽い口当たりのクリームとともにサンドされたのは
苦味と甘味のバランスが絶妙なキャラメルバナナ。
あつあつのキャラメルをかけることによって、
余熱でバナナに火を通すのだそうです。
「両手でぎゅっとつかんで召し上がってくださいね」と、出していただいたシフォンサンド。フォークじゃなくて手で食べるなんて初めてでした。ふわふわのシフォンを手に持った時のあのなんともいえない感触‥‥もう一度食べたいなあ。
(次回は2月中旬更新の予定です。おたのしみに。)
2020-01-16-THU