日々のできごとを記してみたり、
これからのことに思いをめぐらせてみたり。
手帳をひらくだけで、
じぶんとじっくり向き合う時間がうまれます。
そこに、おいしいお菓子と心地いい空間があれば、
さらに「いうことなし」だと思いませんか?
気まぐれに更新する「東京甘味手帳」は、
手帳タイムを過ごすのにぴったりな
東京のおいしいもの&お店案内です。
写真:川原崎 宣喜
- 小さいころの話。
- 窓から差し込む光で目を覚ますと、
かすかに甘い香りが漂ってくる。
あれ、まだ夢の途中かな‥‥?
- あ、やっぱり夢じゃない。
台所でお母さんが焼いてるんだ、
わたしの大好きな、あれを。
- フレンチトーストの香りで目覚める朝。
なんでもない一日のはじまりが
いつもよりちょっとうれしくなった。
- ひとり暮らしをしてからは
自分で作るようになったけれど、
今日みたいに、
“朝起きてからなんとなく気分のいい日”には、
フレンチトーストを食べに出かけたくなる。
- 昔ながらのシンプルな食パン。
たっぷり、“しみしみ”にひたる卵。
黄金色に輝く、年季の入った銅板。
ふわりと香るバターと砂糖のにおい。
- これは、
わたしのために焼いてもらえる
フレンチトースト。
- ナイフを入れるこの瞬間が、
たまらないんだよなあ。
- 未来のわたしのために、
いまのうれしい気持ちを残しておこう。
- オープンから49年目を
迎えるという珈琲店。
このフレンチトーストも、
ずっと愛されてきたメニューなのだそう。
- おいしいメニューやコーヒーはもちろん、
マスターと奥さまが
にこにこと出迎えてくれるのも、うれしい。
- ああ、誘惑に負けて、
オーダーしてしまった‥‥。
- 49年前から作られてきた、
昔ながらのホットケーキ。
シンプルで、やさしくて、
毎朝でも食べたくなる味。
- マスター、奥さま、
ごちそうさまでした。
また来ます。
珈琲ワンモア
JR総武線の平井駅から、歩いて3分ほど。
福井明さん、絹代さんご夫妻が
1971年に開店した喫茶店です。
ホットケーキやサンドイッチなどを作るのは明さん。
注文を取ったり、運んだりするのは絹代さん。
笑顔あふれるおふたりとの会話をたのしみに
訪れる常連客も多いようです。
毎朝、コーヒーを飲みに通い続けて
30年になる常連さんもいらっしゃいました。
お店の人気メニューは、
銅板で焼くフレンチトーストとパンケーキ。
銅板は目が細かいため、きれいに焼けるのだそう。
その代わり熱伝導が早く、
焦がさないために神経を使うのだとか。
明さんが大切にしているのは、
小さいころお母さんが作ってくれたような
昔ながらの味。
卵、バター、砂糖といった
シンプルな材料を使って
一枚一枚に愛情を込めて焼いています。
レトロな雰囲気の店内で
なつかしい味を堪能しながら、
のんびりと、手帳タイムを過ごせます。
◎フレンチトースト 550円
地元のパン屋さんが焼いた食パンと茨城産の卵を使い、
銅板でふわっと焼き上げたフレンチトースト。
甘く、しっとりとしたパン生地に
レモンのさわやかさがマッチします。
◎ホットケーキ 550円
美しさにほれぼれする、銅板で焼いたホットケーキ。
もちもちとした食感で、口に含めば
やさしい甘みがふわっと広がります。
煮詰めた砂糖にメイプルエッセンスを加えて作った、
自家製シロップとともにどうぞ。
珈琲ワンモア
東京都江戸川区平井5-22-11
営業:9:30〜16:00(LO)
電話:03-3617-0160
休み:日・月曜
輪切りのレモンがかわいらしいフレンチトースト。ナイフを入れると、もちもちの生地に染み込んだシロップが「じゅわあ」と出てきます。たまらないです‥‥。
(次回は3月中旬更新の予定です。おたのしみに。)
2020-02-22-SAT