日々のできごとを記してみたり、
これからのことに思いをめぐらせてみたり。
手帳をひらくだけで、
じぶんとじっくり向き合う時間がうまれます。
そこに、おいしいお菓子と心地いい空間があれば、
さらに「いうことなし」だと思いませんか?
気まぐれに更新する「東京甘味手帳」は、
手帳タイムを過ごすのにぴったりな
東京のおいしいもの&お店案内です。
写真:川原崎 宣喜
- 久しぶりに遊びに来た。
いつもたくさんの人が
ざわざわとゆきかう下北沢の街。
風はまだ少し冷たいけれど、
日ざしがあたたかい。
まさにお散歩びよりだ。
- 街角を曲がったところに、
ふとあらわれる、甘いもの!
ケーキもタピオカもいいけど、
今日は和だ。そういう気分だ。
- 中華料理屋さんの上、
細い階段をのぼった先に、
こんな景色が広がっていようとは。
- いい感じの飾り棚があって、
街をゆきかう人たちが見える、
窓際の席をえらぶ。
注文をすませて、
待つあいだに手帳を開く。
- わらび餅と迷ったけれど、
卓上のかわいいこんろを
どうしても使いたくなった。
- ほどよいサイズのお餅を、自分で焼く。
なんだろう、この楽しさ。
ちょっとおままごとみたいな感覚。
- 絵みたいにふくらんだお餅!
わたしが焼いたお餅!
思わず写真に撮ってしまう。
- じっくり焼いたお餅の、
どれだけをどんなふうに食べるか、
すべては私に委ねられている。
おしょうゆ&のりでいそべにするか、
ぜんざいに沈めるか、
きな粉をまとわせるか。
- まずは一個、おしょうゆにくぐらせて、
のりで巻く。
香ばしい!
- すかさず2個めは
ぜんざいの海へ! いざ!
あずきのほどよい甘さがたまらない。
- 3個め、手前のお湯にお餅をくぐらせたあと、
きな粉につけて。
これも最高だ。
結局2個ずつ、3種類の味で
まんべんなく味わってしまった。
- お腹がほどよくいっぱいになって、
外の風も少しあたたかくなって、いい気分。
次はわらび餅。
いや、かき氷って手もあるな。
近いうちに、また来よう。
甘寛
2019年にオープンした甘味処「甘寛」。
関西の老舗甘味処の東京支店に長く勤めていたご主人。
ある日、そのお店が東京撤退することに。
「この味が東京で楽しめなくなるのはもったいない」と
奮起したご主人が、若い頃からなじみのあった
下北沢に開いたお店です。
毎日お店で炊いているあずきで作られたぜんざいは
じんわりと口に広がるほどよい甘味。
数種類のきな粉と和三盆糖をブレンドした
お店オリジナルのきな粉もひそかな自慢。
本わらび粉でつくられたわらび餅は
一年を通じて人気のメニュー。
口の中でとろけるような食感は、
ほかではなかなか味わえません。
「大正ロマンをイメージした」という店内で、
街の喧騒を離れてゆったりと過ごすことができます。
◎甘寛セット 1100円
お店の名前を冠したお餅のセットは、
卓上に備えつけられたこんろで自分で焼くのがポイント。
いそべ、きな粉、ぜんざい(またはおしるこ)、
好みの食べ方が楽しめます。
◎生わらび餅 1080円
希少な本わらび粉を使った生わらび餅。
できたてのわらび餅が、
氷を敷いた器に盛られて出てきます。
菊の形のきな粉と、黒蜜をたっぷりつけてどうぞ。
でも実は「そのまま」食べるのもおすすめだとか。
甘味処 甘寛
東京都世田谷区北沢2-9-24
営業:12:00〜19:30(LO)
電話:03-6804-9287
休み:月曜(月曜祝日の場合は火曜)
真っ白でカクカクしたお餅が、金網の上で段々丸みを帯びて、焼き色がついて、最後に「ぷくーっ!」とふくらんだ瞬間の盛り上がり。小さな頃から何度も何度も食べているけれど、お餅が焼けるのを見るのは楽しいです。
(次回の甘味のヒントは「白と赤」。更新は4月中旬更新の予定です。おたのしみに!)
2020-03-19-THU