日々のできごとを記してみたり、
これからのことに思いをめぐらせてみたり。
手帳をひらくだけで、
じぶんとじっくり向き合う時間がうまれます。
そこに、おいしいお菓子と心地いい空間があれば、
さらに「いうことなし」だと思いませんか?
気まぐれに更新する「東京甘味手帳」は、
手帳タイムを過ごすのにぴったりな
東京のおいしいもの&お店案内です。

写真:川原崎 宣喜

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page_10 金曜の夜のチョコレートカクテル CACAOTAIL

 
前からずっと決めていた。

 
仕事がひと段落ついたら、
かならず来ようって。

 
憧れのバーカウンター席に
座るんだって。

 
それを楽しみに、
今週のわたしは、がんばった。

 
金曜の夜が、これからはじまる。
1週間のなかでも
とくべつにうれしい時間。

 
知らない世界に
まぎれこんだみたい。
なんだかドキドキする。

 
狙いを定めていたのは、
店名でもある
「カカオテール」という名前の
チョコレートのカクテル。

 
ウィスキー、オレンジ、
ミルク、ハチミツ、
そして濃厚なチョコレート。
おいしさの要素たちが、
目の前で次々に溶け合っていく。

 
最後の仕上げは、生クリーム。

 
おとぎ話に出てくる
魔法の飲みものみたいだな。
ひとくち飲めば、
1年ぶん若返る‥‥とか?

 
おつまみとして添えられているのは、
ブルーチーズとクリームチーズ、
ハチミツがとろりとかかったバゲット。

 
カクテルを飲み終えたら、
お店で手作りしているという
チョコレートサラミをオーダー。
ローズマリーに火が点くと、
うっとりするほどの
いい香りがたちのぼる。
胡椒やハチミツをつけると
これまた魔法のように
チョコレートの味が変わるんだ。

 
今夜はもう一杯だけ、飲んじゃおう。
このチョコレートに
相性ぴったりとおすすめされた
スモーキーなウイスキー。

 
この空間では、
外の世界とは別の時間が
流れているみたい。
いつまでも覚めたくない
夢の中にいる気分。

 
いやいや、これは夢じゃない。
いつもの日々とつながっている、
金曜日の夜だ。

 
夢じゃない証拠に、手帳を書いておこう。
未来のわたしが、このページを見たら
うらやむんだろうな。

CACAOTAIL
(カカオテール)

2018年、門前仲町の路地裏にオープンした、
ウィスキーとチョコレートが楽しめるバー。
店名でもあり、シグネチャーカクテルでもある
「カカオテール(CACAOTAIL)」は
カカオ(cacao)とカクテル(cocktail)を合わせたもの。

23歳からバーテンダーの世界に入ったという
オーナーの萩原陽介さん。
独立して自分の店を持つにあたり、
ウィスキーとチョコレートの相性のよさに注目し、
カカオ豆から手作りするチョコレートを研究。
知り合いのカカオハンターが収穫した
コロンビア産カカオを仕入れ、
オリジナルの味わい深いチョコレートを作っています。

ムードたっぷりの店内の装飾も
すべて萩原さんのセンスによるもの。
壁にかかった絵は、
「チョコレートを運ぶ少女」。
マリー・アントワネットのもとに運んでいるところ
とも言われているのだとか。

コの字型カウンターのほかに、
8席ほどのテーブル席も。
実際、手帳を書くには
少しだけ店内が暗いかもしれませんが、
手帳に書きたい素敵な時間を、
過ごせるはずです。

◎カカオテール  1,600円

ウィスキー「グレンモーレンジ10年」、
オレンジ、ミルク、ハチミツ、生クリーム、
自家製チョコレートで作った
シグネチャーカクテル。
濃厚なチョコレートの甘さと
かすかに感じるほろ苦さ、
香り高いウィスキーがマッチする大人の味わい。
グラスのふちについた
かわいらしいチョコレートが
さらにおいしさを引き立ててくれます。

◎ブルーチーズ、イチヂク、クルミの
チョコレートサラミ  1,000円

ホワイトチョコレートに
ブルーチーズやイチヂク、クルミを混ぜて
まるでサラミのようなかたちに仕上げた
ユニークな自家製チョコレート。
紙に包まれているのでお土産にもおすすめ。

店内でいただく際には、
輪切りにしたチョコレートが皿に盛られ、
ピンクペッパーや
炙ったローズマリーが添えられます。
まずはそのまま食べてから、お好みで
塩、胡椒、ハチミツといっしょにどうぞ。

ほかに、ブラックのチョコレートをベースにした
パルミジャーノ・レジャーノとブラックオリーブの
チョコレートサラミもあります。

CACAOTAIL

東京都江東区門前仲町1-14-8 下田ビル1F
営業:18:00~0:00、金・土・祝前日〜翌2:00
休み:不定休
電話:03-6381-8495
(※テーブルチャージ1人500円)
https://www.instagram.com/cacaotail/

 

ちょっと背伸びをして、憧れのバーカウンターに座りました。スモーキーなウイスキーは大人の味。最初は「ちょっと自分には早いかな‥‥?」と思ったけれど、チョコレートサラミと合わせると味が寄り添いあってうっとり。美味しかったなあ。

(次回は“和”の甘味をご紹介します。おたのしみに!)

2020-10-24-SAT

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