日々のできごとを記してみたり、
これからのことに思いをめぐらせてみたり。
手帳をひらくだけで、
じぶんとじっくり向き合う時間がうまれます。
そこに、おいしいお菓子と心地いい空間があれば、
さらに「いうことなし」だと思いませんか?
気まぐれに更新する「東京甘味手帳」は、
手帳タイムを過ごすのにぴったりな
東京のおいしいもの&お店案内です。
写真:川原崎 宣喜
- 前からずっと決めていた。
- 仕事がひと段落ついたら、
かならず来ようって。
- 憧れのバーカウンター席に
座るんだって。
- それを楽しみに、
今週のわたしは、がんばった。
- 金曜の夜が、これからはじまる。
1週間のなかでも
とくべつにうれしい時間。
- 知らない世界に
まぎれこんだみたい。
なんだかドキドキする。
- 狙いを定めていたのは、
店名でもある
「カカオテール」という名前の
チョコレートのカクテル。
- ウィスキー、オレンジ、
ミルク、ハチミツ、
そして濃厚なチョコレート。
おいしさの要素たちが、
目の前で次々に溶け合っていく。
- 最後の仕上げは、生クリーム。
- おとぎ話に出てくる
魔法の飲みものみたいだな。
ひとくち飲めば、
1年ぶん若返る‥‥とか?
- おつまみとして添えられているのは、
ブルーチーズとクリームチーズ、
ハチミツがとろりとかかったバゲット。
- カクテルを飲み終えたら、
お店で手作りしているという
チョコレートサラミをオーダー。 - ローズマリーに火が点くと、
うっとりするほどの
いい香りがたちのぼる。 - 胡椒やハチミツをつけると
これまた魔法のように
チョコレートの味が変わるんだ。
- 今夜はもう一杯だけ、飲んじゃおう。
このチョコレートに
相性ぴったりとおすすめされた
スモーキーなウイスキー。
- この空間では、
外の世界とは別の時間が
流れているみたい。
いつまでも覚めたくない
夢の中にいる気分。
- いやいや、これは夢じゃない。
いつもの日々とつながっている、
金曜日の夜だ。
- 夢じゃない証拠に、手帳を書いておこう。
未来のわたしが、このページを見たら
うらやむんだろうな。
CACAOTAIL
(カカオテール)
2018年、門前仲町の路地裏にオープンした、
ウィスキーとチョコレートが楽しめるバー。
店名でもあり、シグネチャーカクテルでもある
「カカオテール(CACAOTAIL)」は
カカオ(cacao)とカクテル(cocktail)を合わせたもの。
23歳からバーテンダーの世界に入ったという
オーナーの萩原陽介さん。
独立して自分の店を持つにあたり、
ウィスキーとチョコレートの相性のよさに注目し、
カカオ豆から手作りするチョコレートを研究。
知り合いのカカオハンターが収穫した
コロンビア産カカオを仕入れ、
オリジナルの味わい深いチョコレートを作っています。
ムードたっぷりの店内の装飾も
すべて萩原さんのセンスによるもの。
壁にかかった絵は、
「チョコレートを運ぶ少女」。
マリー・アントワネットのもとに運んでいるところ
とも言われているのだとか。
コの字型カウンターのほかに、
8席ほどのテーブル席も。
実際、手帳を書くには
少しだけ店内が暗いかもしれませんが、
手帳に書きたい素敵な時間を、
過ごせるはずです。
◎カカオテール 1,600円
ウィスキー「グレンモーレンジ10年」、
オレンジ、ミルク、ハチミツ、生クリーム、
自家製チョコレートで作った
シグネチャーカクテル。
濃厚なチョコレートの甘さと
かすかに感じるほろ苦さ、
香り高いウィスキーがマッチする大人の味わい。
グラスのふちについた
かわいらしいチョコレートが
さらにおいしさを引き立ててくれます。
◎ブルーチーズ、イチヂク、クルミの
チョコレートサラミ 1,000円
ホワイトチョコレートに
ブルーチーズやイチヂク、クルミを混ぜて
まるでサラミのようなかたちに仕上げた
ユニークな自家製チョコレート。
紙に包まれているのでお土産にもおすすめ。
店内でいただく際には、
輪切りにしたチョコレートが皿に盛られ、
ピンクペッパーや
炙ったローズマリーが添えられます。
まずはそのまま食べてから、お好みで
塩、胡椒、ハチミツといっしょにどうぞ。
ほかに、ブラックのチョコレートをベースにした
パルミジャーノ・レジャーノとブラックオリーブの
チョコレートサラミもあります。
CACAOTAIL
東京都江東区門前仲町1-14-8 下田ビル1F
営業:18:00~0:00、金・土・祝前日〜翌2:00
休み:不定休
電話:03-6381-8495
(※テーブルチャージ1人500円)
https://www.instagram.com/cacaotail/
ちょっと背伸びをして、憧れのバーカウンターに座りました。スモーキーなウイスキーは大人の味。最初は「ちょっと自分には早いかな‥‥?」と思ったけれど、チョコレートサラミと合わせると味が寄り添いあってうっとり。美味しかったなあ。
(次回は“和”の甘味をご紹介します。おたのしみに!)
2020-10-24-SAT