日々のできごとを記してみたり、
これからのことに思いをめぐらせてみたり。
手帳をひらくだけで、
じぶんとじっくり向き合う時間がうまれます。
そこに、おいしいお菓子と心地いい空間があれば、
さらに「いうことなし」だと思いませんか?
気まぐれに更新する「東京甘味手帳」は、
手帳タイムを過ごすのにぴったりな
東京のおいしいもの&お店案内です。

写真:川原崎 宣喜

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page_12 自分にごほうびのマロンシャンテリー 東京會舘ロッシニテラス

 
12月も末の、ひんやりとした午後。
慌ただしい年末のあれこれを
なんとか乗り切った。
この1年、いろいろあったけど
それなりにがんばった自分に
おつかれさまのつもりで
丸の内にやってきた。

 
大正時代から約100年の歴史をもつ東京會舘。
去年リニューアルされたばかりだけど、
風格あるそのたたずまいは変わらなくて、
しぜんと背すじがのびる。
ここでじぶんにごほうびを。

 
建物を入ってすぐのところにある
ロッシニテラスへ。
ゆったりとしたソファが並ぶ店内。
窓の外一面に広がる
皇居の緑がきれい。

 
ごほうびをさっそく注文。
黄金色のマロンペーストが
かわいい型に入れられ、
お皿に盛りつけられる。

 
純白の生クリームが泡立てられて‥‥。

 
たくみな手さばきで
あっという間に生クリームが
マロンペーストを覆う。
まるで魔法みたい。

 
テーブルに運ばれてきたのは、
この1年をねぎらうような、
新しい1年を祝うような、
とくべつなひと皿、
マロンシャンテリー。
なんてきれい!

 
くずすのがもったいないけど、
おもいきってひとくちめ。

 
クリームとマロンペーストの、
ふんわりとやわらかな感触。

 
スプーンの上さえもきれい。

 
わすれてた!
あまりの美しさに目を奪われて、
夢中で食べはじめてしまっていた。
一枚写真もとっておこう。

 
この感動を、
手帳にも描き残しておく。

 
ああ、終わってしまう‥‥。
この1年、がんばってよかった。
自分をほめたいとき、
甘やかしたいとき、
また来ようかな。


ロッシニテラス

大正11年に創業し、
約100年の長きにわたって
東京の変遷を見守りつづけてきた東京會舘。
メニューひとつひとつにも歴史があります。
エリザベス女王も食した
「牛フィレ肉のフォワ・グラ詰め
パイ包み焼き プリンスアルベール風」、
伝説とまで言われる「ビーフカレー」‥‥。

たくさんのメニューが今もなお、
生まれた当時と同じように
手間ひまをかけてつくられています。

なかでも東京會舘を象徴するスイーツ、
マロンシャンテリーは1950年ころ、
初代製菓長であり、
日本の洋菓子の祖とも呼ばれる
勝目清鷹氏が生み出しました。

モンブランを日本人向けにアレンジした
マロンシャンテリーは、
70年以上にわたって
愛され続けています。

◎マロンシャンテリー  1,100円(税込)

ひと目で心奪われる美しい姿。
白く輝く生クリームのなかに
栗のペーストがひそんでいる
シンプルながら奥深いスイーツです。
選びぬかれた上質な栗を2度裏ごしして、
あえて粗い目に通して空気を含ませた
そぼろ状のマロンペースト。
そのマロンを生クリームが美しく覆い、
ふんわりと軽い食感ながら
やさしく深みのある甘さが口に広がります。
ゆずやいちご、さくら、抹茶や洋梨など、
季節によって限定の味が出るのも
たのしみのひとつです。
※別途サービス料10%

◎ミニマロンシャンテリーセット  1620円(税込)

ロッシニテラスのおとなりにある
ペストリーショップで購入できるのは、
このかわいらしいミニマロンシャンテリー。
マロンシャンテリーをミニサイズにして
3つをセットに。
テイクアウト限定の一品です。
ミニサイズならではの生クリームの模様と、
食べやすい大きさが魅力。
いつもと違うおもたせにもぴったり。
毎月異なるフレーバーがセットになるのも
たのしみのひとつです。

ロッシニテラス

千代田区丸の内3-2-1 東京會舘本舘1F

営業:11:00~21:30(平日)
11:00~21:00(土日祝)
※営業時間は変更になる場合があります。
休み:12/31,1/1
電話:050-3134-4890
www.kaikan.co.jp/restaurant/rossini-terrace/index.html

 

「東京會舘にいくんだ」と思ったらなんとなくちょっと気合いを入れたくなって、お気に入りの白いシャツにパリッとアイロンをかけて出かけました。美しくて崩すのが勿体無いようなお菓子を、背筋をしゃんと伸ばしていただく。なんだかいい年末です。

(次回は、年明けなので縁起のよい甘味です。おたのしみに!)

2020-12-26-SAT

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