── | 外国から家具を 持って帰ってこられたということですが、 具体的にはなにを? |
岡尾 | 椅子です。 |
── | 小型のスツールとかではなく? |
岡尾 | ふつうの椅子です。 テーブルで使うような椅子といったらいいのかしら? 係の人、預け入れの荷物の1つとして カウントしてくれました。 さすがに、裸のまま預けたわけではなくて、 しっかりとくるみましたけど。 |
── | なるほど、まさか機内持ち込みは無理ですものね。 |
岡尾 | (笑)むかしは、飛行機の規則が もうすこしゆるやかだったので、 椅子も機内持ち込みをしたことがある、 という友達の話もきいたことがあります。 |
── | わ〜、それは、 いまだと、信じられないような話ですね。 |
岡尾 | 大きいものは、まず無理ですものね。 |
── | でも家具が預け入れにできるって知りませんでした。 わたし、メモをしておきます。 旅先でいい椅子を見つけても大丈夫、と。 (註:荷物の大きさと重量、そして 航空会社の規定により、超過料金がかかります。) |
岡尾 | そうそう、機内持ち込みといえば、 カゴなどは、なるべく機内に持ち込みます。 足下に置いて‥‥足をカゴの中に入れて。 |
── | 足湯みたいに! |
岡尾 | 足湯。 そうですね。そんな感じです。 道中、足を入れたまま、微妙な体制で 帰ってきたこともありますよ。 |
── | 私もそうですが、小柄な体型が 飛行機でトクをすることがある一例ですよね(笑)。 足が入るってことは、 けっこう大きいものもいける‥‥。 |
岡尾 | おそらく、妙な人に見えてしまいますけどね(笑)。 あとは、ほうきも持って帰ってきたことがありますよ。 これも、ふつうにカウンターで預かってくれました。 たぶんなんですけど、 サーフボードとかスキーとか そういう長いもの、預ける方もいらっしゃるでしょ、 だからだと思うのだけど。 |
── | わあ、「長いもの」! これも持ち帰りは無理だと完全に思っていました。 お話を聞いていると、岡尾さん、 持って帰ってこれなかったものは 無さそうな気配がするのですが。 |
岡尾 | いえいえ、そんなことはないんですよ。 これは無理だ、と泣く泣くあきらめたものも たくさんあります。 じつは、このあいだひとつあったんですよ。 |
── | なんだろう? 岡尾さんでもあきらめないといけないものって‥‥。 |
岡尾 | ケーキのショーケースなんです。 ガラス製のものです。 桟がついてて、段になってて、小さい棚のような。 「RICH CAKES」って文字が入っていて それがとてもとてもかわいかったんです! たぶん、ほんとに実際にケーキ屋さんで 使われていたヴィンテージだと思います。 |
── | 「Rich Cake」っていいですね。 場所はどこでですか? |
岡尾 | ロンドンでした。 ほんとにいい感じだったんですよ。 持って帰れるものならば、 いまでも買いたいですね。 |
── | ガラスで、しかも大物ですものね。難しそう。 |
岡尾 | ほんとに! ファーストクラスに乗って、 ということでもないかぎりムリ(笑)。 |
── | ファーストクラスに乗って 大きなケーキのケースを持って帰るって、 すごく、かっこいいですね! |
岡尾 | (笑)‥‥あとなんだろう。 これは、家具ではないんですけど。 初めてかな、2回目だったかな? フランスにいったときに、 生牡蠣を入れる、 木で作られたかんたんな箱みたいなのを 魚屋さんで見て、どうしても欲しくなったんです。 持って帰りたいなと思って、 お願いして、頂戴したんです。 ところが、これは、ものすごく匂いがすることがわかって、 結局、ホテルでさようならしました。 これも、あきらめた思い出のひとつ(笑)。 |
── | 考えてみたらそうですね(笑)! それを持ち込んだらきっと‥‥。 |
岡尾 | そうとな迷惑を飛行機会社にかけていたかも‥‥。 でも、そういう、 日常で普通に使われている箱なんかは、 見つけると、時々持って帰ります。 |
── | 海外では、思わぬものが 「かわいい!」ってなりますね。 向こうの人には当然すぎて 「これが素敵なの? どこが?」 って思われるようなものが。 |
岡尾 | そうでしょう? |
── | 旅先でのお買物について、 もうちょっとお聞きしたいのですが、 「買うかもしれない」という期待のある旅に出るときに、 あらかじめ準備していかれるものがあれば、 教えてください。 |
岡尾 | たとえば、往きのトランクには、 エアキャップ。 |
── | いわゆる「プチプチシート」ですか。 あれを、かばんに入れて? |
岡尾 | はい、持っていきます。 なんでかっていうと、旅行にいった先で エアキャップって入手が面倒なんです。 梱包材料屋さんなんて、わからないですもの。 |
── | たしかに! 日本だと‥‥ホームセンター的なところか、 街中だと東急ハンズとか。 あるいは通販で。 でも海外でそれを探すのは、至難の業! |
岡尾 | でしょう? 見つかっても、日本で買うより 値段が高いことも多いです。 それから、ちっちゃい段ボール。 |
── | 段ボールもですか?! |
岡尾 | そうなんですよ。 たたんだ状態で、いくつか入れていきます。 たとえば、ビンものや陶器などを買った時に、 エアキャップで巻いて、 いったんダンボールにいれてから、 トランクにつめたほうが、割れにくい。 |
── | おおー。なるほど! |
岡尾 | トランクのなかでダンボールごと動いたりしても、 中にはいっている大事なものには 影響が少ないんです。 |
── | おおー。 これは、次の旅行からまねができます! エアキャップ、ダンボール。 持っていく分には軽いから平気だし、 使わなければ捨てても惜しくない。 岡尾さんの「旅の7つ道具」的なもの、 ほかにもありますか? |
岡尾 | ガムテープ、マジック(油性ペン)。 郵送するときもそうだし、 ダンボールに入れて空港で荷物を預けるときにも、 必要になるんだけど、 いざというときにないのが、ガムテープとマジック。 あとは、なにかと重宝するハサミです。 そのためだけに買いに行くとなると、 お金ももったいないし、面倒ですから。 |
── | 時間ももったいない! |
岡尾 | そうそう。 すごくかさばるものでもないし、 ぽんっとかばんに入れて、 安心したほうがいいなあと思います。 |
── | エアキャップ、ダンボール、 ガムテープにマジック。 岡尾式持ち帰り4点セットですね。 この4点セットは、どんなカバンにおさめられて、 旅立ちを迎えるのでしょう? 勝手に「すごいカバン」を想像していますが‥‥。 |
岡尾 | そんなことはないですよ。 たぶんお二人が想像されているような、 めちゃめちゃおっきいのでは‥‥ないです(笑)。 予備のバッグを持って行ったりすることもありますけど、 大きさはほんとにふつうだとおもいます。 そうそう、予備のバッグといえば、 飛行機で荷物を預けるとき、 意外とみなさんご存じないことがあるんですよ。 |
── | わあ! なんでしょう? |
岡尾 | 最近は、飛行機の荷物を預けられる重さや個数が 厳しくなっていますよね。 でもね、じつはその制限の数の次の1個が、 わりと安く預けられることがあります。 航空会社によってばらつきはあるとおもうんですが、 郵便局で送るよりも安い場合があります。 わたしは良くそれを使ってるんですよ。 ※岡尾さんがよくご利用になっているANAでは、 6/1から預ける荷物のルールが変わってしまったそうです。 エコノミーだとトランク1個。追加の2個目が15000円。 けっこう高くなってしまったそうです。 みなさんも、使う航空会社のページに情報が乗ってますので、 事前に調べてみてくださいね。 |
── | 知りませんでした。 |
岡尾 | 北欧なんかは、船便がない国もあって、 郵便代がびっくりする金額になったりします。 |
── | フィンランドから小包を日本に送ったときに ほんとうに驚きました。高価で。 |
岡尾 | パリなどのように、ヤマトさんなど、 日本の宅配便会社がすぐ見つかる国ならいいんですけれど。 旅行にでる前に、 お乗りになる飛行機会社の荷物の料金を 調べてみるといいんじゃないかしら? |
── | 空港のカウンターで、 エクストラでお金を払って 預け入れるなんていう考え、 まったくありませんでした! 「きっと高いに違いない」っていう 強迫観念ばかりがあって。 知っていれば、覚悟して、 大物にも挑戦できる! |
岡尾 | でも、みなさん、 そんなに買物をされるんですか? |
── | もちろん、大好きです。けれども、 岡尾さんとはくらべものにならない程度だ、 ということがだんだんわかってきました。 それでも、いままでお聞きした知識がなくて あきらめたものが多くあります。 ああ、次回の旅行がとても楽しみになってきました! 岡尾さん、この4点セットを持って、 いま行くとおもしろいよ! という、 おすすめの国はありますか? |
岡尾 | そうですね。 どこだろうな。 (岡尾さんのおすすめの国、どこだろう? 次回に続きます。) |
2013-07-15-MON