2011年4月13日 糸井重里、サインをする。

大変、ご無沙汰をしていました。
たぶん、きっと、
このページがなんのためにあったのか、ということは、
もうお忘れじゃあないかと思うので、
いったんご説明をさしあげますと、
このコンテンツは、
「さよならペンギン」という、
湯村輝彦さんと糸井重里が1976年に出版して、
その後絶版となっていた絵本を
復刻・再出版するまでのレポートをしていたのです。

絵本が4月1日に発売され、
その後もしばらく連載をしていたのだが、
「キリの良いところ」で一旦ゆるく終了していた。
『もちろん「後日談」がある』なんて
思わせぶりに書いておいたにもかかわらず、
4ヶ月も間があくというていたらく。
面目ない。

で、そのていたらくが、
なぜ今頃にわかに「後日談」を書くにいたったかといえば!
なんと!
「さよならペンギン」のグッズに新商品が入荷するのだ
これを契機にこれに背中をおしてもらうように、
「復活」というような、そんな具合である。

8月26日(金)に、マグカップの新作と、
品切れになっていた「ペンギンカード」が入荷するのだ。


▲これが、新作のマグカップ。
 品切れになっていた赤のマグカップも入荷するので、
 「夫婦マグカップ」としても利用されたし。

さて、「後日談」はどこまで時間を巻き戻そうか。

そうだ、本が刷り上がって、
復刻のために、
1976年に出版された当時の「さよならペンギン」を
貸してくださった方々に、
「サインいり」の新板の「さよならペンギン」とともに
お貸しいただいていた旧版を返却するところまで戻ろう。

(詳しくは1回目から読んでもらうのがいちばんだとしても)
そんな時間はたいがいの方が
持ちあわせてはいないし、そりゃただの不親切だ、
ということで、経緯をざっと説明しよう。

「さよならペンギン」は、復刻しようときめたときに、
原画も、出版当時の印刷の版も失われていた。
そこで、今回の印刷の版は、
当時の絵本を解体してスキャンて作成した。
このスキャンのための「絵本」が
弊社にすら状態のいいものが存在していなかったので、
読者に呼びかけて、美本を提供してもらい、
それをスキャンさせてもらったというわけだ。

「復刻のために、大切に保存されてきた絵本を
 解体させてください。」
という大変虫のいいこちらからのお願いにこたえてくれる方は
正直いうと居ないのではないかと思っていたのだが、
最終的には、なんと11名。
11名ですよ! 
この「復刻記」で何回も記してきたけど、
なんどでも、びっくりしますよ。
なんて、なんてみんなお人好しなんだ!!

この本をご提供くださった方々には、解体しなくてもしても、
新しく絵本ができあがったら、湯村輝彦さんと
糸井重里のサインをいれた
新板の「さよならペンギン」を贈ると約束をしていたのだ。

「さよならペンギン」が出版されていろいろおちついたところで、
湯村輝彦さんに、サインのお願いをした。
かえってきたのが、これだ。
ああ、ペンギンがカワイイ。
ああ、自分もほしい。


▲こんなペンギンが描かれていた。
 あわわわわ。このペンギンのTシャツがほしいなあ。

そして、この絵を糸井重里にみてもらうと、

「オレ、ちょっとトイレ。」

といって立ち上がってしまった。


▲湯村さんからのメッセージを読む。


▲そして、ペンギンの絵をしげしげと眺める。

もどってきておもむろにペンをとる。
そして、名前だけでないサインをはじめた。


▲よどみなく。さらさらと、でたらめを添えていく。

それが以下の、
でたらめ12連発である。
(予備分の1冊を含む)


▲一同、繰り出される文を見つめる(にやにやしながら)。

そして、その「さよならペンギン」は、
日本全国のすてきなお人好しのみなさんのところへ
宅急便で届けられた。

のだが、「さよならペンギン」チームには、
ひとつだけ心残りがあったのだ。
あの、スキャンのために解体してしまった
「さよならペンギン」のことだ。

いかに、あらたな版をつくるため、とはいえ、
本を解体するということは
多少なりとも悲しみを含んだことでもある。
どうにか、ならないものか‥‥。

(次回、本当の本当の最終回である。)

2011-08-24-WED

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