2014/10/24 22:26
老いについて
松家さん
「最後に、糸井さんに
聞きたいことがあるんですが」
糸井
「なんでしょう」
松家さん
「糸井さんは、この先の
老いというものについて
どのように考えていらっしゃるのかな、
と思いまして‥‥」
糸井
「そうですね‥‥老いのことを考える、
ということを考えています。
たしかな手応えがというのは
結局、体のことしかないんですよ。
老いると具体的に目が悪くなるし
ちょっと徹夜に弱くなる。
わきたつようななにか、というのは
どんどん減ります。
そのかわり、わきたたないけどおもしろいなにか、に
移っていきます。
わきたつって、たとえば
好きな女の子の家のまわりを用もないのに
ぐるぐるまわったりすること。
青少年時代のむやみな行動です。
老いると、それがないのに、おもしろいんです。
わきたっていないのに、できることが増えたり
喜んでもらうことがうれしかったり
人がいいね、と言ってくれる。
それがすてきなんです。
『老いてますます盛ん』ではないんです。
冷静かもしれないし、大騒ぎはしないけれども、
つまらなくはないんだよ、
たのしいし、おもしろいということを
もうちょっと人に見せたいし、表現したい」