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勉強サイド

勉強の夏、ゲームの夏。2017

okuno

O先生から教わったこと。

2017/08/25 16:25
のちに、筑波大学への「推薦状」を
書いてくれることになるのが、
もう一方の絵の先生、O先生でした。

先生は、山邊くんに、
どんなことを教えてくれたんですか。

「自分を増やせ、とういことです。
先生は自己増殖、
という言葉をよく使っていましたが、
これは、直接的には、
絵という芸術を、
自己表現のために使うなという、
芸術家としての思いが底にあります。
そんなことは、おこがましいと。
そんなことより、自分を増やしていけ。
靴磨きをしている山邊。
進学校を辞めて通信高校に通う山邊。
そして、いつか、大学に行く山邊。
何かひとつの自分や表現にこだわらず、
自分というものを、
増やしていくことが重要なんだって」

なるほど。

「大学に提出するの推薦状のなかでも、
次のようなことを、書いてくれました」

はい。

「要約ですけど‥‥
山邊は、ものごとは知っている、と。
でも、それらの知識は、
つらなりのないままの、ただの知識だ、
それらの知識の間に
有機的な連関を持たせるためには
大学という場所で学ばせる必要がある」

なるほど。

「このことは、
自分を増やしていけという考え方と、
とてもつながっている気がしました。
いま、自分は
文化人類学を学んでいますが、
物事を多面的に捉えるという姿勢も、
そういえば、
O先生に教わってたことだなあ、と」

うん。

「なにより、推薦状が、うれしかった。
学校を中退して、靴磨きも、
赤字続きで汲々としていた自分には、
とってもうれしかったんです。
何でもない自分のことを、 
O先生が言葉にしてくれたことが、
とっても、うれしかった」

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