のちに、筑波大学への「推薦状」を
書いてくれることになるのが、
もう一方の絵の先生、O先生でした。
先生は、山邊くんに、
どんなことを教えてくれたんですか。
「自分を増やせ、とういことです。
先生は自己増殖、
という言葉をよく使っていましたが、
これは、直接的には、
絵という芸術を、
自己表現のために使うなという、
芸術家としての思いが底にあります。
そんなことは、おこがましいと。
そんなことより、自分を増やしていけ。
靴磨きをしている山邊。
進学校を辞めて通信高校に通う山邊。
そして、いつか、大学に行く山邊。
何かひとつの自分や表現にこだわらず、
自分というものを、
増やしていくことが重要なんだって」
なるほど。
「大学に提出するの推薦状のなかでも、
次のようなことを、書いてくれました」
はい。
「要約ですけど‥‥
山邊は、ものごとは知っている、と。
でも、それらの知識は、
つらなりのないままの、ただの知識だ、
それらの知識の間に
有機的な連関を持たせるためには
大学という場所で学ばせる必要がある」
なるほど。
「このことは、
自分を増やしていけという考え方と、
とてもつながっている気がしました。
いま、自分は
文化人類学を学んでいますが、
物事を多面的に捉えるという姿勢も、
そういえば、
O先生に教わってたことだなあ、と」
うん。
「なにより、推薦状が、うれしかった。
学校を中退して、靴磨きも、
赤字続きで汲々としていた自分には、
とってもうれしかったんです。
何でもない自分のことを、
O先生が言葉にしてくれたことが、
とっても、うれしかった」
書いてくれることになるのが、
もう一方の絵の先生、O先生でした。
先生は、山邊くんに、
どんなことを教えてくれたんですか。
「自分を増やせ、とういことです。
先生は自己増殖、
という言葉をよく使っていましたが、
これは、直接的には、
絵という芸術を、
自己表現のために使うなという、
芸術家としての思いが底にあります。
そんなことは、おこがましいと。
そんなことより、自分を増やしていけ。
靴磨きをしている山邊。
進学校を辞めて通信高校に通う山邊。
そして、いつか、大学に行く山邊。
何かひとつの自分や表現にこだわらず、
自分というものを、
増やしていくことが重要なんだって」
なるほど。
「大学に提出するの推薦状のなかでも、
次のようなことを、書いてくれました」
はい。
「要約ですけど‥‥
山邊は、ものごとは知っている、と。
でも、それらの知識は、
つらなりのないままの、ただの知識だ、
それらの知識の間に
有機的な連関を持たせるためには
大学という場所で学ばせる必要がある」
なるほど。
「このことは、
自分を増やしていけという考え方と、
とてもつながっている気がしました。
いま、自分は
文化人類学を学んでいますが、
物事を多面的に捉えるという姿勢も、
そういえば、
O先生に教わってたことだなあ、と」
うん。
「なにより、推薦状が、うれしかった。
学校を中退して、靴磨きも、
赤字続きで汲々としていた自分には、
とってもうれしかったんです。
何でもない自分のことを、
O先生が言葉にしてくれたことが、
とっても、うれしかった」