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勉強サイド

勉強の夏、ゲームの夏。2017

okuno

筑波大学の自己推薦に落ちる。

2017/08/25 16:35
こうしてF先生・O先生・N先生など、
佐世保の大人たちに囲まれながら、
日々、靴を磨きながら、
通信制高校に通っていた山邊くんは、
「テストの学力を問われる一般入試では
合格できない」と思ったそうです。

そこで「自己推薦」という制度を使い、
O先生とN先生に、
推薦状を書いてもらったのですが‥‥。

「文化人類学を学びたくて志望した
筑波大学の自己推薦に、落ちてしまいました。
提出する考査書類に、
これまでの自分の人生のことを、
つらつらと
書いてしまったのですが‥‥
もっと、文化人類学の
研究計画書のようなものが、
求められていたんだと思います」

佐世保の山邊くんの靴磨きのお店には
いろんなお客さんが来るし、
仕事をうまくやっていくには
町の事情だとか人間模様なんかにも
詳しい必要があるだろうし、
あれはあれで、
山邊くんは、靴磨きの椅子に座って
佐世保のフィールドワークやってるんだなと
思ったんですけど‥‥。

「はい、ぼくも、自分の状況が、
まあ、めずらしいことを知っていて、
そのことを書けば‥‥
という甘えがあったんだと思います。
きちっとした
研究計画から逃げてしまったんです。
せっかく推薦状を書いてもらったのに、
あれじゃあ、落ちて当たり前でした」

なるほど。

「このとき、F先生から教わったことを、
痛感したんです。
つまり、ものごとには、やりかたがある。
そのことを、忘れていたんです。
せっかく学んだのに。
靴磨き職人をしていたことは、
ぼくにとって、
本当にプラスになってると思うんですが、
唯一の弊害があるとすれば、
人と違うことこそ、みんな喜んでくれる、
と思いすぎてしまったことです。
受験には、美術部でF先生から教わった
賞レースでの勝ち方や戦い方、
『傾向と対策』こそ、必要だったんです」

合否の発表は封書で、学校に届きました。

同級生も、先生たちも、
山邊くんがきっと受かると思ってたのか、
開封するときに、
まわりに、山のように集まったそうです。

が、結果は、失敗。不合格。

「みんな、音もなく、サササーッ‥‥と、
ぼくから離れていきました(笑)」

じゃあ、それで‥‥どうしたの? 

「落ちたのは、自己推薦の試験。
1ヶ月後に、面接と小論文が試験科目の
学校推薦の試験があったんです」

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