それでは、読者の方からの
質問に応えていただきたいと思います。
古賀さんに選んでいただきました。
こちらの質問です。
感想文の相談です。
小5の女の子。
テレビドラマ化された小説で書くことにしました。
主人公がこうでああで‥‥と
内容を要約しては『すごいと思った。』
また違うシーンを要約しては
『面白いなと思った。』
と感想部分が少なすぎるできばえ。
どうすごいの? 自分だったらどうなると思う?
どのへんが面白いと思ったの?
それは笑える面白さ?
興味が出たっていう面白さ?
とこちらが掘り下げようとしても、
『うーーん、わかんない』
気楽に内容について
おしゃべりしているといろいろ出てくるのに、
いざそれを文にとなると書けなくなるみたいです。
文章を書くうえで、
普段からできることを教えてください。
(りえかえる)
あああ、よくありますね、こういう感想文。
というか、ふつう、こうなっちゃう。
古賀先生、どうすればいいんでしょうか?
「大人のライターの人でも
こういうことってよくあります。
ライター講座などで、
ぼくはこんなふうに言ってます。
感動でも、興奮でも、怒りでも、悲しみでも、
こころが動いたら、感情をそのままにせず、
『自分のこころ』を見つめる時間をつくる。
よくないのは、すぐにそれを
安易なことばに置き換えることです」
自分のこころを見つめる、というのは、
具体的にはどういうふうにすればいいのでしょう。
「本を読んで、こころが動いたら、
その『感じ』が、
自分が過去に経験した
なにに似てるか考えてみましょう。
自分が過去に見たり聞いたり
感じたりしたことをしっかりと見つめ、
いま感じたこころの動きが、
それの何かと似ていないか、必死に考える。
たとえばそれは、
『予防接種を打つ前の
列に並んでるときのドキドキ』に似てないか?
『夕方の空が赤らみ、
少しずつ暗くなっていくときのさみしさ』
に似てないか?
『ベッドに入ったのに、
ちっとも眠れないときの怖さ』に似てないか?
それをじっくりと考えます。
そして、もしも似たものが見つかったら、
本を読んだときのこころの動きと、
過去の自分の体験に共通するものに、
『名前をつけられないだろうか?』
というふうに考えてみます。
共通する『この感じ』に名前がつけられたら、
それが、自分なりに感じた作品のテーマです」
‥‥古賀先生、いや、古賀さん、すごい。
それは、すごい考え方です。
しかも、それ、自分でできる。
「はい、できると思うんです。
で、自分なりに読み取ったテーマが発見できたら、
もう一度、本をぱらぱらめくります。
じっくり読むというよりは、
印象深く感じたところを、ぱらぱら読み返す。
そうすると、テーマがさらに肉付けされていきます。
あとは、それを、丁寧に書いていくだけです」
はーーー、古賀さん、すごいです。
さすがだ、古賀さん。
質問に応えていただきたいと思います。
古賀さんに選んでいただきました。
こちらの質問です。
感想文の相談です。
小5の女の子。
テレビドラマ化された小説で書くことにしました。
主人公がこうでああで‥‥と
内容を要約しては『すごいと思った。』
また違うシーンを要約しては
『面白いなと思った。』
と感想部分が少なすぎるできばえ。
どうすごいの? 自分だったらどうなると思う?
どのへんが面白いと思ったの?
それは笑える面白さ?
興味が出たっていう面白さ?
とこちらが掘り下げようとしても、
『うーーん、わかんない』
気楽に内容について
おしゃべりしているといろいろ出てくるのに、
いざそれを文にとなると書けなくなるみたいです。
文章を書くうえで、
普段からできることを教えてください。
(りえかえる)
あああ、よくありますね、こういう感想文。
というか、ふつう、こうなっちゃう。
古賀先生、どうすればいいんでしょうか?
「大人のライターの人でも
こういうことってよくあります。
ライター講座などで、
ぼくはこんなふうに言ってます。
感動でも、興奮でも、怒りでも、悲しみでも、
こころが動いたら、感情をそのままにせず、
『自分のこころ』を見つめる時間をつくる。
よくないのは、すぐにそれを
安易なことばに置き換えることです」
自分のこころを見つめる、というのは、
具体的にはどういうふうにすればいいのでしょう。
「本を読んで、こころが動いたら、
その『感じ』が、
自分が過去に経験した
なにに似てるか考えてみましょう。
自分が過去に見たり聞いたり
感じたりしたことをしっかりと見つめ、
いま感じたこころの動きが、
それの何かと似ていないか、必死に考える。
たとえばそれは、
『予防接種を打つ前の
列に並んでるときのドキドキ』に似てないか?
『夕方の空が赤らみ、
少しずつ暗くなっていくときのさみしさ』
に似てないか?
『ベッドに入ったのに、
ちっとも眠れないときの怖さ』に似てないか?
それをじっくりと考えます。
そして、もしも似たものが見つかったら、
本を読んだときのこころの動きと、
過去の自分の体験に共通するものに、
『名前をつけられないだろうか?』
というふうに考えてみます。
共通する『この感じ』に名前がつけられたら、
それが、自分なりに感じた作品のテーマです」
‥‥古賀先生、いや、古賀さん、すごい。
それは、すごい考え方です。
しかも、それ、自分でできる。
「はい、できると思うんです。
で、自分なりに読み取ったテーマが発見できたら、
もう一度、本をぱらぱらめくります。
じっくり読むというよりは、
印象深く感じたところを、ぱらぱら読み返す。
そうすると、テーマがさらに肉付けされていきます。
あとは、それを、丁寧に書いていくだけです」
はーーー、古賀さん、すごいです。
さすがだ、古賀さん。