2018/08/23
16:25
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楽しかったからこそ、修士論文も書けた。
ちなみに
「okatteにしおぎのひみつ」のゆくえは?
「大学院で、コモンズ論に出会って‥‥」
コモンズ論。
「コモンズの悲劇、という考えがあります。
これは、牧草地など、
昔の農村にあったような共同管理地で
それぞれが
自己利益の最大化するために行動すると、
たとえば、牧草地の牧草は、
ぜんぶ食べられて、荒れ地になっちゃう」
なるほど。
「そういう考え方があるんですが、
エリノア・オストロムさんという人が
そのコモンズ理論で
ノーベル経済学賞に輝いたんです。
こむずかしい話は省きますが、
共有の牧草地でも、うまく管理すれば、
『タダ乗り』する人を生むことなく
じょうずに運営できるんだ、って。
その考え方が、
いまのシェアの考えに応用できるんです」
当時は、現代的な意味での「シェア」、
つまり「シェアキッチン」と言ったときの
「シェア」が含む意味合いって、
まだ、なかったと思うんですが、なるほど。
時代を超えて応用できる、コモンズ理論。
「そこで、そうか、okatteにしおぎは、
ちいさなコモンズだと思いました。
ここでは、いろんな人が、
いっしょにごはんをつくって食べるという
目的のもとに、
お米や野菜という食材だけでなく、
情報や経験、スキルまで持ち寄ってくれる。
そうやって回っているんです。
牧草は、減らない。むしろ増えていきます。
あたらしい活動が生まれていくんです。
大学院でコモンズ理論を学んで、
わたしは、
okatteにしおぎのそういうところを
おもしろがっていたんだなあ、と」
なるほど。ただ奪い合うだけの場所には、
誰かが、玉ねぎを、
こんなふうに置いてはいかないですよね。