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しましま村のひと
先日、しましま村の
すなお村長が遊びに来てくれました。
「お似合いなプレゼントを持ってきたよー」
と、すいかのぼうし。
わたくしが、ほっぺに、
きゅうりやレモンのパックを貼り付けているのを見て
持ってきてくれたのです。
うれしい。さっそくかぶります。
スイカマン。
似合っている気がします。
うれしい。うれしい。すいかのぼうし。
CLUB444の
ししょーに教わった数々の表情も試してみます。
うん。いい。
これはよいぼうしだ。
わたくしはたいへんよろこびました。
しかし、よろこびは長くつづきませんでした。
なんと、村長に自宅軟禁されたのです。
他村の人が建物内にいると
家具が動かせないことを利用した、
巧みな犯行です。
いま思えば、すいかのぼうしをくれた時から、
あやしい目線の動きだったのです。
あれは、そういうことだったのです。
このすてきなぼうしは、そういうことだったのです。
わたくしのこころはざわめきました。
いままでに感じたことのない、不穏なざわめきです。
しかも、わたくしのたいせつな遊び仲間、
ジョンにまで手を出している...!
ジョン...そっちへ行っちゃダメだ...
ジョン...ダメだ...
ジョン...!
わたくしは、村長の仕事をなめておりました。
村長は村人を守らねばなりません。
民が堕ちてゆくのを黙って見ていてはいけないのです。
「将星堕ちるべし」
占い師と心を鍛え、
かっぺいと尻を鍛え、
ペンギンと空を見上げる。
わたくしの森は、変化の兆しを見せています。
あの旗をかかげる時が来てしまったか。