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考古学に傾ける情熱と
生臭い執着とのあいだで。いや、べつに
「コンプリート癖(へき)」が
あるわけじゃないんですよ。
でもね。
毎日地面に入るクラック、
そこを掘ると出てくる化石。
換金するためには博物館で
フータに鑑定してもらわないといけなくて、
そのとき新発見の化石だと
「寄贈をお願いします」と言われるわけです。
そうして毎日毎日4コの化石を
発掘、鑑定、寄贈あるいは換金しているうち、
「あと1コでコンプリート」
ということがわかったわけです。
ぶらりと考古学フロアを歩いていたら、
どう見ても、足りないのは1コだと。
それがきのうのことです。
足りないのはセイスモサウルスのあたま。
歩くとじめんが揺れるくらいの巨体だそうで、
調べてみたら世界で発掘された骨格は
たったひとつだというじゃないですか。
そんなものがわがみつぼし村に
あるのだろうかという疑問はさておき、
まああと1コだし、がんばって毎日
発掘していこうと思っていたわけです。
下手すりゃ数ヶ月かかるんじゃないか、
というくらいの覚悟で。
つまりはそれがきのうのことです。
が。今朝。
いつものように4コの化石を発掘し
フータのところに持っていきましたらば、
そのうちのひとつがまさしく
「セイスモサウルスのあたま」!!
フータもホホーッと興奮してました。
もちろん寄贈。すかさず寄贈。
そして、いわゆるコンプリートでございます。
ていうか、えー、なにー、そんなにあっさり
見つかっちゃうものなわけ?
で‥‥なんかくれたり、するのかな?
(たとえば金のシャベルとか)
と思っていたんですけれど、
どうやらもらえるのは「名誉」だけのようですね。
考古学に傾ける情熱に、
そんな生臭い執着は
あまりにも無粋だということなのでしょう。
そもそも村長の「考古学に傾ける情熱」が
ニセモノだということを
たぶんフータは見抜いているな‥‥。
でもなんかくれてもいいのにね。
と思いつつ、すべてがそろった考古学フロアを
見て回る村長なのでした。