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日報より
新人インテリアコーディネーターとして
修行の日々を送っています。
たぬきハウジングでは、
仕事を終えたあとに
日報を書くことを義務付けられているので、
ここにも日報風に書いてみたいと思います。
【8月27日(木)くもり】
入社3日目。
朝、店の外に出た瞬間、
うさぎの姿をしたお客さまが
「チョコに囲まれた休日を過ごしたいな!」と、
つぶやいておられましたので、
店内にご案内しました。
そして、そのまま私が
担当させていただくことになりました。
チョコに囲まれたい‥‥
そういう依頼は初めてでとまどいましたが、
シンプルに考え、立地場所として
「チョコが溶けない寒い地域」を
ご提案させていただきました。
ご快諾いただいたので、
さっそく、雪の降る場所に家を建てました。
そして、家を建てている間、
ふと、こんなことを思いつきました。
‥‥そこまでチョコがお好きなら、
カカオを栽培して、
チョコを自分で作れるようにしてあげたら、
ずーっとチョコに困らない暮らしが
できるのでは??
弊社が持っている観葉植物の欄には、
カカオの木もあったし‥‥。
すぐに「カカオの育て方」と
「カカオからチョコレートを作る方法」
をスマホ検索しました。
当然ながらカカオは熱帯の植物です。
寒い地域での栽培は難しいかもと思いましたが、
よく調べてみると、
温室栽培をしているところもあるそうです。
思い切って、
お客さまの家を温室にすることにしました。
室内の温度と明るさを保つため、
エアコン、照明、スポットライトを設置。
床には収穫用のバケツ。
そして、カカオ豆を焙煎するためのガスレンジ。
(チョコをつくる過程で焙煎します)
庭には、チョコレートフォンデュや、
チョコレートケーキなどをふんだんに並べ、
その中心に、憩いのソファを用意しました。
カウチポテトならぬカウチチョコです。
栽培がうまくいったら、
こうやって、チョコを好きなだけ料理して
食べられます。
そのハッピーなイメージを維持したまま、
カカオの栽培に励んでいただきたい、
そんなふうに考えたのです。
寒い地域を選んで大正解でした。
庭にチョコを置いていますが、
しんしんと降る雪が
保冷剤としての役割をも
果たしてくれるんです。
完成した家をみたお客さまは
予想以上に喜んでくださいました。
にこにこしながら、
カカオをフライパンで
焙煎しはじめたのです。
そのときのお客さまの
嬉しそうな顔が忘れられません。
部屋中に充満する幸せの香り。
ちなみに、
カカオの学名はテオブロマ・カカオ。
ギリシャ語で「神様の食べ物」
っていいます。
(ギリシャ村にも植えようかしら)
インテリアコーディネーターになって
よかったなぁと思う瞬間でした。
(日報より)