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プロレスリング
たいして働いてないのに昇進しちゃった
新米インテリアコーディネーターの
あさみです。
今日は、新規のお客さまから
「家にプロレスリングを作って
みんなに熱い闘いを見せてあげたい」
という要望を受けました。
プロレス‥‥。
調べたら、弊社の持ち物リストには
本格的なプロレスリングがありました。
でも、なんか、危険ですよね。
プロの試合ならともかく、
一般家庭にリングを用意して、
お客さまが怪我でもしたら‥‥。
「おたくの建てた家から
血まみれの人が出てきたわよ」
なんて噂がたっちゃったら、
もうこの業界でやっていけません。
うーーん‥‥あ、そうだ!
私も子どものころ、部屋にマットレスを敷いて
プロレスごっこをしてたっけ‥‥。
あれは痛くなかった!
と、いうわけで、マットレスに近い
シンプルなベッドを6つ並べ、
即席のリングを作りました。
実際にその上で転がってみたのですが、
ちっとも痛くありません。
また、地面に落ちても痛くないように、
周りには花を敷き詰めました。
コスモスは意外と丈夫なので、
何度人が落ちても、きっと大丈夫でしょう。
「これで完璧!」と、自己満足に浸っていたら、
背後に、すなお村長が立っていて、
信じられない発言をしてきました。
「葬儀会場でも作っているんですか?」
な、な、なんて失礼な‥‥。
「プロレスの試合会場ですよ。
ほら、ちゃんと観客席もあるでしょう」
「セレモニーホールの参列者席かと思いました」
‥‥思わず、
「ちょっとリングに上がってくれる?」と
言いそうになりましたが、
ぐっとこらえました。
私はこの業界では新米なんです。
ベッドと花しかないから
そんなふうに思われるのだろうか。
そこで、トロフィーとマスク、ゴングを用意して、
初代チャンピオンの写真を飾りました。
これで、かなり
プロレスリングっぽくなりました!
お客さまも喜んでくださったので、
一安心です。
でも、なぜかプロレスをやらずに、
お花の水やりをはじめるお客さま‥‥。
あれ、なんかキャラ変わってません?
熱い闘いを見せたい、とか言って
血をたぎらせていたのに、
すっかり園芸愛好家のような風情に‥‥。
そのあと昼寝してるし!
ま、いいか。
ギリシャ村も、この街も、
どこも平和がいちばんです。