2018-12-28
首が寒いとなんだか
動きたくならない、
調子が出ない、ということも
体調上の理由としてあるのですが、
おしゃれのアピールとして
わかりやすく楽しい、
というのがいちばんの理由です。
さらにいうと、首に何かを
「巻きつける」ということが、
人が装う、という行いの原初の形を
思い起こさせるようで、
すてきなスカーフなんかを見ると、
ちょっと挑まれているようにすら感じる。
「巻いたらどうなるの?
わたしに巻ける?
ちょっと巻いてみたい!」っていうような。
皆さんはそんなこと、ないかしら。
そんなわけで、
わたしはなかなかの巻きもの長者です。
(とはいっても、他の方の衣装箪笥を
見ての比較ではないんですよ。
自分でそう思ってるだけ)
今回は自分のお気に入りの中から、
いくつかピクトリアル(絵画的)で主張のある
スカーフやマフラーを、
Miknitsのシンプルなニットに
合わせてみました。
最初はHermes(二つ目のeに
アクセント記号がつきます)のスカーフ。
グラフィックの楽しさ、特に
色使いの巧みさに一目惚れして買ったものです。
この柄にはOn A Summer Day という
名前がついていて、
夏の日の摩天楼を
斜め上から俯瞰した様子が
描かれているようです。
合わせるセーターは、黄色のropes。
スカーフにも同じ色が使われているので
相性がよいのです。
シルクの光沢が
マットな質感のウールのセーターに
映えてきれいだな、と思います。
次はスコットランドのスーベニア・スカーフ。
大学生の時に、古着屋で買ったものです。
赤いタータンチェックの縁取りの中に、
スコットランドの街にちなむ紋章や、
観光名所の紹介を
にぎにぎしくとじこめてあり、
じーっと見てると
きりがないくらいに、情報量が多い。
わたしはこの中のグラスゴーの紋章を
ずっと不思議に思っています
(鐘のぶら下がった木の下で
くちばしのついたアザラシみたいな海獣が寝ていて、
それを鳥が見下ろしてるのです)。
きっと何かストーリーがあるのでしょうが、
しかし調べるまでには行かず。
おそらく永久に謎のまま
わたしはこれを巻き続けるのです。
にぎやかな割に、
何にでも合うスカーフなのですが、
今回はネイビーのropesに。
すごく毛足の長い、
しましまのしっぽのようなマフラーは
CHARLOTTE SIMONE というブランドのもの。
ショッキングピンクと深いグリーンと黒、
という取り合わせが、パンキッシュで大好きです。
表はアクリルのフェイクファーですが、
裏地がシルクなので、予想外に
自然な巻きごこちで使いやすい。
これはゆったりしたボリュームのある
snowyと、よく合います。
最後は1930年代の
シルクシフォンのブラウス。
ロンドンのアンティークマーケットで
見つけたのですが、
帰国して2、3回着たら、
なんと脇の下がぺりっと破けてしまった。
でもテキスタイルが夢のようにきれいで、
捨てるなんて考えられないし、
かといってしまっておくだけなんて、
つまらない。
……じゃあ、巻けばいいじゃない!
というわけで、それからはずっと
巻きものとして役に立ってくれています。
これはメンズライクな黒のropesに巻くと、
相反するキャラクターが、
お互いの持ち味を引き立てあって、
いい感じではないでしょうか。
うーむ、満足。
何はともあれ巻いてみる、は、
着るという一人遊びのおもしろさを
深めてくれるみたいです。