糸井 |
ではさらに、 震災に備えて持っていると便利シリーズを 教えていただけますか。 |
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山下さん |
今回、被災地の取材をして思ったんですが、 地震のあとは粉塵がものすごいんです。 いろんなもの吸ってしまうと体に害があるので‥‥ マスク。 これはかなり重要、かなり役に立ちました。 |
糸井 | マスク。 |
山下さん | 花粉用のマスクでいいので。 |
糸井 |
腐らないから買っておきましょう。 で、いろんなものをなんとなく入れといて 非常時に持ち出す袋‥‥ 「なんとなくポーチ」に、 しまっておけばいいんです。 |
山下さん |
「なんとなくポーチ」(笑)、 そういう名前なんですね。 |
糸井 | ポーチに入れるもの、あとはなにがありますか。 |
PRさん | 軍手はあったほうがいいと思います。 |
山下さん | そうだ、軍手は使えますね。 |
糸井 |
アーミーグラブ。 手で触れないものも きっといっぱいあるでしょうから。 |
PRさん | あったほうがいいです。 |
糸井 | 入れましょう、「なんとなくポーチ」に軍手を。 |
PRさん |
それともうひとつ、 ぜひ入れてほしいのものがあって‥‥。 いわゆるコンビニ袋というものです。 これをいくつか、くしゃくしゃっと丸めて そのポーチに入れていただきたいです。 |
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糸井 | コンビニエンスストアの袋ですか。 |
PRさん |
神戸のとき、 段ボール箱にコンビニ袋を入れて それで水を運んだんですよ。 |
糸井 | そうだったんですか。 |
PRさん |
給水車が来たときに入れ物がなかったんです。 で、どこの誰が思いついたか、 ちっちゃい段ボール箱にコンビニの袋を入れて、 「これに水を入れてください」 というのがけっこう流行りました。 |
糸井 | へええー。 |
PRさん |
コンビニ袋はいろいろ使えますので、 くしゃくしゃっと丸めて いくつかポーチに入れていただければ。 |
糸井 | すてきなPRさんに、お言葉を返すようですが。 |
PRさん | はい‥‥。 |
糸井 |
くしゃくしゃっと丸めるよりも、 きれいにたたんだほうが、いいですよね。 |
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PRさん | それは‥‥おっしゃる通りです(笑)。 |
山下さん | (笑) |
PRさん | 雑で、すみません(笑)。 |
糸井 |
こちらこそすみません(笑)、冗談です。 いやぁ、水を運ぶっていうのはすばらしいですね。 入れましょう、 「なんとなくポーチ」にコンビニ袋を。 |
PRさん | たたんで入れてください。 |
糸井 |
となると、30リットルのゴミ袋なんかも ひとつあるとだいぶ‥‥ |
PRさん | だいぶいろんなことに使えますね。 |
糸井 | ねえ。 |
PRさん |
ビニールや布はちっちゃくなるので、 いろいろ気軽にポーチに入れられますね。 一回入れておけば、 定期的に交換する必要もないですし。 |
糸井 |
そう、定期的に交換する必要があるものは プレッシャーなんです。 負荷がかかりすぎると結局やめてしまいますから。 |
山下さん |
その意味では、 新聞紙は簡単に用意できそうです。 被災地で、とくに寒かった時期には、 新聞紙が役に立っていたんですよ。 からだに巻いたり羽織ったりすれば、 意外に寒さをしのげることがわかりました。 |
糸井 |
それはぼく、よく知ってますよ、 釣りをしてたから。 |
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山下さん | あー、なるほど。 |
糸井 |
釣りで思い出したんですけど、 糸やヒモっていうのも便利ですよね。 案外、ヒモって必要なときにないでしょう。 |
PRさん |
そうですね、ないです。 しかもそれは、簡単に用意ができます。 |
山下さん |
あと、意外と盲点なのが コンタクトの予備です。 避難してしばらく帰れなくなったときに コンタクトが無いのは、きつい。 ぼくは2週間分くらいを準備しています。 |
糸井 |
2週間分でも、軽いですもんね。 それも「なんとなくポーチ」に入れましょう。 |
PRさん | どんどんポーチの中身が増えてきました(笑)。 |
糸井 |
うん。 そうなりますよね、きりがない。 |
PRさん |
いわゆる防災キットみたいなものを アレもコレもってやっていると、 ほんとうにきりがなくなってしまいます。 |
山下さん |
ですから、あれですね、 何もかも用意しておくというよりは、 こうやって ふだん身のまわりにあるモノについて 「あれは災害時にどう使えるかな?」と、 思いを巡らすことが たいせつなんだと思います。 |
糸井 |
そうですね。 「あれはどうだろう」と 話し合うだけで意味があります。 いざというときに、 懐中電灯の置き場所を知らないとか、 マスクはどこにあるんだ?っていうのは とてもよくあるケースでしょうから。 |
PRさん | はい。 |
糸井 |
いいですね、いい感じです。 あと、なにかありませんか? 備えておきたいアイテム。 |
山下さん | うーん‥‥。 |
PRさん | あとは‥‥。 |
糸井 | ‥‥ああ、ひとつ思い出しました。 |
山下さん | なんでしょう。 |
糸井 |
むかし、ある学者さんから、 「災害のときサンダルはやめなさい」 って言われたんです。 |
山下さん | あ、履きもの。 |
糸井 |
かかとをおおうものを履いて逃げないと、 なにを踏むかわからない。 さらに、人ごみの中でサンダルはすぐ脱げるから、 それがパニックのもとになってしまう。 かかとのある履き物を必ず用意しておくように、 ということを言われました。 |
山下さん |
そうですね、 運動靴でいいので準備しておきたいですね。 |
PRさん | 枕元に置いておくとか。 |
糸井 |
この前の地震の日には、 カミさんとふたりで スニーカーの底を洗って それを履いて家の中を歩いてました。 そうしたことで、自信をもって動けましたね。 |
PRさん |
強い余震が続いた新潟中越地震のときは けっこう皆さん枕元に靴を置いていました。 靴がなくて逃げられないという状況が いちばん怖いのだそうです。 |
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糸井 | ぼくもそれをすごく感じました。 |
山下さん | 履きもの、大事ですね。 |
糸井 |
ぼくらのおすすめとしては、 枕元に運動靴を置いておく、としましょうか。 |
PRさん | はい、古い運動靴でいいので。 |
山下さん | そうですね。 |
糸井 |
‥‥でもあれだ、靴はでっかいですよ。 「なんとなくポーチ」に入らない。 |
PRさん | たしかに、ポーチには無理です。 |
糸井 |
じゃあ、 「なんとなくボックス」もつくります。 |
山下さん | ボックスも(笑)。 |
糸井 |
「なんとなくポーチ」と 「なんとなくボックス」は、 会社にも置いておきたいですよね。 |
PRさん | そうですね、家庭でも会社でも。 |
山下さん |
ヒールを履いた女性社員が、 「なんとなくボックス」から取り出した スニーカーを履いて、がれきの街を歩いていく。 |
糸井 |
うん。 いいと思います。 ここまでの感じなら、すごくラクにできますよ。 大きな覚悟をしなくても、 誰でもできる準備だと思います。 |
□震災に備えて持っていると便利なものとして、
以下のようなアイテムが挙げられる。
・マスク
・軍手
・コンビニ袋
・30リットルのゴミ袋
・新聞紙
・糸とヒモ
・コンタクトの予備
・枕元にスニーカーを(脱出・避難用)
□震災のために備えたいモノはきりがない。
でも、そのことについて考えをめぐらせ、
話し合うことは重要。
(つづきます)