SAMさんに、ダンスのはじめかたを聞きにいく。 SAMさんに、ダンスのはじめかたを聞きにいく。
ほぼ日の読みものチームの田中です。
突然ですが、ダンスに興味はありますか? 



僕はいま37歳ですが、
1年ほど前に習いはじめたところ、
想像をはるかに超えておもしろく、
生活がダンスを中心にまわるようになりました。
教室にいくのが毎回たのしみで仕方ないし、
時間があれば練習をしたい。
「どうしていままでやらなかったんだろう?」
「もっとみんなやればいいのに」
と考えるようになりました。



とはいえ自分自身がそうだったように、
ダンスというのは、未経験の人が
「やってみようかな」と思うには、
すこしハードルが高い趣味という気がします。



そこで、未経験の人がダンスをはじめる
きっかけになる記事を作れたらと、
TRFのSAMさんに「ダンスのはじめかた」について
聞きにいってみることにしました。
というのもSAMさんはいま、普通の人に
ダンスの魅力を伝える活動をされているから。



動画の「SAMさんのミニダンス講座」も
ありますので、よければぜひご覧ください。
ここからダンスの世界に足を踏み入れる
人がいたら、僕はとても嬉しいです。
(2)いろいろ踊れるSAMさん。
──
ダンスについて、基本的なことを
おうかがいしたいのですが、
SAMさんのダンスは、
何というジャンルになるのでしょうか?
SAM
大きく言うとストリートダンスで、
僕がやっているのは、
「ハウス」というスタイルですね。
こういったものです。
──
まさに、SAMさんのダンスの
イメージというか。
ということは、TRFのダンスというのは
「ハウス」なんでしょうか。
SAM
いえ、僕以外のふたり、CHIHARUとETSUは
正統派の「ジャズダンス」ですね。
外国のアーティストで言うと、
ブリトニー・スピアーズとか
ジャネット・ジャクソンがジャズダンサーです。
日本でいえば、安室奈美恵やMAXが
「ジャズダンス」ベースの振付です。
──
ストリートダンスって、
「ハウス」や「ジャズダンス」のほかには
どんなジャンルがあるんですか?
SAM
まずみんなが知ってる、頭や背中で回る
「ブレイクダンス」がありますよね。
そして中居(正広)君がよくやる、
動きの途中でカチッとポーズをとるような
「ロッキングダンス」。
あとは筋肉を弾かせて踊る「ポッピング」。
腕を振り回す「パンキング」。
カクカクした動きの「ロボットダンス」とか。
ほかにも、今言ったようなダンスを
もとにできた「ヒップホップ」とか、
ちょっとおもしろい動きというイメージがある
「アニメーション」とか。
最近出てきたストリートダンスには
「クランプ」というのがありますね。
いくつかやってみますね。
──
それぞれ違いますね‥‥おもしろいです。
SAM
そう、ストリートダンスといっても、
さまざまなスタイルがあるんです。
だからダンスをはじめたくなったら、
動画をたくさん見て、
自分のやりたいジャンルを見つけると
いいと思いますよ。
──
SAMさんが「ハウス」をやるようになった
きっかけはなんですか?
SAM
僕自身はもともと「ソウルダンス」から
ダンスの世界に入ったんです。
1970年代の初め頃、アメリカで
黒人による黒人のための
『ソウル・トレイン』という
テレビ番組があったんですけど、
そこで踊られていたダンスですね。
ストリートダンス自体、この
「ソウルダンス」から生まれたものなんです。
──
そうなんですか。
SAM
ええ。そこから僕はひととおり
全部のジャンルを通ってきたんです。
「パンキング」も「ロッキング」もやりましたし、
「ブレイクダンス」ももちろんやりました。
ニューヨークやロサンゼルスで
新しいダンスが生まれて日本に入ってくるたびに、
リアルタイムで全部吸収してきたんです。
写真
──
それはつまり、日本のストリートダンスの
歴史とともに歩んでこられたというか‥‥。
SAM
そうですね。
ほかにもロンドンが起源の「ビバップ」という
ダンスをしていたこともあります。
これは、ちょっとおしゃれにスーツを着て、
コンビの靴(コンビネーションシューズ。
2色使い、あるいは異素材使いの靴)を履いて、
ターンやステップダンス中心に
踊るようなものですね。
あと20代の数年間は、
バレエにがっつりとハマっていました。
──
バレエまで。
SAM
はい。
ただ、どれもおもしろかったんですけど、
どこかしっくりこなかったんですね。
そして自分のなかに、漠然とだけど、
最終的にやりたいスタイルのイメージが
あったんです。
で、30歳ぐらいのとき、ニューヨークの
Shelter(シェルター)というクラブで
「ハウス」を踊る人間を見たときに、
衝撃を受けたんです。
「俺のやりたいダンスはこれだ!」みたいな。
──
わぁ。
SAM
あまりにかっこよくて、見た瞬間
「こっちだ!」という感じでしたね。
そこから「ハウス」をメインで踊るようになって、
もちろんほかにもいろいろなジャンルを
やりながらですけど、いまに至ります。
──
ダンス全体の話で言うと、
ストリートダンスやバレエ以外には、
どんなジャンルがあるのでしょうか?
SAM
ジャンル自体は、数限りなくあるんです。
日本でも、日本舞踊、能、歌舞伎など
いろいろありますけど、
世界中それぞれの国や地域に、
それぞれの民族舞踊がありますから。
ただ、目につくところでいえば、
フラメンコ、タンゴ、タップダンス、
インド舞踊‥‥あとソーシャルダンス
(ソシアルダンス・社交ダンス)とか。
世界的にはいま、サルサ人口が
いちばん多いと言われてますね。
写真
──
あ、いちばんはサルサですか。
SAM
とはいえ日本だと、
ストリートダンス人口が
いちばん多いと思いますね。
エアロビクスとかまで入れると、
わかんないですけど。
男女比だと圧倒的に女の人が多くて、
ダンススタジオに通っているのも
8:2ぐらいで女の人です。
──
そんなに女性が多いんですね。
SAM
はい。世界的にも女の人が多いと思います。
ただ男って、人から習わずに
自分で研究して上手くなるやつも多いんですね。
だから実際には6:4とか、
7:3くらいじゃないでしょうか。
──
日本のダンスシーンというのは、
いまと昔でちがいますか?
たとえばTRFのデビュー当時などと比べると。
SAM
80年代・90年代初頭の日本だと、
僕らのようなストリートダンスって、
すごくマイナーな存在だったんです。
だから、やってる連中同士はみんな、
お互いに知ってるような感じでした。
それが、90年代の後半ぐらいになると、
ストリートダンスのスタジオも
アーティストも一気に増えて、
地方とか、自分たちの知らないところで、
上手い若手がボンボン
出てくるようになったんです。
キッズダンサーの人口も増えて、
2000年頃には、もうすごいことになってました。
──
たしかに子どもたちの習い事としてのダンスは、
かなりメジャーになった印象がありますね。
中学校の体育でもダンスが必修になりましたし。
SAM
それこそ1996年とか97年に、
TRFでツアーダンサーのオーディションをすると、
キッズなんか10~15人しか来なかったんです。
それが2000年になると、
300人とか来るようになりました。
いまは、さらに多いと思いますね。
キッズは特に。
(つづきます)
2019-10-02-WED
SAMさんのミニダンス講座
2.リズムのとりかたを
覚えよう
今回は、リズムトレーニングの基礎を
ご紹介します。
ストリートダンスのレッスンで
最初に教えるものだそうです。



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「ダウン」と「アップ」でリズムをとる
まずは、からだの動きです。
からだを落とす「ダウン」で
音をとる方法と、
からだを伸ばす「アップ」で
音をとる方法があります。
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「オモテ」と「ウラ」を理解しよう
こんどは、リズムをとるタイミングです。
「タン、タン、タン‥‥」と音が鳴っているとき、
タン、でリズムをとるのが「オモテ」、
タンとタンのあいだで
リズムをとるのが「ウラ」です。
「オモテ」だけでなく、「ウラ」のリズムも
感じながら音をとってみてください。
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「前」「後ろ」「横」でリズムをとろう
ふたたび、からだの動きです。
上半身を「前」「後ろ」「横」にぶつけて、
リズムをとってみましょう。
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「ランニングマン」をオモテとウラで
リズムの「オモテ」と「ウラ」を意識すると、
同じ「ランニングマン」というステップでも、
こんな違いを出せます。
「ウラがしっかり入ると、動きも大きくなるし、
躍動感が出てきます」とSAMさん。
(次はステップのバリエーションを増やします!)