ようこそ、「劇団セルフタイマー」の世界へ。
前回の募集に引き続き、
今回もたくさんのご応募をありがとうございました。
観客席のみなさまに、
上演作品の数々を披露する準備が整いました。
さあ、こちらが「劇団セルフタイマー展2014」の会場です。
応募作品のすべてをプリントアウトして、
「ほぼ日」の会議室に並べました。
▲各作品に添えられていたコメントも読めるようにしてあります。
今回の展示は、以下6つのテーマにわけて構成。
「ひとりで(インドア)」部門
「ひとりで(アウトドア)」部門
「動物と」部門
「友だちと」部門
「家族で」部門
「ラブラブ」部門
これらのテーマをひとつずつ順に、
「劇団セルフタイマー」の家元・
糸井重里といっしょに観覧してまいりましょう。
まずは、「ひとりで(インドア)」部門から。
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糸井 |
おお‥‥(全作品を見渡し)。
すっばらしいですね。
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今回も前回に習って、
テーマごとに区分けさせて展示いたしました。
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糸井 |
うん。
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─── |
まずは、「ひとりで」。
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糸井 |
ひとりで。
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ひとりでセルフタイマー撮影を行った作品を
「インドア」と「アウトドア」にわけて‥‥
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糸井 |
インドアのほうからですね。つまり室内。
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─── |
はい。
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糸井 |
(この部門ぜんたいを眺める)
‥‥いいですね、「女」という感じがします。
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─── |
なるほど。女性の作品が多いです。
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糸井 |
なんだかこう、
部屋に訪ねて行ったみたいな気がするでしょう。
これとか。 |
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劇団セルフタイマー監督 (心配性の年下ママ)さん |
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─── |
ああー、この方のお部屋に。
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糸井 |
そうそう。
ほら、この女性は満面の笑みでお出迎えを。 |
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劇団セルフタイマー監督 (Mac0812)さん |
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─── |
(コメントを読む)
ご自分の誕生日のプレゼントに
Macを買ったのだそうです。
そのことがうれしくての、この笑顔ですね。
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糸井 |
いいなぁ。
‥‥こっちの方も?
こんなに跳び上がって、よろこんでる? |
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劇団セルフタイマー監督 (でんすけ)さん |
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─── |
すごいジャンプ(笑)。
「夏だ! スイカだ! かぶりつけ!」
というコメントが添えられていました。
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糸井 |
すごいですね、スイカを持って(笑)。
‥‥あれ? でも、
これはジャンプはたいしたことないかもよ。
だってほら、10センチくらいしか跳んでないでしょ。
だから実は、すばらしいのはジャンプではなくて
この脚の広がりでしょう。
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─── |
そうですね、たしかに。
柔らかさがすごい。
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糸井 |
‥‥あ、これはあの人だ。
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劇団セルフタイマー監督 (ちあき)さん |
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糸井 |
ほら‥‥ほら、あの人、なんだっけ?
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─── |
だれですか?
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糸井 |
なんとかっていう、
ほら、スーツケースに入っちゃう人。
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─── |
エスパー伊東?
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糸井 |
そうそうそう!
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─── |
はいはいはい(笑)。
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糸井 |
おもしろいよねー。
で、こういうおもしろい写真でもやっぱり、
彼女の部屋を訪ねて行った感が、ありますよね。
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─── |
ああー、そうですね、あります。
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糸井 |
これなんかもう、すごいですよ。
演技してますから。 |
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劇団セルフタイマー監督 (よしの)さん |
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─── |
はあーー。
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糸井 |
「添い寝をしている私」。
ベッドの端にカメラをセットしてから、
寝る演技をしてるわけです。
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─── |
前回の「セルフタイマー展」で、
糸井監督はおっしゃいました。
「この企画のいいところは、
自分を堂々と『女優』と言えることです」と。
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糸井 |
おっしゃいましたか、ぼくが。
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─── |
ええ。
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糸井 |
ものすごくいいことを言いましたね。
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─── |
今回にもその感じがあると思いました。
とくにこの部門では「女優」をつよく感じます。
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糸井 |
はい。いいですよねぇ、その感じ。
‥‥この女優さんは何を? |
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劇団セルフタイマー監督 (Hoomdii)さん |
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─── |
こちらは、乗り物の中です。
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糸井 |
バスだ。いちばんうしろの席?
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─── |
コメントを読みます。
「いつも通勤で乗っているバスで、
ふと思いついて撮りました。
すぐ前の席に乗客が残っていて、
ヒヤヒヤしながら撮りました。
なんだか後ろめたいことしてるみたいで
ドキドキしますね。」
と書いてあります。
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糸井 |
‥‥あのね、むかしの話なんだけど、
こういう感じに座っている
露出魔を見たことがあります。
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─── |
ろ‥‥。
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糸井 |
いわゆる、「ほがらか系雑誌」の投稿写真ですけどね。
知りあいに、そういう関係の編集者の人がいて、
見せていただいたのです。
深夜の列車で
こんなふうに座ってました。裸で。
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─── |
‥‥そういう載せられないエピソードを。
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糸井 |
劇団セルフタイマーの行為と
重なる部分があるのかもしれない。
「ヒヤヒヤしながら」とか、
「ドキドキします」とか。
なんかこう、犯罪の入り口に立ってるような。
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─── |
(笑)ページに書けません。
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糸井 |
上手に書いてよ!
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─── |
えー。ここカットしちゃだめですか。
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糸井 |
カットしないで。
かつ、ぼくが傷つかないよう。上手に。
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─── |
わ、わかりました、がんばります。
(※結局そのまま書きました)
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糸井 |
上手にね、お願いします。
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─── |
はい。
さておき、続けましょう。
乗り物つながりで、この作品はいかがですか。 |
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劇団セルフタイマー監督 (きりたんぽ提督)さん |
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糸井 |
「男」ですね。男性が電車の席に。
パタンと倒すテーブルにカメラを乗せて。
この右のは‥‥何?
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─── |
冬瓜(とうがん)? ヘチマかな。
‥‥コメントを読みます。
「大きさ約90cmの巨大な夕顔」だそうです。
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糸井 |
夕顔か。へええーーー。
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─── |
「値段は200円」だそうです。
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糸井 |
200円の夕顔との旅。
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─── |
じわじわおもしろくなってきました(笑)。
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糸井 |
おもしろい(笑)。
おもしろいんだけど‥‥
やっぱりこの部門は「女」だと思う。
ちょっと戻るけどさ、
さっきの「添い寝の演技」の、どこにあります?
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─── |
これですね。 |
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劇団セルフタイマー監督 (よしの)さん |
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糸井 |
そうそう、これこれ。
なんていうの?
この‥‥カモン状態?
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─── |
カモン状態(笑)。
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糸井 |
ぼくは日本でも珍しい
ほんとのことしか言わない男なので
正直に言いますが、
この部門はエロティックなんです、かなり。
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─── |
はい。
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糸井 |
この、「部屋」な感じ。
これはもう、着、着‥‥なんだっけ?
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─── |
はい?
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糸井 |
思い出した。着エロだ。
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─── |
ん? ちゃくえろ?
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糸井 |
着エロを超えています。
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─── |
着エロって何ですか?
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糸井 |
服を着てるのにエロティックということですよ。
あなたそんなことも知らないんですか。
勉強不足です。
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─── |
すみません。
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糸井 |
で、この場合は、もう‥‥住みエロ。
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─── |
住みエロ!
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糸井 |
この部屋着な感じは、
着エロどころではないです。
住む。
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─── |
住む。
住みエロ。
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糸井 |
ちがうな、もっとだ。
暮エロ。
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─── |
ぼえろ?
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糸井 |
だから、「暮らす」。
暮らしちゃってる。
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─── |
ああー! 暮エロ!!
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糸井 |
暮エロ。 |
─── |
暮エロ。
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糸井 |
『暮エロ いい女』。
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─── |
『暮エロ いい女』!
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糸井 |
♪暮エロ~ ナ~ツコ~
(※1979年・ツイスト『燃えろいい女』より)
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─── |
‥‥ここのくだりも、
カットしないほうがいいですか。
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糸井 |
当然です。上手に書いてください。
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─── |
わかりました工夫します。
(※結局そのまま書いています)
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糸井 |
見てくださいよ、これですとか。
すばらしいです。 |
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劇団セルフタイマー監督 (はちみつ)さん |
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─── |
(コメントを読む)
「ボディペイントをした自分の姿」だそうです。
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糸井 |
ね? すばらしいでしょう。
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─── |
はい。
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糸井 |
この作品もそうです。 |
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劇団セルフタイマー監督 (koume)さん |
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糸井 |
多重露光を使って、
幽体離脱がテーマなんでしょうけど、
でも、やっぱりね、暮エロなんです。
「私はここにいます」「鍵は開いてます」。
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鍵、開いてるんですか?!
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糸井 |
開いてます。カモン状態。
ですから、この部門に小見出しをつけるなら、
「鍵は開いてます」です。
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─── |
「鍵は開いてます。」
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糸井 |
太字で書いておいてください。
「鍵は開いてます」
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─── |
わかりました。
(次の部門へ、つづきます!)
みなさんの投稿作をギャラリーにしました。
グランプリや佳作に選ばれるのはどの作品なのか、
予想しながらこの先の連載を読めば
さらにおたのしみいただけるかも?
ぜひ、ご覧ください。 |