コーデュロイ ≠ カジュアル。

WESTOVERALLS 大貫 達正さん

予告04

シルエットをとことん追求し、
「穿いたときの美しさ」を実現する
WESTOVERALLS(ウエストオーバーオールズ)のパンツ。
今回、O2で紹介するのは、デザイナーの大貫達正さんが
「冬の定番着」だと言うコーデュロイパンツです。
コーデュロイといえばカジュアルなイメージですけれど、
それを覆す、上質で上品、美しいシルエット。
このパンツ、やっぱり達正さんにしか作れない一本でした。

大貫 達正(おおぬき たっせい)

フリーランス デザイナー。
小学生のころからヴィンテージ古着に興味を持ち、
アメリカやイギリス、フランスの古着を中心に
販売からバイヤー、ショップディレクションまで
幅広く携わる。
現在はフリーランスとして「HELLY HANSEN」の
クリエイティブアドバイザーをつとめるほか、
「HELLY HANSEN R.M.C」「OLDMAN'S TAILOR」そして
「WESTOVERALLS」の企画ディレクションを手がける。

カジュアルというよりも。

──
前回のジーンズがたいへん好評だった
ウエストオーバーオールズから、今季は
「コーデュロイ」のパンツを紹介することになりました。
達正さん、秋冬はいつもコーデュロイを
着ているイメージがありますね。
大貫
そうですね。冬はとくに。
ずっとコーデュロイの服を着ていますね。
デニムと同じくらい僕にとって大切な素材です。
──
達正さんが考えるコーデュロイのよさとは?
大貫
僕はコーデュロイを
秋冬のドレスアップ用の素材と考えているんです。
コーデュロイを着ると
身が引き締まるというか、かっちりする感じがありますね。
カジュアルなものと思われがちですが、
ヨーロッパでは、もともと
上質な仕立てのものに使われていたという背景があるんですよ。
──
コーデュロイを「ドレスアップ用の素材」に!
それははじめての感覚です。
ウエストオーバーオールズのコーデュロイの生地は
ちょっと肉厚で、ふっくらしているように感じました。
大貫
そうですね。
ふつうはもう少し薄くて柔らかいコーデュロイを使いますが、
これは高密度でしっかりした生地です。
コーデュロイは、織ったものに縦の筋が入っていて、
そこに切り目を入れて、
パイルの毛を立たせて、こういう生地にするんですが、
いろいろ見てきたなかで
これがいちばん風合いが良くて、凹凸もしっかりあって、
度目がつまっているものでした。
経糸から緯糸までオリジナルで作っている
機屋(はたや)さんだからこそできる生地ですね。
──
コーデュロイの特長でもある、この凹凸、
「畝の太さ」も、よく見るコーデュロイの生地より
少し太め‥‥?なのでしょうか?
大貫
そう、これは8ウェール(という単位)の、
どちらかというと太畝のコーデュロイです。
世の中にあるコーデュロイの畝の太さは
だいたい12から16ウェール。
数字が大きくなれば細畝になるんですが、
70年代のリーバイスのスタプレスト
(アイロンが要らないノンデニムパンツ)や、
ヨーロッパの古い服を見ると8ウェールが多くて、
僕にとってはいちばんしっくりくる太さなんです。
──
なんとなくですが、
細い畝のほうが上品に見える印象があったので、
ちょっと意外でした。
大貫
うん。どっちつかずという
中途半端な太さとも言えてしまうんだけど、
ちょっとトラディショナルなものが
太畝のコーデュロイで作られていたり、
畝が細すぎるとカジュアルな印象が強くなるから、
これぐらいの太さのほうが
ちょっと上品に見えると思っています。
──
色も独特ですよね。
今回〈O2〉では、
ブラウンとナチュラルの2色を選びました。
大貫
このブラウン。
この色ははまさに僕が昔に見ていた好きな色。
これより濃くても薄くてもちがって、
まさにオーソドックスな茶色です。
──
以前のインタビューで
3歳からジーンズと言っていたと話されていましたが、
ちなみに、コーデュロイパンツはいつから?
大貫
小学校‥‥、中学1年生のときにはもう穿いてたかな。
当時はサマーコールと言われていて、
雑誌の影響かな、カリフォルニアあたりの
サーフカルチャーの流れで知りました。
──
ジーンズと同じく、子どものころから
身近にあったということですね。
つぎに、こちらの色は「生成り(ナチュラル)」です。
この色も、ブラウンと同様に思い入れのある色ですか?
大貫
はい。これもはずせない色です。
さわやかな純白というより温かみのある生成りですね。
これは顔料で染めているんですが、
おそらく生地のつまり方と毛の凹凸が強いせいか、
色の入りがちょっと浅いというか‥‥、
いい意味でしっかり染まっていないんです。
これ、わかるかな?
──
ほんとですね。
よく見ると、白っぽい部分が残ってます。
大貫
濃い色はもっとべたっとした感じになるんですが、
これはちょっと白茶けるというか、
いい感じにあせた雰囲気が残っていて、
ヴィンテージのような風合いがあります。
それが一番気に入ってるところですね。
──
光沢があるコーデュロイもありますし、
凹凸が真っすぐになっているものもよく見ますが ‥‥。
大貫
そうなんです。
最近のコーデュロイは最新の機械で織るので
畝が均一でピシーっとそろっているんですが、
これはよく見ると太さが不揃いでウネウネしてる。
──
たしかに。
全体的にふっくらしていて、表情があります。
大貫
この風合いは、ここの生地メーカーじゃないと出せない。
僕はぜったいこれですね。
僕が使うコーデュロイはこれじゃないと。

貫かれるスピリット

──
今回いろいろある中で、
「806T」というモデルを選ばせていただきました。
これは前回TOBICHIで
「801Sジーンズ」の試着会をした際、
いっしょに並べておいたモデルで、
801Sに次いで、試着されるお客様が多かった形です。
806T、どのようなパンツでしょうか?
大貫
他のパンツに比べると、股上が深くて、
すそにかけて細くなる「テーパードパンツ」です。
──
前回、の801Sに比べると、
スリムなシルエットですね。
こちらもジーンズ同様、つくる上でのルールがありますか?
大貫
そうですね。
801Sジーンズと同様に、
ヴィンテージのムードはありつつ、
シルエットの美しさを追求しています。
──
具体的にはどういったことでしょうか?
大貫
僕はO脚なので、テーパードがきいたパンツをはくと、
ひざが目立ってどうしてもきれいに見えなかった。
だから、テーパードしているパンツをつくるときは、
ひざの部分に着目して、
ひざに角をつくらないようにしました。
逆に、ポケット口の腰骨あたりやおしりのふくらんだところは
ゆとりが出るような設計にしています。
──
なるほど。
大貫
だいたいのスリムなテーパードパンツは、
極端に言うとひざからキュッと締めて
脚のかたちが浮き彫りになるんですが、
「806T」は太ももの細くなるあたりから山をとらずに
直線的になるようデザインしています。
──
たしかに、ひざが出なくて、すっきり見えます!
その秘密になぜ気づくことができたんでしょう?
大貫
僕、高校生のころアイビールックにハマって、
スリムなパンツの丈をちょっと短くして、
デッキシューズを合わせたり、
ボーダーのカットソーを着たりしたのですが、
身長は低いし、O脚だし、
サッカーをやっていたので太ももは太いしで、
パンツがまったく似合っていないと思ったんです。
──
はい。
大貫
だから、どうしたらそういうファッションを
自分でも楽しめるかを考えて、
太いパンツをミシンで縫ってシルエットを変えてみたり、
試行錯誤して理想の形を探していました。
──
すごい。
大貫
こうやったらかっこよく着られるかなとか、
理想に近づくためにどんなかたちの服を選ぼうかなとか、
人一倍シルエットやサイジングには気をつかっていた気がします。
──
サイズでいうと、ジーンズのときは2インチ刻みでしたが、
今年から1インチ刻みになりましたね。
大貫
ええ。
本当は2インチ刻みでも十分かなと思っていたんですが、
実際に店頭に立ってお客さんが穿いている姿を
目の当たりにすると、物足りなく感じることもあったんです。
特に女性の方で、26インチではちょっときつくて、
28インチではゆるく感じる方とかがいらして、
それでちゃんとつくろうと決意しました。
──
2インチで約5センチ変わってくるわけですものね。
大貫
はい。
でも、1インチ調整するって実はすごく大変で、
パターンをイチからやり直して、
全種類つくり直すことになるんです。
──
え、そうなんですか?
大貫
たとえば26インチだとしたら、ウエストの設定を
やや27インチに寄せていたりしたので、
1インチ刻みになると、ほぼそのサイズに合わせて
つくらなければいけないので、なかなかハードでした。
──
単純にその間を作ればいいというわけではないと‥‥。
大貫
そうなんです。
さらに、ウエストオーバーオールズのパンツは
おしりの外側にゆとりをもたせるぶん、
食い込みをちょっと入れてすっきりさせているんですが、
今度ここを調整したら食い込みが強くなりすぎて、
またそれを修正するために
最初からやり直しというようなトラブルもあり‥‥
──
‥‥大変だ。
大貫
簡単にはいかなかったです。
──
わたしたちには、
シルエットとサイジングの選択肢が広がって、
自分に合うピッタリの一本が見つかりそうで、
とても嬉しいニュースです(笑)。

きれいに、上品に、美しく。

──
カジュアルなイメージのあるコーデュロイパンツ、
畝の太さからシルエットまで、見るとすべてが
上品さを意識して作られているような気がします。
大貫
おっしゃるとおり、僕は必ず品というのを意識して
ものづくりをしています。
僕の性格でもあるんですが、見栄っ張りだし、
人よりいいものを身に着けたい意識が強くて、
上質なものにあこがれていたんですよね。
このヒゲと髪の見た目もあるし、
小汚い格好して、ボロボロのヴィンテージっぽいのを
つくっていそうじゃないですか。
──
やっていそう(笑)。
失礼ながら、達正さんがデザインする服は、
ご自身の見た目とのギャップが激しいです(笑)。
大貫
それは分かっているけど、そう思われたくなくて。
清潔感とか上品さのある服づくりをつねに意識しています。
きれいに、上品に、美しく。
だから、ブランドを知ってくれている女性のお客さんが、
僕がデザイナーだと知ったときに「えーー!」と
ショックを受けたこともあって。
人によってはデザイナーが女性だと思っているようなんです。
一同
(笑)。
大貫
激しいデザインの服をつくりそうなのに、
めちゃくちゃ引き算したデザインの服をつくっているという。
──
このコーデュロイパンツも引き算の美学が
つまった一本になっていますね。
個人的に、
コーデュロイパンツが「懐かしいな」という印象だったのですが。
あらためて今、穿いてみたくなりました。
大貫
うん。こういう形のコーデュロイパンツは意外になかったから、
ちょっと新鮮に見えるかも知れない。
──
はい。そうかもしれないです。
大貫
誰にでもはけるデザインになっているので、
いろんなコーディネートに合わせて穿いてもらって、
洗い方も気にせずガンガン洗って、
自由に着てもらいたいなと思ってます。
──
ありがとうございました!

WESTOVERALLS806T コーデュロイ
¥24,200(税込)

TOBICHI限定で販売いたします。

今回も、新作の806Tコーデュロイを
TOBICHIで限定販売させていただけることになりました。
達正さんのパンツはとにかく「試着がキモ」。
気兼ねなく試して、
自分にぴったりの一本を見つけてくださいね。

‥‥と、これでおわりじゃないんです。
実はまだもう1つ、ジョブスさん的に言えば、
とっておきの「ワン・モア・シング」があるんです。
それは‥‥。

WESTOVERALLS +〈O2〉
ダブルネームチノをただいま製作中。
来春デビューに先がけて、
TOBICHIで先行受注を承ります。

春の試着即売会で穿いてみた人なら、
だいたいのかたが賛成していただけると思うのですが、
WESTOVERALLSのデニムは、だれが穿いても、
シルエットがほんとうにきれいです。
もしもこのシルエットで、ジーンズ以外の
もうちょっとキレイめなパンツがあったら‥‥。
たとえば、ジーンズに次ぐ定番ともいえる、
チノパンになったとしたら‥‥。

そんな妄想を、デザイナーの大貫達生さんが、
なんと叶えてくれることになりました。

WESTOVERALLSと〈O2〉、ダブルネームのチノパンを
ただいま絶製作中です!

このためによりぬいたチノ素材を、
WESTOVERALLSの基本形、
801Sデニムのシルエットで仕立て、
由緒正しいクラシックなチノパンのディテールで飾る‥‥。
想像しただけでも、よさそうでしょ?
しかも、買えるのは「ほぼ日」だけです。

この特別なチノパン、正式なデビューは2020年春ですが、
今回、TOBICHIで先行受注を承ることになりました。

各サイズのサンプルを用意していますので、
ぜひお試しいただいて、
あなたのシルエットがいちばんきれいに見える
サイズを見つけてくださいね。
(春に好評だった「801S」も引き続きご用意していますよ。)

▲WESTOVERALLS +〈O2〉ダブルネームチノ ¥22,000(税込)
※TOBICHIで先行予約いただくと、
 2020年3月下旬ころのお届けとなります。

WESTOVERALLS
806Tコーデュロイ
体験+即売会
&チノパン先行受注会

2019 10/10 THR → 10/14 MON
TOBICHI②
東京都港区南青山4-28-26地図 >
03 6427 5800
OPEN 11:00 - 19:00

このイベントについてくわしく >

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