格子について(手織りのこと)。

「格子」は手織りです。
機械織りをしたくても、できない色がありました。
それが藍です。
藍に関しては、糸を織機にかけたときに、
機械に色が飛んで困る、ということに。

「けれどもatelier shimuraは藍が中心だと
いつも言っていますから、
その藍がないのは、やはりさびしいですよね」

ということで、手織りをすることになりました。
工房は沖縄です。
志村ふくみさんのお弟子さんが沖縄に何人かいらっしゃって、
ふくみさんはもともと、絣(かすり)を
沖縄で学んだということもあって、
縁が深かったのです。
そのかたのご紹介で、
藍の糸をストールに織ってくださる仕事を
お願いをすることができました。

「沖縄の方は、とても手がよく、染織王国で、
たくさんの染織の方がいらっしゃるんです。
その方々にお願いして、藍と、蘇芳(すおう)の2色を
手織りで仕上げてもらうことになりました。
デザインはatelier shimuraでおこない、
ストライプとボーダーとチェックの
4パターンの模様が混在するストールが出来ました」

織り方も着物とはちがいます。
着物は、カンカンと音がするくらい、
強く筬(おさ)を引きますが、
ストールはフワッと寄せるように織っていきます。
沖縄の糸は芭蕉布が有名で、糸が太めですが、
この85番手という細い糸は、おそらく、
手織りの細さとしては
いちばん難しいもののひとつだそう。
このきっちりとした格子が表現できたのは
沖縄のかたがたの技術あってのことなのですね。

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