染めについて。

atelier shimuraのストールは
糸を綛(かせ)単位で、志村宏さん監修のもと、
atelier shimuraのメンバーが手染めしています。

染料は、工房で、植物を煮出してつくっています。
その材料は、山からとってきたもの、
野で摘んだもの、畑で育てたもの、
縁あって分けていただいたもの、
染料の専門店から仕入れたものなど
いろいろですが、自然の植物にはかわりありません。
素材によって丁寧に水洗いしたのちに、
色をいただくため、長時間、煮出すこともあります。
そして熱いうちに、手作業で染めていきます。
その植物の本来の色になるまで染めます。

最後は、素材によりますが、
鉄、石灰、明礬(みょうばん)などで媒染を行い、
色を定着させます。
このときに化学変化で色が変わりますので、
最初の染めは、この媒染を前提に行なっています。

「こういったストールをつくるのはじめてのことでした。
300枚を織るためには
300回、綛を染めるわけで、
しかも、同じ原材料の色は
なるべく同じ色になるように染めたい。
これはいままでやったことがなかったんです。
というのは、植物との対話の結果で生まれる色を
『いただく』という考え方ですから、
人間が色をコントロールすることはないんです。
出てきた色を、どのタイミングで止めるか、
という判断のみで」(昌司さん)

「色を想定して、
炊き出しをして染めもするんですけど、
そのときに染まっても
乾いたときに結構トーンが落ちちゃうんですよ。
そのため、『もう1回、かさねて染めようか』と
なったものもあります。
いままで絹を染めてきたので、
綿が含んだ糸を染めるっていうことは、
単純に倍かかるんだなとわかりました」
(宏さん)

そんなふうに、丁寧な作業の繰り返しで、
このストールの糸は染められています。

藍は、「すくも」を木灰(きばい)の灰汁で醗酵させています。
今後は、自社の畑で育てた蓼藍(たであい)を使って「すくも」を作り、
藍建しようと準備しています。
こちらは種まきから10カ月かかる仕事です。



▶くわしくは志村宏さんのインタビューをどうぞ。

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