- 探検隊S
- 塩野さん、こんにちは。
- 塩野
- こんにちは、角館にようこそ。
- 探検隊O
- 川があって、桜並木があって、
武家屋敷があって、
角館はとてもいいところですね。
- 探検隊T
- 塩野さんのおうちもすてきです。
今日はありがとうございます。
- 塩野
- で、君たちは、
はちみつのことを聞きにきたんでしょ?
- 探検隊S
- はい。
糸井重里が、塩野さんからいただいたはちみつが
とてもおいしかったと言っていて‥‥。
- 塩野
- あれは、あんづえおじいちゃんのはちみつです。
- 探検隊O
- あんづえ?
- 塩野
- あんづえという名字のおじいちゃん。
養蜂家です。
あれは、ここ角館のソメイヨシノから
採れたはちみつです。
- 探検隊T
- へえぇぇ。
- 塩野
- ぼくはいつも友達の家に行くとき、自慢げに、
「角館の桜のはちみつだよ」なんていって持ってくの。
みんな喜ぶからね。
同じように、糸井さんのところに遊びにいくときにも、
おみやげに持ってった。
糸井さんはいつもご自分でヨーグルトを
作ってらっしゃるでしょ?
ぼくがはちみつを渡すと、
「自分のヨーグルトに入れて、いただきます」と
おっしゃいました。
彼は、桜のはちみつについて、
ほんとうによく知っていた。
お堀の近くのビルや銀座で養蜂している人たちがいて、
皇居の桜のはちみつがおいしいということも話してた。
桜のはちみつ、ブームになってるみたいだね。
- 探検隊S
- 桜のはちみつは、手に入りにくいくらいですね。
糸井はかなり前からはちみつが好きで、
ニュージーランドのマヌカハニーなども
よく食べていました。
もともとバラ科の花が好きなので、
桜のはちみつも好物のようです。
- 塩野
- ああ、どんぴしゃりだったんだ。
そのとき糸井さんと
「ソメイヨシノですか」
「そうです。角館で採るおじいちゃんがいるんですよ」
というようなことを話しました。
それで、帰って、めしあがったんでしょうね。
- 探検隊O
- はい。
- 塩野
- で、おいしかったんだね。
- 探検隊T
- はい。
- 塩野
- ぼくのとこにもメールが来た。
それで、そのはちみつは
どのくらいありますか、って話になった。
あんづえのおじいちゃんは、
大きい会社にも毎年納品してるらしいけど、
自分のとこ用と、
近所の人が買いにきたときに
分けられるくらいは残してる。
そこから、ほぼ日にも分けてもらえないか、
という話になって。
- 探検隊S
- そして、私たちが身を乗り出しました。
- 塩野
- おじいちゃんには、いちおう
「ほぼ日という、こういう人たちがいるんだけど、
扱ってもらっていいかな?」
という話をしています。
「そうしようかな」という返事をもらってるから、
あとは直接、君たちが行って、話をしてきてね。
- 探検隊O
- はい、わかりました。
- 探検隊S
- うーん‥‥やっぱり塩野さんのてみやげが
発端だったんですね。
- 塩野
- でもさ、興味って、そういうことじゃん。
どこかに何かがないとはじまらない。
それから、そうだ、
そのはちみつを渡したあと、
もうひとつ糸井さんと話をしたの。
つまり、その場で
はちみつ談義になっちゃったんだけど、
日本みつばちの話になったんだよ。
- 探検隊T
- 日本みつばち‥‥。
- (探検隊、つづきます)
蜂はどうやって、
はちみつをつくるの?
はちみつは巣で暮らす働き蜂の主食です。
原料は花の蜜。
みつばちが花を訪れて集めた花蜜は、
蜂の「蜜胃」にたくわえられ、
巣で待っている蜂に渡されます。
蜂が体内で分泌する酵素の働きで
蜜の成分は変わっていきます。
また、羽で風を送って水分を飛ばすことで、
蜜は徐々に濃縮され、おいしく変化します。
みつばちは巣の六角形の部屋に蜜をためていきます。
それをしぼって濾したものが「はちみつ」です。
(こたえ:藤原養蜂場 藤原誠太さん)
2017-10-30-MON
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