はちみつ探検隊 桜並木のはちみつ、の巻。1万年以上前から人が食べていて、いまも変わらない食べかたで親しんでいるもの、それは、はちみつです。ある日、わたしたちはひと瓶の、花のかおりあふれるはちみつに出会いました。それは作家の塩野米松さんからいただいたものでした。日本の花と蜂がもたらすめぐみをもらう旅。はちみつ探検隊、一歩ずつ進みます。 はちみつ探検隊 桜並木のはちみつ、の巻。1万年以上前から人が食べていて、いまも変わらない食べかたで親しんでいるもの、それは、はちみつです。ある日、わたしたちはひと瓶の、花のかおりあふれるはちみつに出会いました。それは作家の塩野米松さんからいただいたものでした。日本の花と蜂がもたらすめぐみをもらう旅。はちみつ探検隊、一歩ずつ進みます。
1958年福島県生まれ。福島県喜多方市の酒蔵「峰の雪酒造場」の4代目。日本ではめずらしいはちみつ酒のつくり手。/はちみつ探検隊 ほぼ日乗組員3人、S 蜂が好き、O 花が好き、T 酒が好き
第2回 トチのはちみつ大変身。
こんにちは、はちみつ探検隊です。
私たちがずっとファンだった、
会津のはちみつ酒の酒造メーカーである
「峰の雪酒造場」の四代目の佐藤利也さんに
お話をうかがっています。
このはちみつ酒(英語でミードといいます)の
原料はトチのはちみつなのだそうですが‥‥。



「原料のはちみつは、会津の養蜂家さんから
ご提供いただいているものなんですが、
ミードづくりもはもともとその養蜂家さんが
ご提案くださいました。



このミードを開発しはじめたのは、
2000年ごろのことです。
最初はトチ、アカシア、柿、萩など
いろんなはちみつで試しました。
その後、りんご、オレンジ、バラ、
菩提樹、山桜などでもミードをつくりましたが、
はちみつによって
ずいぶんと味がかわりますね」



そうでしょうね、
なにしろこのミードの原料は、
はちみつと水と酵母だけですから。
「でも、そのなかで、
はちみつとしてはちょっと特徴のある味のトチが、
力を発揮することになりました。
ミードになると最も澄んだ味になり、
あまみがあってキレもあり、こくもある
しあがりだったんです。
また、トチは発酵がしやすいことも特徴で
お酒づくりには最も向いていました」



ミードに合う蜜だったんですね。
トチノキファンとしてはうれしいです。
わぁ、やっぱりおいしい。
トチの素朴で個性的な味が、
こんなに繊細でキレのある味になるなんて。



「でも、この味に行きつくまで、
いろんな試行錯誤があったんですよ。
発酵のしかた、酵母の種類、
温度管理、ろ過方法など、
乗り越えなくてはならない問題がたくさんありました。
日本にミードづくりの経験が
ほとんどなかったからです。



ですから、当時日本ではめずらしかった
このはちみつ酒づくりに対して、
会津若松技術支援センターの協力を得ることができました。
おかげで充分に試験醸造をくり返すことができ、
この味を出すに至ったのです。
その製法をずっと変えることなく、
いまも守り続けています」



私たちは数年前にイベントで試飲してから
ほんとうにファンになって
何度か「美禄の森」を買わせていただきました。
しかし、じつはいま試飲させていただいているのと、
ちょっと味が違うような気がするんです。



「ああ、それは完全に温度のせいですね」



温度。



「飲むときの温度が違うと、
味がかなり変わりますから」



そうなんですか。
ここに「いったん凍らせた」ミードがありますので、
振って飲んでみてください。
う、うまいっ。
なんですかこれは。



「ですから、ただ凍らせただけです」
瓶ごと凍らせても大丈夫なんですか?



「大丈夫です。凍らせても品質はかわりません。
冷凍庫でから出して、
ちょっと溶けたくらいのタイミングで飲めば、
適温の2度になります」



2度が適温ですか。



「コツは、溶けはじめたら、
瓶をシェイクして、グラスにつぐことです。
そうすると味が均一になりますからね。
でも、このミードはそんなには分離しませんから、
そこまで懸命に振りまぜなくてもいいですよ」



凍らせる時間は何分ぐらいがいいですか?



「瓶のまわりが白くなるまで‥‥、まぁ、
1時間くらいでいいと思います。
でも、数日前から冷凍庫に入れて、
カッチカチに凍らせていてもいいですよ。
常温に出せば溶けはじめますから。
シャーベット状のまま飲んでもおいしいです」
▲このくらいカッチカチでもOK。
お風呂に入る前に冷凍庫に入れておいて、
お風呂あがりに飲むと、
たまんないですね。
あまみ、酸味、こく、キレ、
どれもあって、ほんとうに不思議なお酒です。



「そう、だから、
食前食中食後、どれもイケるんですよ。
日本料理にも
イタリアンにもいいと思います」



そうですね、
たぶん白ワインや日本酒に合う料理なら
なんでも向いていると思います。



(明日につづきます)  
生活のたのしみ展でミードを味見できますよ!「ほぼ日のはちみつ 日本の花」

はちみつ探検隊が扱う会津のミードは、
2019年4月17日~21日の5日間、
東京・丸の内で開催する
「生活のたのしみ展」で販売します。
お店の名前は
「ほぼ日のはちみつ 日本の花」です。
エリアは世界サイドの丸ビル、
Marunouchi Café × WIRED CAFEあたりです。
試飲も行いますので、ぜひ味見にいらしてください。
ミードのほかにも、
この探検隊の名物人気商品である、
日本みつばちの貴重なはちみつ、
夏におすすめのユリノキのはちみつなども揃います。
(「ベアハンド」は完売のため今回は扱いません)

▲日本みつばち「ドロップ」。
さわやかで飲みものにとけやすい。
はちみつらしい味。
卵焼きやヨーグルトにもバッチリ。

▲西洋みつばちの「ユリノキ」。
盛岡の森で育ったユリノキのはちみつ。
紅茶やあっさりした飲みもの、
フルーツやパンにもあいます。

▲会津ミードの「花織」180ml。1,512円。

▲会津ミードの「美禄の森」520ml。3,240円。

売り場近くのカフェでは、
カレーなどのお食事と一緒に、
ミードをグラスでもご提供いたします。



※ミードの「花織」と「美禄の森」は
パッケージが違うだけで、中身は同じです。

2019年4月17日~21日 <入場無料>

11~20時(お店によって営業時間がちがいます)

2019-04-16-TUE