昨夏に初登場、その軽さと質感で
たいへん人気を博した「TRIO」が
数量限定で再登場です。
綿100%でありながら、
1枚、約50グラムという軽さ。
そして、軽いけれども、くびまわりにふんわり寄りそって、
まるで「空気の層」を、まとっているようなあたたかさ。
このくびまきは、「一枚の織物」に見えますが、
じつは、うんと細く紡いだ高品質の綿糸を、
とくべつな織機を使って、ゆっくりゆっくり、
三重(さんじゅう)に織ったもの。
その3枚がはがれないようにする接結糸も、
ちゃんとあるはずなのに、まったく気になりません。
3枚の布の重なりが、光をとおすと艶やかに色めいて、
さわった感覚も、まるでシルクの織物のよう。
見た目も、触り心地も、まいた感じも、
わたしたちがいままで持っていた
「綿のストール」のイメージとは、
かなり、かけはなれたものです。
こんな布をつくる工房は、
きっと繊細な技術をもっているにちがいないと、
あいだに入ってくださったかたを通して
取材を申し込んだのですが、
「すべて、企業秘密です」とのこと。
いくつか教えていただいたのは、
遠州にある、とある工房で、
ていねいにつくられていること、
ここまで細い(80/1番手)の糸を織るには、
製織中にたて糸が切れてしまうため、
あらかじめ1本ずつ糊付けをしたり、
素材のやわらかさをいかすよう、
自然なしわを残すワッシャー加工の温度管理を
1分単位でほどこしたりと、
とてもこまやかな気配りのもとでつくられていること。
そして、もちろん縫製は1枚ずつ手作業であること。
たとえばフリンジは、片側26本あるのですが、
すべて手で結び仕上げをしているのでした。
こであざやかなオレンジ色のもとになっているのは、
「ブラッドオレンジ」。
そう、太陽をいっぱい浴びてそだった
イタリアの果実です。
古代からある「草木染め」を
現代の染色技術に取り入れた
「ボタニカル・ダイ」という手法で染めました。
この染色方法は、発色がよく、
仕上がりがやわらかいのが特徴。
単色に見えますが、
ここには、ひとの目で見える幅をこえた、
200種もの色素がふくまれており、
それが独特の奥行きと深さをあたえています。
太陽の光を浴びた時、
夕暮れの仄かなあかりで見た時、
室内でライトに照らされた時など、
刻々と表情を変えていくのは、
三重であることとあわせて、
その染色方法にもあるのです。
デザインとして、片面だけに、
ボーダーのラインを織り込んでいます。
こちらをおもてにすると、すこしカジュアルなムードに。
もう片面は、色無地。
きちんとした場面にもつけていける
品のよさを持っています。