- なかしま
- つづきまして、オレンジプリンです。
- ほぼ日
- こちらはどんなおやつですか?
- なかしま
- オレンジのプリンは
けっこう作るかたがいらっしゃるのですが、
一般的にはオーブンで焼くことが多いんです。
今日のものはそれとはすこし違って、
ゼラチンで固めるタイプ。
卵黄も入って、プリンとババロアの
中間のようなおやつです。
柑橘類はカスタードっぽい味と相性がいいので、
こんな作り方にしました。
- ほぼ日
- こちらもたのしみです。
よろしくおねがいします。
- なかしま
- まずはゼラチンの準備ですね。
粉のゼラチンを水に振り入れて、
湿らせて置いておきます。
- ほぼ日
- はい、ゼラチンは準備をしておいておく。
- なかしま
- それではプリン生地を作っていきます。
こちらは「ママレードカルテット」を
すごくたっぷり使います。
ボウルに、卵黄、グラニュー糖と、
「ママレードカルテット」を100グラム、
ドッと入れます。
- ほぼ日
- はい、ドッと(笑)。
- なかしま
- 作るたびに思いますが、このジャム、
皮や果肉がほんとにたっぷりですよね。
これがおいしいんですよね。
- ほぼ日
- そうなんです。グレープフルーツピールや
オレンジの果肉が入っているんです。
- なかしま
- では、まずはこれをグルグルっと混ぜます。
こちらもマドレーヌと同じく泡立てる必要はなくて、
全体に混ざればOKです。
- ほぼ日
- わぁ、なんだかおいしそう。
- なかしま
- そうしたら、ここに牛乳を200ミリ入れて
さらに混ぜ、ベースが完成です。
- ほぼ日
- あ、もうベースが完成。
- なかしま
- そう、これもかんたんなレシピなんです。
そしてこんどは、このベースを鍋に移して、
中火で加熱していきます。
火にかけるのは、砂糖を溶かしたいのと、
卵にちょっととろみをつけたいのと、
あとでゼラチンを溶かすため、ですね。
- ほぼ日
- 加熱するときに気をつけることなど、
ありますか?
- なかしま
- ポイントは、沸騰させないこと。
あまり長くグツグツ煮ると、卵が分離して、
口当たりが悪くなるんです。
だからしっかり熱くはするけど、沸騰はさせない。
鍋底が焦げやすくなるので、
お砂糖を溶かすようにヘラで混ぜながら、
オレンジのクリームを作る感じで加熱します。
- ほぼ日
- 沸騰はさせずに、しっかり混ぜつつ
加熱していく。
- なかしま
- こんなふうに周りが
ちょっとプツプツしてきたら、もうOKです。
- ほぼ日
- はい、火を止めました。
- なかしま
- 液がここまで熱くなったら、
先ほどのゼラチンを一度に入れて溶かします。
溶け残るとダマになってしまうので、
ここはヘラを使って確実に溶かしてください。
- ほぼ日
- ゼラチンって、何度くらいで溶けるのでしょうか。
- なかしま
- 「沸騰させないくらいの温度で」とよく言いますね。
温度が低くてもだめなんですが、
完全に沸騰させてグラグラ煮たてると、
逆に固まりにくくなると思います。
ゼラチンのかたまりがなくなるまでしっかり混ぜたら、
こんどは生クリームと合わせていきます。
- ほぼ日
- 氷水を張ったボウルと、
小さなボウルが登場しました。
- なかしま
- 大きなボウルに氷水を張って、
そこに小さいボウルをのせます。
こんなふうに氷水にあてて冷やしていくのですが、
そこに、先ほどの液体と生クリーム100gを入れ、
ヘラでやさしく混ぜます。
ゼラチンって、寒天などと比べて
かなり温度が下がらないと固まらないので、
こういうやりかたをするんです。
- ほぼ日
- なるほど。
- なかしま
- 生クリームがしっかり混ざったら、
最初は放っておいて大丈夫。
冷えてくると、とろみがつきだすので、
常温よりも冷たくなったのを目安に
こんなふうにヘラを動かして、
混ぜながらトロみをつけていきます。
さらさらのまま固めると分離して
二層になったりすることがあるので、
混ぜながら、がポイントです。
こうすることで、いいあんばいで固まるんです。
- ほぼ日
- 下から上にヘラを動かしながら、
液体をボウルの側面にあてるようにして、混ぜる。
- なかしま
- はい、ボウルの側面から冷えてくるので、
そこにあてるようにすると、早く冷えますよ。
- ほぼ日
- 泡立て器を使ってもいいのでしょうか。
- なかしま
- 泡立て器だと、泡ができたまま固まっちゃうので、
ここではヘラを使ってください。
あと、ここでしっかり冷やしておくと、
冷蔵庫で固める時間をすごく短縮できます。
- ほぼ日
- どの段階で、冷蔵庫に移すんでしょう?
- なかしま
- 手ざわりでわかるのですが、
最初はタプタプしているんですね。
それがだいぶポヨンとした感触になってきたら、
もう一息。
だんだん底から固まるようになってくるので、
底までヘラを入れてしっかり混ぜながら、
‥‥もうちょっとですね。
- ほぼ日
- はい、もうすぐ。
- なかしま
- 写真だと難しいかな。伝わるといいのですが。
このプルリとした感じ、くらいなんです。
ボヨボヨ、ボヨボヨとして、
ヘラにすこし重みが感じられるくらいまで。
ぐるっとヘラを動かしたときに、
「あ、だいぶ固まったな」と思うくらいで止めます。
このくらいのとろみがつけば、もう大丈夫です。
- ほぼ日
- 「冷やしすぎたらだめ」ですか?
- なかしま
- そうですね、ここで冷やしすぎると、
ボウルの形に固まってしまいます(笑)。
心配であれば「だいぶとろみがついたな」と
思った段階で、冷蔵庫に移して大丈夫です。
‥‥では、固めるグラスに移しますね。
- ほぼ日
- わぁ、すでにおいしそう。
- なかしま
- 容れ物は、お好みのものをお使いください。
ただ、ママレードがたっぷりで
わりと濃厚な味なので、量は少なめがおすすめです。
ちいさなプリン型くらいの、
ちいさめの器がいいと思います。
- ほぼ日
- さて、冷蔵庫に入れました。
- なかしま
- 冷やしているあいだに
飾り用の生クリームを作っておきます。
ゆるく泡立てただけの生クリームに
今日は洋酒でちょっと風味をつけます。
私は「コアントロー」という
オレンジのリキュールを入れますが、
同じオレンジの「グラン・マルニエ」でもいいですよ。
なければ入れなくても大丈夫。
生クリームにラム酒で風味つけるような感じですね。
- ほぼ日
- このクリームもまた、たのしみです。
- なかしま
- (2時間ほど待ったあと)
はい、飾りのクリームをのせて
‥‥できました。
- ほぼ日
- ひゃあ、オレンジプリン、完成!
- なかしま
- ぜひ食べてみてください。
- ほぼ日
- いただきます‥‥あ。
おいしい! おいしいです。
- なかしま
- わりとしっかりオレンジの味がしますよね。
- ほぼ日
- ええ。そして口に入れたときに
ちょっとひんやりするのも、うれしいです。
あと、おっしゃられていたように、
すこしの量でしっかり満足感がありますね。
- なかしま
- そうなんです。あと‥‥
ちょっと「フルーチェ」っぽくないですか?
- ほぼ日
- あ、そうですね(笑)。
なかしまさんも「フルーチェ」食べますか?
- なかしま
- はい、食べますよ。
特にこどものころ、たくさん食べたんです。
姉と分けるのですが、ふたりとも大好きで、
いつもはいろいろ分けてくれる姉が、
「フルーチェ」だけは分けてくれなかった(笑)。
- ほぼ日
- なかしまさんの場合、おやつ以外だと
「ママレードカルテット」をどう食べますか?
- なかしま
- そうですね、トーストはもちろんですが、
料理なら、カレーやシチューに入れるかな。
もう間違いなく合うじゃないですか。
あと、ローストポークとかのソースにしても、
きっとおいしいですよね。
酸味がある、こういうコクのあるソースって
豚肉とすごく合うので。
- ほぼ日
- ああ、確かにお肉にも合いそう。
- なかしま
- ストウブとかル・クルーゼで作る「ポットロースト」って、
塊の豚肉とかを蓋をしてじっくり焼いたものの肉汁に
ちょっと混ぜたりしてもいいかも。
あと、そのままつける以外に、ママレードに
お醤油をちょっと入れてもいいと思うんです。
- ほぼ日
- あ、お醤油も!
ママレードとお醤油、意外な組み合わせですけど、
たしかに合いそうな気がします。
- なかしま
- あと、おもしろかったのが、
この「ママレードカルテット」は
いろんな試作をして食べるうちに、
ますます好きになりました(笑)。
おいしいですよね。
- ほぼ日
- 食べるとより好きになるジャム(笑)。
うわぁ、うれしいです。
今回も、ありがとうございました!
- なかしま
- はい、こちらこそ。
ありがとうございました。
(「ママレードカルテット」を使った
おやつの作り方は、これでおしまい。
ぜひ、作ってみてくださいね)
<材料(4個分)>
- 牛乳200ml
- 粉ゼラチン大さじ1
- 水20ml
- 生クリーム150g(100gをプリンに、50gをトッピングに)
- 洋酒(あれば「コアントロー」や「グランマニエ」)小さじ1/2
A
- 卵黄2個分
- ママレードカルテット100g
- グラニュー糖20g
<準備>
- 粉ゼラチンは水に振り入れて、ふやかしておく。
<つくりかた>
- ボウルにAを入れ、泡立て器でよく混ぜる。
牛乳を加えて混ぜ、小鍋に移して中火にかけ、
ヘラで絶えず混ぜながら加熱する。
沸騰する手前で火を止め、
ゼラチンを加えてよく混ぜて溶かす。 - 1.をボウルに移して生クリームを加えてさっと混ぜ、
氷水にあてながら冷やす。
ときどき混ぜながら10分ほど冷やし、
ゆるくとろみがついてきたら、
器に等分に流し入れ、冷蔵庫で2時間以上固める。 - 食べるときに、生クリームと洋酒を
やわらかめにあわだてたものをそえる。
2015-12-08-TUE