毎年春、SIRI SIRIとほぼ日でつくる
パールのジュエリー、HOBO SIRI SIRI。
2023年で7年目を迎えます。



コンテンポラリージュエリーとして、
エッジのきいたデザインが特徴のSIRI SIRIに、
少しやわらかいチューニングをくわえたのが
HOBO SIRI SIRIです。



2023年は、いつものパールのジュエリーの他、
あたらしくガラスのジュエリーも加わる予定です。



この7年で、変わったこと、変わらないこと。
ブランドとしてのSIRI SIRIのこと、
今とこれからのこと、
あたらしいコレクションのことなどを
デザイナーの岡本菜穂さんが話してくださいました。

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あらためて、SIRI SIRIのこと
ことし、HOBO SIRI SIRIは7年目。
長くも短くも感じられる年月です。
あらためて、SIRI SIRIの始まりのことから
お話をうかがいました。


自分が付けたいジュエリーを、自分で
もう、7年。
こんなに長く並走していただいてたんですね。
SIRI SIRIの歴史に。



SIRI SIRIは、2006年からなので、
10年目ぐらいから一緒にやっていただいてますね。
たしかに、そもそものことって
あんまりお話、してなかったかもしれません。



SIRI SIRIの始まりの、元をたどると、
私が建築家であり、インテリアデザイナーでもあり、
学校でも空間デザインの勉強をしてきたこともあって、
インテリアの、家具のお店で働いてたんですね。
そのころから、自分で何か作って
何かしたいとは思っていたけれど、
特にこれ、っていうのは見つけてなかったんです。
インテリアの仕事をしながら
何をしようかなぁっていう感じでしたね。



同時に、ファッションやジュエリーも好きでした。
そのころはとくに、
アンティークジュエリーが好きだったんですけれど、
金属アレルギーがあることがわかって。
普通のジュエリーは付けられないんだなあと思ったんです。



インテリアや建築って、いろんな素材を使ったり
試したりする文化があるんです。
その要素として、自然素材のバスケットとか
ガラスのコップとかの女性が好きそうな小物もあって、
そういう素材ででジュエリーを作ったら、
私もきっと好きだろう、と。
アンティークジュエリーを付けたときの気持ちと
同じぐらいのものができたらいいなあと思った、
そこが発端なんですね。始めたきっかけです。



それで最初に、ガラスと籐のシリーズを作りました。
デザインしたのが2005年くらいで、
発表したのが2006年です。
このシリーズは今も続いていますね。



そのときはまだ商品化も考えていなかったんです。
でも、たまたま、TOMORROWLANDさんが
買い付けてくださったんです。
そこがブランドとしてのスタート地点ですね。
でも「SIRI SIRI」っていう名前は、
最初から、もう付けていたんですけどね。


自然の美しさがパールの魅力
パールは、手工芸とは違うんですけれど、
日本の宝石を代表するものですし、
地域に根差した素材であったりもしますよね。
そういうことに興味があったし、
あとは素材としても無調色っていう
自然のままの素材を取り入れてものを作る、
っていうことへの興味もありました。
私、どちらかというと、基本的には
その素材の特性をピュアに表現したいんです。
パールは、この自然のままの美しさを
デザインすることもできるなあと思いましたね。



パールとの出会いは自然な流れだった気がします。
それまでガラスとか籐とかを使っていて、
もうちょっとスピンオフ的に広げてみたかった。
そんなときに出会った感じですね。
HOBO SIRI SIRIが始まるのも、
そのタイミングだったんですよね。



パールは、ある意味日本ではよく見る素材ですね。
だからこそ、ちょっとした金具の使い方や、
組み合わせの妙で全然違った風景に見えるんです。
パールの粒の大きさでも印象が違ったりもします。
それはいつも気にしてやってるところですし、
そのメソッドの違いがデザインのおもしろさですね。
何か新しい視点が見られるように
デザインはしていきたいと思ったりします。


カジュアルにつけるパール、という提案
HOBO SIRI SIRIは最初のコンセプトが
「Tシャツ+ジーンズみたいにラフな格好でも、
これさえつけておけば、とりあえずおしゃれに見える」
っていうものでしたよね。



これは、ほぼ日のみなさんからのご提案なんです。
そういうコーディネートの企画というかアイデアを
ほぼ日のほうからもいただくんですよね。
私は、ものをデザインするわけなんですけど、
そういう違う視点で見てもらうのはすごく新鮮で、
私たちの、普段のSIRI SIRIではできないことですね。
あたらしい視点で考えるのは楽しいです。



これの元となったSIRI SIRIのパールのものも、
私はカジュアルに使ってはいたんですね。
そういうふうに、日常で使えるものにしたいな、
っていうのはあったので、
やりたかったことのひとつが
叶ったかなぁというふうに思います。



SIRI SIRIのお店にいらっしゃるお客様には、
それぞれのジュエリーについて、
ストーリーを直接伝えて、ご相談しながら
コーディネートのご提案はできるんですけど、
「お洋服をこういうふうにしてください」とは
なかなか言えないんですよ。踏み込めない。
なので、Tシャツに合わせるっていう、
うんとカジュアルダウンしてみたらどうですか
っていうところまでは、
あんまりご提案したことはなかったんです。
HOBO SIRI SIRIではTシャツも、
いろんなブランドの方に作っていただいたりして、
面白かったですね。
そういうのは、一緒につくっている良さですよね。



SIRI SIRIの最初のころって、
私が背が高いせいだと思うんですけど、
大きなバングルだとか、
全体的に大きめのアクセサリーが多かったんです。
そういう表現になりやすかった。



HOBO SIRI SIRIを手掛けるようになって、
とくに最近はそのあたりを少し抑えて、
10%ぐらい小さめにって考えるようになりました。
実際に購入して付けてくださる方は
そんなに大きくはないから、それが普通なんですけど。
ボディバランスに合ったデザインっていうのは
だんだん意識するようになりましたね。
これもHOBO SIRI SIRIのおかげですね。

2023.3.14 AM11:00 START