1鹿児島さんが手がけてきたもの。
鹿児島睦さんと作った
「ほぼ日手帳2018」の手帳カバー
「鳥花柳(とりかりゅう)」と「ネコスリー」。
2017年初夏、2つが完成したタイミングで、
ほぼ日手帳チームのほしのと田中で、
福岡にある鹿児島さんの事務所を訪ねました。
こちらは鹿児島さんが
打ち合わせや取材などに使用している空間
(制作用のアトリエは、また別にあるそうです)。
窓からやわらかい光が差し込むすてきな場所で、
BGMには美しいピアノ曲がかかっています。
ちょっとしたサインまで、
かわいくてじっと見てしまいます。
部屋のあちこちには、鹿児島さんが
これまで手がけてきたものがたくさん。
そんな空間で、鹿児島さんに
いろいろな話を聞かせていただきました。
まずは、せっかくですので、
部屋に飾られていた鹿児島さんのプロダクトを
ひとつずつご紹介させていただきます。
こちらは鹿児島さんの作品のなかでも、
特に多くのかたに愛されている器の数々。
花、葉っぱ、魚、動物たち‥‥。
美しい線と塗りで、さまざまなモチーフが描かれています。
この繊細な絵が器の上に表現されていることに、
ちょっとびっくりもします。
雰囲気のまた違う、
磁器のお皿やコーヒーカップもありました。
毎日がちょっとうれしくなりそうな器。
奥に見える猫の絵は、
以前「やさしいタオル」の柄になったもの。
眺めていると、自分も一緒に
たのしい気分になるような感じがあります。
天井から吊り下げられ、
ゆらゆらたのしそうに揺れるのは、
魚たちのモビール。
地面にうつる影もまた、かわいいのです。
淡い色合いのモダンな器は、
作家のイイホシユミコさんと作られているもの。
ベテランの有田焼職人のかたが
焼いているものだそうです。
「じつはかなり作るのが大変なのですが、
職人さんがすごく積極的に関わってくれていて
いつも『もっと注文をとっていいよ』
と言っていただくんです。
しあわせなプロダクトです」
美しい紙の貼箱は、京都の貼箱専門店
「BOX&NEEDLE(ボックスアンドニードル)」と
作っているもの。
「この紙はネパールで作られています。
BOX&NEEDLEのみなさんはいま、
すこしでも復興の力になりたいと、
ネパールの人たちに積極的に
お仕事をお願いされているそうなんです」
こちらの紙もBOX&NEEDLEとのコラボレーション。
「きれいですよね。こちらは京友禅の職人さんたちが
和紙に染めてくれています」
光が当たって、紙が透けるようすもまた美しい。
鹿児島さんが作られてきたもの、まだまだあります。
壁に貼られたこちらは、
ファッションブランドの「dosa」との
コラボレーションで生まれた、洋服の生地のデザイン。
「dosaのデザイナーのクリスティーナ・キムが
この柄でワンピースを作ってくれました」
そしてこちらは、雑誌の特集用に描かれたという
鉛筆のイラストレーション。
「2つ案を出して、採用されなかったほうです(笑)。
だけど自分ではけっこう気に入っていたので、
こんなふうに飾っているんです」
鹿児島さんの作品には陶器のオブジェもあります。
こちらの人形も、お皿と同じように
窯で焼いて作っているものなのだそうです。
それぞれ、やさしい印象ながら、
あるだけで周りの空気を変えてしまうような
強い存在感があります。
梅の木のオブジェは、鹿児島さんが2017年に
太宰府天満宮の宝物殿でおこなった
個展用に作られたもの。
「人工の川を作り、そこに盃(さかずき)を流して
自分の元に来るまでに一句詠むという
<曲水の宴>と呼ばれる
雅(みやび)な催しがあるのですが、
その行事をイメージして作ったものです。
長い巻紙に薄墨で川の流れを描き、
そのまわりにこのちいさな梅の木をたくさん配置しました」
『鳥と花の箱』という名前の美しい容れ物もありました。
大切なものをしまっておくための、静かな雰囲気の箱。
棚に飾られているお皿もひとつひとつ、
オブジェのような美しさ。
‥‥どのアイテムも、細部まで見応えがあって、
いつまでも見飽きません。
暮らしのなかに、鹿児島さんの作られたものが
ひとつあるだけで、
ちょっと毎日がわくわくしそう。
そんな、モノとしての嬉しさがあります。
さて、そんな鹿児島睦さんに、
今回「ほぼ日手帳2018」の
手帳カバーを作っていただきました。
オリジナル用の「鳥花柳」と、
カズン用の「ネコスリー」。
ざっくりとしたリネンの生地に
カラフルな色で図案をプリントした、
鹿児島さんの作品を持ち歩いているかのような
気分になれる、手帳カバーです。
それぞれのカバーについて、
鹿児島さんにお話を聞きました。
(つづきます)