HOBONIKKAN ITOI SHINBUN
「人生で一番うまい」が入ったジェラートボックス。
ほぼ日のおかしシリーズは、
2020年の秋と冬、二度にわたって
テオブロマとコラボレーションしたクッキー缶を
販売しました。
たいへん好評で、あっという間に完売してしまい、
追加販売時には抽選販売となりました。

そのクッキー缶を手がけた
「ミュゼ ドゥ ショコラ テオブロマ」の
オーナーシェフ、土屋公二さんにお願いして、
今度は夏にぴったりのジェラートセットを
つくっていただくことにしました。
ほぼ日とのコラボレーションオリジナルの味3種と、
テオブロマのジェラート専門店
「ジェラテリア テオブロマ」の人気の味3種が入った
特別なセットです。

そのジェラートは、
スーッと溶けますか。

ほぼ日
本日は土屋シェフがオーナーであるジェラート専門店
「ジェラテリア テオブロマ」(東京・神楽坂)
お話をうかがいます。
よろしくお願いします。
土屋
はい、よろしくお願いします。
ほぼ日
「ジェラテリア テオブロマ」は
2007年にオープンされたそうですが、
そもそも土屋シェフは
どうしてジェラートのお店を
開かれたのでしょうか?
土屋
ここの大家さんに「なにかやらない?」って
声をかけられたのがきっかけです。
それで「やりましょう」となりました。
ジェラート屋にしたのは、
この建物がイタリア風だからです。
イタリアといえばジェラートでしょ? 
それですぐにイタリアに飛びました。
本当のジェラートの味を知るために。
ほぼ日
話のテンポが早い‥‥なんと、
建物の雰囲気で決められたんですね。
たしかにこの場所は
ジェラートにぴったりだと思いますが、
いきなりすぐイタリアに?
それは、ジェラートのつくり方を学びに行く、
ということですか?
土屋
いや、ジェラートをつくることは
できるんだけれども、
やっぱり最新のものを、そして本物を、
知っておきたいから。
イタリアのジェラートって、別物なんですよ。
イタリアでイタリア料理を食べても
おいしくないことはあるけど、
ジェラートだけは、
イタリアはどこでもうまいです。
ほぼ日
別物かぁ‥‥。
おいしいものが大好きな土屋さんが
そうおっしゃるんだから相当ですね。
それで、本場の味の秘訣を、と。
土屋
せっかくお店を出すなら
おいしいものを
食べてもらいたいから。
ほぼ日
イタリアではジェラートのどんなことを
学ばれたのですか?
土屋
イタリアで学んだのはあくまでベースです。
例えば、お米のことをあまり知らない外国の方が
お米を炊きたいと思った時に、
「パッと見」でおいしそうに炊くことはできますね。
でも、ちゃんとおいしく炊くには、
米を水に浸す時間や蒸らす時間が大事です。
その基本って、
教えてもらわないとわからないでしょう。
ほぼ日
なるほど、はい。
土屋
ジェラートにもいくつか秘訣があるわけです。
そこをまずはしっかり学ぶ。
そのあとはもう、自分で何回もつくるだけです。
ほぼ日
押さえておくべきポイントを
確認しにイタリアに行ったわけですね。
土屋
うん。
それともうひとつポイントがあるとすれば、
マシーンです。
ジェラートをつくる機械ね。
どういうマシーンを選んで、
どういう調整をするかが本当に大事。
まぁ、機械が大事っていうのも
なんなんだけど(笑)、
ジェラートには、
見た目ではわからないくらいの
小さな気泡が入っているんです。
その気泡がどのくらい細かく入るかで、
味が全然違います。
ほぼ日
その気泡はマシーンによって
調整できるんですね。
機械の調節、難しそうです。
土屋
マシーンがうまく調整できているジェラートは
口に入れたときにスーッと溶けるんですよ。
ほぼ日
スーッと‥‥そんなジェラート、
食べてみたいです。
その「気泡」を含めて、
ジェラートづくりで
もっとも大事なことはなんですか?
土屋
素材でしょうね。
ほぼ日
ああ、土屋さんはクッキー缶のお話でも
いちばんは素材だとおっしゃっていました。
土屋
うん。すべては素材ですよね。
僕は料理でもなんでも、
腕よりも素材だと思っています。
ほぼ日
腕より素材ですか。
土屋
だって、
いいマグロなら誰が切ってもうまいですよ。
そりゃいい料理人が
一番おいしいところをスーッと切ったら
おいしさも格別だけど。
食材がダメだと、
どんなにいい料理人でも
素材がおいしくなることはありません。
だから、いい素材を見つけることも
職人の技術のひとつだと思います。
ほぼ日
素材の「いい、悪い」もさることながら、
向き不向きもあると思うのですが。
土屋
そのとおりですね。
ほぼ日
ジェラートに向いている素材って
あるのでしょうか?
たとえば同じカカオでも、
チョコレートよりジェラートにしたほうが
おいしいもの、とか‥‥?
土屋
味がはっきりしているもののほうが
ジェラートに向いていると思います。
それと、酸味があるものも
向いています。
フルーツのなかでも、例えば
パッションフルーツやラズベリーは、
甘いだけじゃなくて酸味があるから
キレが出てきますよね。
ほぼ日
どちらも今回のジェラートセットに入っている
「マカロンアイス」の中身ですね。
セットに入っている「ショコラ」には
エクアドル産のカカオが使われていますが、
これも酸味があるんですか?
土屋
ええ、そうです。
だからジェラートにはすごく向いているんですよ。
しかもあのカカオは花の香りがするから、
上品で、いい。
ほぼ日
わ~。そうなんですね。
味についてくわしくはあとでうかがうことにして、
その前に、前提として気になることがあって‥‥、
「ジェラート」と「アイス」は違うのですか?
土屋
「ジェラート」はイタリア語で、
「アイスクリーム」は英語です。
ちなみにフランス語では「グラス」と言います。
ほぼ日
言語だけの違いなんですか?
土屋
いえ、例えば同じお米でも、
日本と中国ではイメージするものが違うでしょう。
フランスの「グラス」は
卵感とか生クリーム感が強いこってり系、
イタリアの「ジェラート」は
牛乳ベースのさっぱり系、
英語の「アイスクリーム」は幅広い、
というような違いはあります。
ほぼ日
では、土屋さんのつくるジェラートは
牛乳ベースなんですね。
土屋
そう。基本の味はミルク味です。
うちの店頭のミルクジェラートはフランス語で
「レ」っていうんだけど、
ちょっと食べてみて?
ほぼ日
いただきます!
‥‥あ、おいしい。
土屋
さっぱりしてるでしょ?
ほぼ日
はい。さっぱりしてるし、
うわぁ、ほんとうにスーッと溶けます。
これ‥‥、よくあるバニラとは違いますね。
土屋
そう。ミルクだけの味なんです。
バニラ味はバニラ味で、別にあります。
うちでは「基本は白米」みたいな感じで、
「基本はレ」なんですよ。
ほぼ日
バニラの入ってない、ミルク味。
基本がこんなにおいしいなんて。
(つぎは、ジェラートセットの中身の話です)
2021-07-15-THU
イラスト:丸山素直
取材・文:中川實穗

「みんなのジェラート」を
販売します。

7月の販売で
限定数を大きく上まわるお申し込みをいただいた
「みんなのジェラート」を、
テオブロマの土屋シェフにご相談し、
再販売することにいたしました。
今回も7月と同じく抽選での販売といたします。
ご応募期間は8月13日(金)からです。
どうぞおたのしみに!
2021813日(金)午前11時 〜
20日(金)午前11

再販売決定!!


みんなのジェラート

3,672円(税込・配送手数料別)

「ショコラ」「カフェ」「クッキー&ミルク」
「ピスターシュ」「マカロンアイス トロピック」
「マカロンアイス フランボワーズ」の6つ入り。 ※ご注文が多い場合は抽選となります。