旧市街のメインストリートが「日野商人街道」で、
ここには昔からの商人の屋敷が残されています。
ほとんどの家は、道から2~3m奥に玄関があって、
その横に前庭があります。
祭りのときは、前庭に家族、親戚が集まって、
わいわい飲み食いしながら楽しみます。
この前庭を観光として見せるイベントをやろうと、
ひとりのお爺さんが提案したのが、
2月から3月上旬に開かれる「日野ひな祭り」です。
各家に伝わるひな人形を前庭に飾って、
塀についた窓から見ることができるんです。
町全体でひな祭りを祝う文化があるんですよ。
日野商人は、本家は日野に置いたまま、
江戸(東京)や北関東の埼玉、茨城で商売をしました。
僕が住んでいる家も、
かつては藤村家という日野商人の暮らした本家で、
今も茨城県で来福酒造という有名な酒蔵を営んでいます。
昔はお祭りと盆正月に皆さん帰ってきたそうです。
日野をはなれて異国(関東)で
商いをしていた近江商人は、
信用を得るために「三方よし」という考え方をもちます。
「商いは、売り手と買い手がどちらも満足して、
その取引で得られた利益によって、
社会に貢献できることがよい商売」
という共存共栄の考え方です。
「売り手よし、買い手よし、世間よし」で
「三方よし」です。
ヒノブルーイングの責任者、ヒロアキ(田中さん)を
僕は「歩く三方よし」と呼んでいます(笑)。