ビールづくりをするには、工場や設備が必要です。
うちの酒店の大きな倉庫を改装して、
設備を入れるつもりでした。
それには6000万円くらいの初期投資かかります。
僕は酒店とコンビニの経営をしていて、
前の会社では事業計画を考える仕事をしていました。
ビールづくりの事業計画を立てて、お金を借りた場合、
回収していけるんかな、大丈夫かな‥‥、
と思いながら会社づくりを進めていました。
そんなときに、日野町に休眠している
ビール工房があると知ったんです。
1997年に日野町が第三セクターで開園した
「滋賀農業公園・ブルーメの丘」という
中世ドイツをイメージした広大な公園に、
クラフトビール工房があったんですよ。
工房を運営する北山ファーム(酒造免許をもつ会社)が、
僕らがビールづくりを始めようとしていると知って、
「工場を使ってくれませんか?」と
声をかけてくれました。
形としては、酒造免許をもつ北山ファーム(工房)に
僕ら3人が出向して、実際にビールを造ります。
そして、造ったビールを僕らの会社
「ヒノブルーイング」が販売するという仕組みです。
企画開発、販売するのがヒノブルーイング、
工房で醸造するのが北山ファームです。
会社は2つですが、
つくる人も販売するのも僕ら3人です。
こうして、日野町に眠っていたビール工房を
復活させたわけです。win-winの関係です。
ヒノブルーイングの設立が2018年の1月11日で、
ビールの醸造をはじめたのは8月です。
その間は、工房の清掃と設備の整備をして、
役所回りもふくめていろいろな準備をしていました。
僕はビールを作れるといっても、
自家製サイズと工房のサイズは違います。
味や質が本格的なビールをつくれるけど、
アメリカでは小規模にしかつくったことがない。
まとまった量をつくる技術や、
日本でお酒づくりを仕事にするためには、
ちゃんと資格みたいな形がほしいので、
2017年の8月にポーランドに帰って、
クラフトビールの工房で1ヵ月くらい修業をしました。
研修中は毎日1回目のビールの仕込みが終わると、
すぐに次の準備をして、1日に2回仕込みました。
この修業で、工房でのビールづくりを身に着けました。
祭りのためのビールというテーマを実現するには、
まずは食品会社としてのレベルを上げたい。
ビールの品質的な部分は、ショーンが細かい研究を
ひたすらにやってくれています。
いまクラフトビールは、めちゃくちゃ人気で、
認められるためには、一杯飲んだら
「うまい!」と言ってもらえる、
とにかくおいしいクラフトビールを作らなあかんのです。