ほぼ日酒店 YOI

HOBONICHI
え?あの「江戸桜」がもっとおいしくなった?!さらにおいしく飲むための土鍋のアツアツおつまみ紹介します え?あの「江戸桜」がもっとおいしくなった?!さらにおいしく飲むための土鍋のアツアツおつまみ紹介します
東京・芝の酒蔵「東京港醸造」と
「ほぼ日」がタッグをくんだ
「トーキョーの日本酒。」第二弾「江戸桜」。
2022年4月の発売以来、
好評をいただいているのですけれど、
先日、このお酒を流通させるのに
お手伝いをしてくださっている
「日酒販」こと「日本酒類販売株式会社」のかたが、
こんな連絡をくださったのです。

「4月に仕込んだお酒を、瓶に詰めて
出荷待ちの倉庫に寝かせておいたじゃないですか。
そうしたら、もともとおいしい『江戸桜』が、
もっとおいしくなっていたんですよ‥‥」

ええっ? そんなことって、あるんですか?!

「あるんです。まず時間の経過とともに、
角(かど)が取れて『懐の深い味』になりました。
もちろん、もともとのおいしさは
損なわれていませんから、
ぼくら『もっとおいしくなった』という
表現をしたんですよ」

なるほど。醸造酒は時間とともに
味わいが深くなるものがあるといいますが、
「江戸桜」もそういうタイプのお酒だったんですね。

でも、新酒のときにあった、
ほんのちょっとだけ発泡する感じ、
あのシュワシュワ感みたいなものは、どうですか。
消えちゃったり、してませんか?

「大丈夫です。
特有のシュワシュワ感、維持してます」

よかった。あの感じが好きだという
お客さまも多いんです。

さっそく「ほぼ日酒店 YOI」のチームでも、
試飲をしてみたところ、
「‥‥ありゃ、おいしい」。
いや、もともとおいしいお酒なので、
その差は微妙なものですけれど、
たしかにちょっとだけ違うんです。
「以前よりも甘く感じる」と言ったものが数名。
なかには「白桃っぽい香りがする」
というものもいました(なるほど、たしかに!)。
それは新酒のときの「江戸桜」にはなかったものでした。

このニュース、さっそくみなさんにも
お伝えしなくちゃ、と思ったのですが、
せっかくなので、この冬、
おうちでたのしく、おいしく飲んでいただくための
お料理を紹介することにしました。

料理は、先日、東京でも展覧会を開いたばかりの、
伊賀・土楽窯の陶工であり
料理家でもある福森道歩さんの著書
『ひとり小鍋』『小鍋でつまみ』(いずれも東京書籍・刊)の中から
この季節にぴったりで
江戸桜にも合うおつまみを選び、
引用・参照をさせていただきつつ
調理にお酒を使うところを「江戸桜」にするなど、
すこしオリジナル加えて構成しています。

あっ、土鍋といえばいわゆるつゆだくの
鍋料理を想像されるかもしれませんが、
土楽の土鍋は、
さっと煮る、煮込む、蒸す、茹でる、焼く、炒める、
オーブンやオーブントースターで加熱する、
それからもちろん、ごはんを炊く、
さらに! 器としても
たいへんみごとに食卓に栄えるんです。

おいしい日本酒とほかほかの土鍋料理で
ぜひあたたまってください。
江戸桜 うちの土鍋の宇宙
レシピ01 アツアツのカプレーゼ レシピ01 アツアツのカプレーゼ
まずは手軽につくれる、前菜おつまみをご紹介。

すこし厚めに切ったモッツァレラチーズを、
上下で半分に切ったトマトの断面にのせ、
土鍋に並べ、塩をふり、ふたをして中火にかけ、
チーズがとけてきたらできあがりです。
バジルを飾り、オリーブオイルをかけます。

いつものカプレーゼとは違い、
とろっとしたモッツァレラチーズの食感と
ジューシーで甘い焼いたトマトは相性ぴったり。

アツアツのホットカプレーゼには、
キンと冷えた江戸桜をどうぞ。
華やかな香りと甘みがあるので、
洋風の料理にも合いますよ。

レシピ02 お酒も箸も進む鶏シューマイ レシピ02 お酒も箸も進む鶏シューマイ
次の料理は、鶏肉と豆腐でつくる
シンプルなシューマイです。
つくり方は、まず、
鶏ひき肉200gと
水を切った絹ごし豆腐1/4丁を混ぜ合わせ、
塩小さじ1、酒小さじ1、しょうゆ少々で味付けし、
よく混ぜ合わせたタネを
シューマイ皮にのせて包みます。
千切りキャベツをひいた土鍋に
すこし水を回しかけ、
その上にシューマイをのせて
蓋をして中火にかけ、
火が通るまで10分ほど蒸します。

キャベツの上で蒸すから、
全体に蒸気が回って
ふんわりジューシーな仕上がりで、
キャベツの甘みや肉のうまみが引き立ちます。

味の個性がつよすぎず、
お互いの味をじゃましないので
お酒も箸もとまらなくなる料理です。
ポン酢じょうゆをかけてさっぱり食べるのも
おいしいですよ。

レシピ03 満足感たっぷりのえびマカロニグラタン レシピ03 満足感たっぷりのえびマカロニグラタン
この料理では茹でる、煮る、炒める、焼くの工程を
ひとつの土鍋でつくります。

土鍋にたっぷりめのお湯を沸かして塩少々を入れ、
マカロニ50gをゆでたら、ザルにあげます。
カラにした土鍋を拭いて中火にかけ、
バターを溶かし、
殻をむいて背わたを取り一口大に切って、
「江戸桜」を振ったあと、
キッチンペーパーでぬぐったえび(2~3尾)と
1センチ角に切った玉ねぎ1個を炒めます。
玉ねぎが透明になったら「江戸桜」をふり
いったん具材を取り出したら、同じ鍋で、
ホワイトソースをつくります。
土鍋を弱めの中火で熱し、バター大さじ2を溶かしたら、
小麦粉大さじ3を入れ、泡立て器でよく混ぜます。
いったん火を止めたら一気に牛乳2カップを加えて混ぜ、
ざるですくって小麦粉のダマをつぶします。
混ぜながら中火にかけてとろみがついたら
ホワイトソースのできあがりです。
そこにマカロニとえび、玉ねぎを戻し、
パルメザンチーズを適量すりおろしてかけ、
蓋をせずに250℃のオーブンに入れ、10分ほど、
表面にきれいな焦げ目ができるまで加熱します。

保温性が高く、
料理のあたたかさが長続きする土鍋だから、
テーブルに出してすこし時間がたっても
アツアツのおいしい状態で食べられますよ。

ソースたっぷりでうまみしっかりの
えびマカロニグラタンにも江戸桜は合います。

日本酒にグラタン? 
ちょっとびっくりですよね。でも、
「江戸桜」は合わせる料理を選ばないお酒なので、
ぜひいちどためしてみてください。

レシピ04 いつもと違うあまくないすき焼き レシピ04 いつもと違うあまくないすき焼き
まず土鍋を弱めの中火にかけ、空だきして、
鍋肌から煙が立つくらいまで熱します。
そこに牛脂をのせて、あぶらをひろげたら
お肉を入れて塩少々をふり、焼きつけます。

これは、土楽の土鍋のみでできる調理法。
一般的な土鍋では、こんなふうに
「油を引いて焼く」料理はできませんから
ご注意くださいね。

牛肉の色が変わってきたらきのこを入れ、
牛肉を返して、
お酒(贅沢ですが、ここで「江戸桜」を使います)を
大さじ2、ふります。
グツグツと火が通ってきたら豆腐を加え、
しょうゆ小さじ2をかけます。
そして青ねぎを入れて蓋をし、
一煮立ちすればできあがり。

おわかりのように、
土楽のすきやきは、お砂糖を使いません。
これは道歩さんのお父さんである
福森雅武さん直伝のレシピで、
「素材のあまみを土鍋が引き出す」といいます。

甘くないすきやき、想像しづらいかもしれませんが、
それぞれの素材のおいしさが引き立って、
「江戸桜」が牛肉にしみ、ふんわりと。
いつもとは違うすき焼きをたのしめますよ。