はじめて会った月島で、いっしょにもんじゃを作ってたべて、 すっかり友だちになった、あーちんとジャスティン。 ふたたび連絡をとりあったふたりは、今回の特別企画、 「たべびと」2周年記念の「たべきろく」をするために、 今度は、神楽坂までやってきました。前回のプロローグ を読み逃した方はこちらからどうぞ。
あーちんの学校のあとに、東西線の「神楽坂駅」で待ち合わせ。 今日はこのあと、晩ご飯の「たべきろく」をする前に、まずは、 ジャスティンおすすめの、神楽坂の「おまんじゅう屋」さんに。
神楽坂の長い坂道を歩いて、街をぶらぶら散歩しながら向かいます。
あ! 坂の途中の案内地図に、どこかで見たキャラクターが。 これは、マンガ『コボちゃん』に出てくる人かな?
やっぱり、コボちゃんだ!でも、なぜ、ブロンズ像がここに? 調べてみると、作者の漫画家・植田まさしさんが神楽坂在住で、 連載初回原稿も、神楽坂で描かれたとか。シャツが味わい深い!
神楽坂は、元々、作家や芸術家たちがたくさん住んでいて、 フランスとの関わりも多いので、「日本のモンマルトル」や 「プチ・パリ(リトル・パリ)」とも呼ばれているんだって。 フランスといえば、今の「たべびと」連載のきっかけは、 あーちんが小学6年生のときに作った夏休みの自由課題、 「フランスたべきろく」というタイトルのスケッチブックを 「ほぼ日」に持ってきてくれて、みんなで見たことでした。
あーちんが学校に提出した、「フランスたべきろく」。
6年生の夏休みに、お母さんと訪れたフランスで、 毎日、いろんなところへおいしいものをたべに出かけ、 日本に帰国後、思い出しながら1冊にまとめたのが、 この、たのしい力作「フランスたべきろく」でした。
このころから、すでに「たべびと」につながるような、 こまやかな描写力と、ぎっしりの、ひとことコメント。
このあーちんの夏休みの自由課題は、そのあと、渋谷の書店SPBS(shibuya publishing & booksellers) の目にとまり、 そのまま『フランスたべきろく』 というZINEになりました。
そんなことを思い出しているうちに、 ふたりは、おまんじゅう屋さんの近くまで、やってきました。
「たしか、この路地を入っていったところです」とジャスティン。 なんにもないような感じだけど、あってる?
すでに、ニヤニヤしながら、そのまま進む、ジャスティン。 今から行くのは、「ムギマル2」っていう名前のお店です。
なんだか、突然増えてきた、緑の葉っぱ。植え込みかな。 大きなソフトクリームのライトが光ってるけど‥‥
おや? 葉っぱのあいだから窓のようなものが。
石の上に、「1ヶドレデモ180円」の手書き文字
あ、メニューらしきものが、下にも。「manju」だって!
もしかして、ここが?
「そうです!ここが、ムギマル2です!」とジャスティン。
「入りましょう!」「え、そこから入るの~?」
え、暗っ。入り口に、何か、本が積んであるよ。
カ、カウンターかな?いろんな謎なものが?チャッキー人形も?
あ!よく見ると、奥に人がいた!あの~スミマセン~。
奥にいたのは、お店のオーナーでした。そして、2階へ通され
メニューもいただきました。
手作り感あるメニューだけど、なんかアートっぽいね。
「ジャスティン、こういうお店、よく、知ってたねー」と キョロキョロ、おちつかない、あーちん。
「友だちにおしえてもらって、前に1度だけ来たんだけど、 前はネコがいたよ。今日はいないみたい。」とジャスティン。
お店の中も、植物の茎や葉や、蔦のようなものがいっぱい。 間接照明のほの暗さと相まって、東京にいることを忘れそう。
そして、あーちんは、「よもぎ地につぶあん」と「白地にチーズ」 まんじゅう、そして「アイスチャイ」を注文。
ジャスティンは、「白地にさつまいも」まんじゅうと 「アイス・ベトナムコーヒー」も。
けっこう、大きいチーズが入っているんだね。おいしい?
「うん、おいしい!」うす暗がりの中、アイスチャイを飲みながら、 今たべた、チーズまんじゅうの味をかみしめてる、あーちん。
「さつまいものおまんじゅうも、とてもおいしいです。」 と、よく冷えた、ベトナムコーヒーを飲む、ジャスティン。 ここでたべたものも、あとで作品にする予定のふたり。 1品めの「たべきろく」、どんな絵になるか、たのしみ!
「ジャスティンは、絵をかくときにMacを使ってるの?」 最近、Macbookを使いはじめて、イラストのソフトを 絶賛練習中のあーちん。今、一番、気になってる質問かな。
「イラストの仕事のときは、最初は筆で描くけど、 そのあとその絵をスキャンして、移動させたり、 文字を入れたりするかな。模様のときはデザインもしたり。 ほら、このイラストは、こう使ってて、こっちはここ!」
インスタグラムを見せながら、説明するジャスティンと、 それを聞くあーちん。熱心なふたりです。 ふたりとも、そろそろ、晩ごはんのお店に行く時間だよ。 次はここから、上野のほうに向かうよ~。「はーい!」
お店を出る前に、ずっと視界に入って気になっていた、 大きな富士山の絵がかざってあるコーナーで記念写真。 なんだか、コントのセットみたいだねって笑ってたら、 絵のすみっこのほうに、Nakajimaってサインが! あっ!これは、あの「銭湯背景絵師」 の中島さんの絵だ!なぜここに?
ちょっとふしぎな、古民家カフェの「ムギマル2」は、 中はうす暗くて、インテリアもワイルドで独特だけど、 こんな、隠れ家的な場所やお店が、あちこちにあるのが、 東京の街のすごく魅力的なところです。と、ジャスティン。
この出入り口、ちょっと、トトロっぽいね。
「あーたのしかった。」
「あれ? あれなにかな?」 あーちん、また、なにか?
「わ!ガシャポン? World Cup 2002 ピンバッジだって!? え、やりたい、やりたい。だって、2002年って、 わたしの生まれた年だよ。」と、興奮するあーちん。 そうかあ、そうだったね。あーちん、2002年生まれかー。
「あ、すごいすごい、これ、アタリかも?」 なに?ピンバッジで、アタリってある。ワールドカップの。
「ほら、ブラジル! 2002年のチャンピオンだって!」 おおー、あーちん、それは、たしかに大アタリだね。
みどりに囲まれた、暗い部屋でたべる、おいしいまんじゅう。 時間も、どこにいるのかも、ふと、忘れてしまう心地よさで、 さいごまで、ふしぎでおもしろかった「ムギマル2」でした。 こんどは、看板ネコのいるときにまた来たいね。 そして、ここ、神楽坂のおまんじゅう屋さんでたべた、 ふたりの「たべきろく」は、こんな作品になりました。 今回は、スペシャルバージョンです!ふたりの作品が、 できあがっていくまでを、動画でごらんいただけます。 では、こちらからごらんください。
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次回(後編)は、明日7日(金)更新です。 <「トウキョウたべきろく ー上野・御徒町編ー」につづきます>
2017-07-06-THU