生活のたのしみ展

三國万里子さんが ロンドンとエジンバラで みつけたもの。 ハリネズミ店長とまりこが紹介します。 presented by 生活のたのしみ展

ニットデザイナーの三國万里子さんは、
いつも特別なものを身につけています。
といっても、高価なブランドものや
最先端の流行りものなどではなく、
むしろ、それとは正反対の、
おもしろくてかっこいい、服やこものたち。
たとえば、どこかの国で、お母さんが
こどものために編んだセーターだったり、
ヨーロッパの職人さんが大昔につくった
アンティークのジュエリーだったり、
美術館に展示されていてもおかしくないほど
手の込んだ刺繍のほどこされた
シルクのブラウスだったり‥‥。
たぶん、三國万里子さんがデザインするニットが
たくさんの人を魅了するのは、
三國さんが身につけている「すてきなもの」と
無関係ではないのだろう、と思うのです。

三國万里子さんの世界の
「もと」になっているともいえる、
そういうすばらしいものを、
三國さん自身に買い付けてもらって、
11月に開催される「生活のたのしみ展」で
売ってみることにしました。
ロンドンとエジンバラを歩き回って
三國万里子さんがみつけた
たくさんの古着や雑貨たち。
「生活のたのしみ展」のまえに、
ここですこしずつ紹介していきますね。

エジンバラで出会った編みぐるみの
「ハリネズミ店長」と「まりこ」が
おしゃべりしながら紹介していきますよ。
それでは、店長、まりこさん、
よろしくお願いしまーす!

その
13
「お茶の時間」<1>

まりこ

ふう。
わたしたち、ずいぶん
たくさんおしゃべりしましたね。

ハリネズミ店長

ほんとにね。
毎日毎日更新して、この連載も今日で、
‥‥もう13回目なのね?

まりこ

ということは、明日が最終回!

ハリネズミ店長

あら、まあ!
ということは、あさってが
「生活のたのしみ展」の初日‥‥!

まりこ

六本木ヒルズのアリーナで!!

ハリネズミ店長

みなさん、いらしてくださるかしらね。

まりこ

どうでしょうね。
ドキドキしますね。
入口のすぐ近くが、わたしたちのお店なんですよ。

ハリネズミ店長

みなさん、うちのお店の前を
素通りして行っちゃったら、どうしましょうね。

まりこ

こわいことをおっしゃいますね、
夢に見ちゃいそうですよ。
でもきっと大丈夫。
そういう方だって、
広い会場をぐる~~っとまわって、
戻っていらしたときに、
うちに寄ってくださいますよ、たぶん。
待ちましょう、一緒にのんびりお店番をしながら。
わたしも会期中は毎日、お店に立ちます。

ハリネズミ店長

まりこ、そういえばあなた、
先だってまで背中のあたりについていた「値札」が
取れているけれど?

まりこ

うふふ、わたしは「非売品」になりました。

ハリネズミ店長

あら、まあ!
‥‥ということはもしかして、
「生活のたのしみ展」が終わったら、あなたも
三國家の本棚にやってくるのね。

まりこ

そういうことになります。
うさろうさんとハリネズミ店長の横あたりに
並ばせてくださいな。

ハリネズミ店長

歓迎するわよ。
さあ、そろそろラストスパート、
今日の分のおみやげを紹介しないと。

まりこ

そうですね。
今日みなさんに見ていただくのは、
「お茶の時間」にまつわるものたちです。
まずは、カップ・アンド・ソーサー。

ハリネズミ店長

佇まいが優美ね。

まりこ

そうでしょう。
カップの外側の黒がキリッとしていて。
カップの内側と、ソーサーに描かれた
黄色いバラの配置も絶妙だと思います。
このすっとした高さのある形、
喫茶店ではどちらかというと、
コーヒーをサーブするのに
使われることが多い気がしますが、
そこはあまりこだわらなくても
いいのでは、と思います。
紅茶用でもコーヒー用でも、
お好みで使っていただけたら。

ハリネズミ店長

そうね。
こちらは、カップとソーサーに、
ケーキ皿もあるのね。

まりこ

はい。
こういうロマンティックなお皿があると、
いつものお菓子を載せても
ちょっとウキウキしますよね。

ハリネズミ店長

ほんとね。
この黄色と青のお花、何て名前かしらね?

まりこ

何でしょうね…。
もし今、これを読んでくださっている中で
「ピン」ときた方がいらっしゃったら、
ぜひ教えていただけるとうれしいです。

ハリネズミ店長

この花はわかるわ、「矢車草」ね。

まりこ

そうですね。
この可憐さ、もう、クラクラしちゃいます。
ここにあったかい飲み物を入れて
腰を下ろしたら、いつもの場所が一瞬で、
自分の「王国」になりますよね。

ハリネズミ店長

そうよ、もしそれが、
自分の周り、半径50センチの王国だとしてもね。
こんな風に、きれいな器に、美味しいお茶を入れて、
自分をお姫様のように遇してあげるって、
とても大切なことよ。

ハリネズミ店長

これはシノワズリ(中国趣味)ね。

まりこ

はい。
牡丹でしょうか、花が咲き乱れていて、
蝶が一羽、そこを訪れようとしている。

ハリネズミ店長

桃源郷的な世界ね。
カップから、春爛漫のあったかーい、
いい香りが立ち上ってきそう。
カップを眺めながら、ぼーーっとしちゃうわね。

まりこ

ふふふ。
ジャスミンティーとか、中国茶を入れても
いいですよね。

まりこ

今回、カップたちの下に敷いたのは、なんと、
シルクのテーブルクロスです。

ハリネズミ店長

これはスペシャルねぇ‥‥。
この刺繍も絹糸でしょうね。

まりこ

そう思います。
そして、手刺繍です。
きれいですよね、素晴らしく…。
この色遣い、日本人の感受性からは
生まれないものだな、って、思います。
テーブルにこのクロスを広げるたびに、
目に鮮やかな縫いとりの花々が、
イギリスの香りを運んできそうではないですか。

ハリネズミ店長

これもお店で売るの?

まりこ

もちろん。
もしかすると、実際にテーブルに広げて、
カップやら何やらの下で、
ディスプレイの一部になっているかもしれませんが。
ご興味ある方は、ぜひお声を
かけていただけたら、と思います。

センターの大きな刺繍です。

ハリネズミ店長

まあ‥‥!

まりこ

クロスの四辺に沿って、ぐるりと刺繍が巡らされています。
大きさは、216センチ×142センチです。

ハリネズミ店長

こんな素敵なテーブルクロスの上に朝食を並べたら‥‥。

まりこ

朝の光の中のカップたち。
ピースフルです。

(つづきます)

2017-11-13 MON