志村宏さんの染めワークショップ

atelier shimura(アトリエシムラ)」の染師、

志村宏さんが季節ごとにひらく、

草木染めのワークショップです。

2017年からはじまったこの会は、毎回大好評。

TOBICHI②では、恒例の催しとなりました。

さて、
今回はどんな植物から、
どんな色がうまれるのでしょう?

事前お申込み制、有料のワークショップです。

ぜひ、季節の色を感じにいらしてください。

志村宏さんのこと

志村宏(しむら ひろ)

染師。1981年うまれ。

染織家・志村ふくみさんの孫で、
志村洋子さんの次男。

大学生のときに農業と出会い、
ながらく京野菜づくりにたずさわったあと
30歳をすぎてから染めの世界に入る。

現在は、
志村ふくみさん、志村洋子さんの
紬織り(つむぎおり)の芸術精神を受け継ぐブランド、
アトリエシムラの染めを担当。

山や野で染料を調達するだけでなく、
野菜づくりの経験から
藍や臭木、クチナシなど、染料になる植物の栽培も手がける。

志村宏さんへのインタビューはこちら。]

山から、野から、畑から色を。

アトリエシムラ関連のコンテンツはこちら。]

はじめての志村ふくみ

はじめての染め、織り。

シムラの着物ミナの帯

atelier shimura がはじまる。

atelier shimura 3つの催しのススメ。

▲瑞々しく、元気に育った藍の葉。

志村宏さんのワークショップでは、
「旬」の植物で染めることが
ひとつのたいせつなテーマとされています。

前回「春」のワークショップでは、「桜」を染めました。

▲桜で染めたストールを手に持って、記念撮影。

そして、夏がやってきます。

「夏に染める植物は、なにがいいでしょう?」
と宏さんにたずねたら、
答えがすぐに返ってきました。

「藍ですね。やっぱり藍だと思います」

宏さんにとって、
「藍」はどのような色なのでしょう?

好きな色は何色ですか?
そんな質問を投げかけたとき、
『青色』と答える方はどれくらいいるでしょう。

草木で染色する者として、
植物界での青は、あまり見かけません。

その中でも有名な植物は藍です。

青は若い、未熟という意味もあるので、
日本での青色は、藍色とも呼びます。

藍の色は晴れやかな空から深海まで現わせます。

そして、さまざまな藍色が私たちの心に響くと、
健やか、潔い、凛、などの言葉を生み出します。

日本の心意気を表してくれる。そんな色です。

だからこそJAPAN BLUEは藍色なんだと思うんです。

──志村宏

今回は、「生葉染め」という方法で
藍を染めます。

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、
藍染は、一般的に
「藍甕」という専用の甕の中に
藍を発酵させた「染液」をためて行います。

▲京都にある、大きな藍甕。

アトリエシムラでの藍の染め方はこちらのページをご覧ください。

この大きな藍甕を京都から東京へ
移動するわけにはいきません。

今回は藍甕を使わず、
新鮮な藍の葉っぱをつかう
「生葉染め」を行うことにしました。

そのために、
宏さんが京都でどんな準備をしていたのか、
メッセージをお読みください。

今回は、春から準備した藍色をみなさんにお届けします。

藍の生葉をその場で刈り取り、その場で染める。

初めての試みですが、
みなさん、きっと好きな色になりますよ!

藍の栽培は、桜が咲くころに種を蒔きますが、
今回の藍は早めました。

寒暖の差が激しかったので、家の中で芽出しをします。

水の管理がへたくそで、一時期はカビが生えたり‥‥。

やっとのことで、植え替えたのは
4月中頃からゴールデンウィークにかけて、
苗を傷付けないように、
そろりそろりと気を使いながら植え替えをするんです。

植え替えが終わると水の管理を改めてします。

小さい苗にどばどば水を与えても、
そんなに飲むことは出来ません。

いつも天候を気にしながらのお世話です。

今回、まずTOBICHIで刈り取ることが
念頭にありましたので、移動が出来ること。

また都会では、
『土が周辺で捨てられない、栽培場所が狭い』という
植物栽培事情を考え、袋栽培を選択しました。

これは畑に依存している私にとっては、
挑戦でもありました。

家でも藍染が出来るかもしれない。

そんな風に思ってもらえたら、幸いです。

──志村宏

▲宏さんとアトリエシムラのみなさんが育てた藍たち。元気いっぱい!

おわかりでしょうか。

上の写真の状態の、土に植わった藍を、
宏さんが京都から持ってきてくれるのです!

今回のワークショップでは、
この藍の葉っぱを自分の手で摘んで、
「染液」をつくるところから体験していただきます。

かなり、とくべつな回です。

その「染液」で、
「シルクのハンカチ」と「絹糸」を染めます。

ハンカチはおみやげです。

そのままお持ち帰りください。

「絹糸」はアトリエシムラの工房でお着物になります。

染めが終わったあとには
お茶をしながら、宏さんと
藍のことや、染めについておしゃべりをしましょう。

そして、まだあります。

これまでのワークショップで行っていなかったことを、
今回はもうひとつ体験していただきます。

それは、「小管(こくだ)への糸巻き」です。

▲糸が巻かれた小管。みんなでこれをつくります。

小管とは、緯糸(よこいと)が巻きつけられたもので、
「杼(ひ)」という船のような形をした道具に
設置して使われます。

▲「杼」の中心に小管を設置します。

▲経糸(たていと)の間に「杼」を滑らせて、
小管に巻かれた緯糸を渡し、布を織っていきます。

みんなで糸巻きをした小管は
アトリエシムラの工房でお着物になったり、
東京・成城にあるアトリエシムラのShop & Gallery にて
開催される織りのワークショップで
だいじに使われる予定です。

(お持ち帰りいただけません)

以上が、この夏の染めワークショップの内容です。

アトリエシムラのみなさんは、
藍のことを「藍さん」と呼びます。

親しみと敬意を込めて接している、たいせつな色、
「藍」を染める会に、ぜひご参加ください。

参加ご希望の方は、
下の応募要項をよく読んでから、
専用のフォームよりお申込みください。

志村宏さんの染めワークショップ2018・夏

〈開催日時〉

2018年7月6日(金)11:00~13:00

2018年7月6日(金)15:00~17:00

2018年7月7日(土)11:00~13:30

2018年7月7日(土)
15:00~17:00
2018年7月8日(日)11:00〜13:00

2018年7月8日(日)
15:00~17:00 ※終了時間は目安です。

伸びる可能性がありますので

できれば、直後に他のご予定を入れないことを
おすすめいたします。

〈定員〉各回8名

※見学は自由です。

〈参加費〉7,500円(税込)

※当日受付でお支払いただきます。

〈染めるもの〉

・絹糸

・シルクハンカチ

※ハンカチのみ、お持ち帰りいただけます。

絹糸はアトリエシムラの

お着物になる予定です。

〈場所〉

TOBICHI②・2階

東京都港区南青山4-28-26

→地図を見る

お申し込み方法

・参加希望の方は、下にある
「染めワークショップに申し込む」ボタンから
お申し込みフォームに進み、
必要事項に記入の上、お申し込みください。

・お申し込みできるのは1名様のみです。

・申し込み〆切は7月4日(水)午前11時。

・お申込み多数の場合は、
抽選を行い、当選の方には、
7月4日(水)中にご案内のメールをいたします。

【ご注意】

各回8名様のために、たくさんの準備をしてお待ちします。

「やっぱり行けなくなった」というキャンセルがないよう、
ご予定をよく確認の上、ご応募ください。

※お申し込み受付は終了しました。

多数のご応募をありがとうございました。

9月の上旬に開催する「秋」の回も
同じ方法で「藍」を染める予定です。

日程が近くなりましたら、
ほぼ日上で募集を開始します。

今回ご都合が合わない方は、
9月での参加をご検討ください。

ワークショップの見学は自由です。
興味がある方や、
残念ながら抽選にはずれてしまった方は
ぜひ見学にお越しください。

宏さんとともに、お待ちしています。

撮影:刑部信人

最後に、以前「ほぼ日」紙上でお伝えした
宏さんのインタビューは
もうお読みになられましたでしょうか?

草木から色をいただいて染めるということ、
藍という植物のとくべつさなどを
お話ししてくださっています。

ぜひご覧ください。