東京2020大会まで、あと2年となりました。
「まだ2年もある」と思いきや、
大会組織委員会ではすでに数千人以上もの方が
競技、飲食、輸送、エネルギーなど
部門にわかれて連日大忙しで準備をされているそうです。

2004年のアテネオリンピックから
清く正しい、にわかファンとして
オリンピックを記事にしているほぼ日が、
東京2020大会組織委員会にときどきお邪魔して、
「壮大な祭典に向かって
各部門でどういう準備が行われているのか」
ファン目線でレポートします!
1回目は、参加したい方も多いであろう
〈ボランティア〉担当の古瀬さん、高田さんに
お話をうかがいました。
最後には「ほぼ日模擬エントリー」も実施しますので、
みなさまのご参加お待ちしています!

以下のバナーから
公式サイトのボランティアページにとびます。

3ボランティアの花形、
案内、競技、アテンド。

乗組員A
具体的にひとつひとつの
大会ボランティアの活動について、
うかがってよろしいでしょうか?
古瀬
もちろんです。
東京2020大会は
9つの活動分野にわけられ、
具体的にはこのような内容になっています。
指定しない
どの役割・活動内容でもよい。
案内
  • 会場内等で観客およびオリンピック・
    パラリンピック関係者の案内、
    チケットチェック、
    セキュリティチェックサポート等を行います。
  • オリンピック・パラリンピック関係者が
    円滑に日本に入国・宿泊できるよう、
    空港やホテルでの案内を行います。

人数の目安:16,000~25,000人

競技
各競技および練習会場内において
競技運営等のサポートを行います。
人数の目安:15,000~17,000人
移動サポート(運転等)
オリンピック・パラリンピック関係者が
会場間を移動する際に車を運転し、
快適な移動となるようサポートします。
人数の目安:10,000~14,000人
アテンド
  • 海外要人等が快適に日本で生活できるよう
    接遇を行います。
  • 空港や会場等において、
    海外要人の接遇を行います。
  • 選手団が選手村に入る前から準備を行い、
    選手が快適な競技生活を送ることができるよう、
    外国語でのコミュニケーションサポート等を
    行います。
  • 競技を終えた選手が
    メディアからインタビューを受ける際に、
    外国語でのコミュニケーションサポート等を
    行います。

人数の目安:8,000~12,000人

運営サポート
  • 競技会場、選手村、車両運行等の
    運営サポートを行います。
  • ユニフォーム配付施設において
    スタッフ(ボランティア等)の
    ユニフォーム配付を行います。
  • ユニフォーム配付施設や、
    会場、空港等において、
    事前に登録された情報を基に、
    オリンピック・パラリンピック関係者が保有する
    IDの発行をします。
  • スタッフが日々の活動を開始する際の
    「チェックイン」受付等を行います。
  • 選手村やメディアセンターにおいて、
    各国から来る選手団やメディア、
    その他関係者が利用する
    物品の貸出しを行います。

人数の目安:8,000~10,000人

ヘルスケア
  • 観客やオリンピック・パラリンピック関係者等に
    急病人やけが人が出た場合に、
    「ファーストレスポンダー」として
    速やかに対応します。
  • 選手にけが人が出た場合、
    医務室への搬送サポートを行います。
  • 競技を終えた選手に対して、
    ドーピング検査員が
    検査を実施する際のサポートを行います。

人数の目安:4,000~6,000人

テクノロジー
  • 通信機器等の貸出しや
    回収等のサポートを行います。
  • 競技会場内で競技結果の入力や表示を行います。

人数の目安:2,000~4,000人

メディア
  • 国内外のメディアが円滑に取材ができるよう、
    各種サポートを行います。
  • 記者やフォトグラファーの
    取材の管理サポート等のほか、
    記者会見をスムーズに行うための
    準備・運営サポートを行います。
  • 東京2020大会を記録するための記録用写真および
    動画の編集サポートや
    選手村の新聞制作のサポートを行います。

人数の目安:2,000~4,000人

式典
各競技の表彰式において、選手や
オリンピック・パラリンピック関係者の案内、
メダル・記念品の運搬等を含めた
表彰式運営のサポートを行います。
人数の目安:1,000~2,000人

※以下ページ「活動分野と人数の目安」の表を掲載
 https://tokyo2020.org/jp/get-involved/volunteer/about/

乗組員A
へえー、
こんなにあるんですね。
乗組員B
ボランティアに応募するときは、
やりたい役割を指定できるのでしょうか?
それとも漠然と応募して、
自動的に割り振られるんですか?
古瀬
活動分野の希望を最大3つまで
選んでいただく予定です。
乗組員A
なるほど。
3つまで選べるんですね。
各活動分野の人数は、
どのように試算したんですか?
古瀬
各部署に必要な人数をヒアリングして、
過去の大会実績とも照らし合わせて
試算しました。
募集人数はあくまでも現時点の目安になります。
乗組員A
役割によって、
応募倍率が全然違うんでしょうね。
古瀬
そうかもしれませんね。
乗組員B
表の上から順を追って活動分野と内容について、
くわしくうかがってもいいですか?
古瀬
わかりました。
乗組員A
まず「案内」
大会会場で観客や関係者の案内をしたり、
チケットチェック、セキュリティチェックも
活動内容に書かれていますね。
これは、ライブ会場やスポーツ会場でもおこなわれている
持ち物検査のことですね。
乗組員B
平昌大会では会場へ入場ゲートからしか入れず、
空港のように持ち物の中身をスキャンする機械に
荷物を通して検査しました。
自分自身も金属機器を探知するゲートをくぐり、
セキュリティチェックを受けましたね。
あと、飲み物チェックもありました。
古瀬
東京2020大会でもそういった活動を
サポートしていただくかと思います。
実際のチェックは、
委託業者の方がやることになると思いますので、
その近くで整列案内をしたり、
お客さんに声かけをしたりしていただきます。

どのボランティアも
組織委員会の職員などが現場に配置されているので、
みなさんはそういった方と観客や関係者との
架け橋となってサポートいただくイメージです。
ボランティアの方に責任を負わせるようなことは
ないように考えています。

「はたらく」というよりも、
たのしんでいただければな、と思っています。
たとえば「案内」の活動内容に書かれている
「関係者が快適に
 日本に入国・宿泊できるように案内」というのも、
東京2020大会をたのしく過ごしていただけるように、
おもてなしをする気持ちでのぞんでいただければ。
乗組員B
なるほど。
乗組員A
その次が「競技」という活動です。
古瀬
こちらは、競技や競技会場で運営がスムーズに進むように、
競技運営のサポートをしていただきます。
乗組員A
これは応募が多そうですね。
古瀬
以前、ボランティアを志している学生に聞いてみたところ、
半数以上が「競技」を希望していました。
やっぱり、選手に会えたり競技運営に関わることができたり、
華やかなシーンが想像できるからだと思います。

でも、どんな活動でもそうですが、
華やかさだけではなく地道なこともあるので、
そこはご理解いただきたいと思います。
乗組員A
そうですよね。
会場の裏口で競技中ずっと待機する、
なんてこともありえますもんね。
古瀬
そのようなケースもあるかと思います。
乗組員A
続いて「移動サポート」
選手村から会場など、
オリンピック・パラリンピックの関係者が
移動する際に車を運転する係です。
普通自動車免許の資格が必要なんですね。
古瀬
そうですね。
ボランティアの中で、
唯一資格がいるのがこの活動内容です。
乗組員A
次が「アテンド」
「案内」とはどう違うんですか?
古瀬
「アテンド」は案内する対象が観客ではなく、
選手や外国人の要人などが
快適に日本で生活できるように、
コミュニケーションのサポートをしていただきます。
メディアからインタビューを受ける際にも
サポートいただく可能性があるので、
得意な外国語を活用したい方にはおすすめです。
乗組員B
あの、要人というのは具体的には?
古瀬
IOC、IPCや選手団の関係者などですね。
乗組員A
あー、なるほど。
乗組員B
じゃあ、バッハ会長とかも?
古瀬
‥‥いや、
それはボランティア対応ではないと思いますね(笑)。
乗組員A
さすがに、違うでしょ(笑)。
乗組員B
バッハ以外の要人アテンド、と
おぼえておきます。

(つづきます。)
2018-06-24-SUN