杉本亮さん(セットデザイナー)
『東京タワー』のみごとな舞台の数々を
設計してくれた、セットデザイナーの杉本さん。
筑豊の街並みを再現した屋外セット、
舞台裏ではそんなことがあったんですね!
安藤玉恵さん(風俗嬢A役)
お店で中学生の「ボク」を
あやし〜くたぶらかしています。
「おっぱい見る?
 怖いよぉ〜、私のおっぱいは〜!」
梅田愛子さん(怖い顔の友達役)
校舎裏で告白する「ボク」に
鋭いニラミをきかせています。
演技とはまったく逆で、
素顔はとってもかわいらしい梅田さん。
堀明元紀さん(美術助手)
ハンチングがトレードマークの堀明さん、
この『東京タワー』が初めての現場でした。
図面を初めて描いた「火の見やぐら」の思い出を
楽しそうに語ってくれました。
鈴木晋介さん(似顔絵教室の先生役)
大学生の「ボク」がバイトしていた
似顔絵教室の先生役です。
映画にも出演している寺島進さんとの
エピソードを披露してくれました。
梅井彩さん(看護士役)
病室で苦しむ「オカン」に
的確な処置をする看護士役で出演。
元看護士である梅井さんから見ても
病室シーンはリアリティ満点だったとのこと。
リリー・フランキーさん(原作者)
ご存知、物語『東京タワー』の原作者、
リリー・フランキーさんが登場!
「みなさん、すごく愛情を持って
 この映画をつくってくださったんだなって」




リリーさんのマネージャーとして『東京タワー』を見続け、
物語のなかにも登場する、BJさん。
映画版ではプロデューサーとしても関わった「いちばんの目撃者」に、
他では聞けない、映画製作のこぼれ話をうかがってきました。
なお、聞き手の「ほぼ日」西本が妙になれなれしいのは、
ふたりが草野球チーム「ヤングジャイアンツ」の
チームメイト同士だからです。あらかじめ、ご了承下さい!





西本 映画の『東京タワー』には
BJさんと同じ「プロデューサー」という肩書きで
孫家邦さんというかたがいますけど‥‥。
BJ 言っときますけど、孫さんは
「本物」のプロデューサーですから。
西本 たとえば、どんな違いがあるんですか?
「本物」と「バッジまわり」とでは(笑)。
BJ なによりまず、孫さんは、
この映画の中心人物なわけで。
現場のスタッフの方々からの
信頼といったらスゴいんです。
西本 これぞ、本物のプロデューサーだ! と。
BJ とにかく色んな人に
気を遣ってくださっていて、
何かあったら飛んできてくれるし‥‥。
それでいて、現場ではまるで「空気」のように
あまり、でしゃばらず。
それを見て、本物のプロデューサーというのは
ホントに姿を消して後ろのほうにいるんだなと。
西本 そこに、本物のプロデューサーの姿が!
BJ それにくらべて、ボクなんかは
もう首にタオル巻いて、
松岡(錠司)監督がモニターを見てる、
その真後ろで、完全なバカ面で、
アゴなんか押さえながらこう‥‥。
西本 そこに、おもに「バッジ」まわり担当の
プロデューサーの姿が(笑)!
BJ 何も分かってないくせに、
やりたがっちゃうんですよ、どうしても。
西本 じゃあ、その本物のプロデューサー、
孫さんのファインプレーを、
ひとつだけ挙げるとしたら?
BJ そうですね‥‥松岡錠司監督を
選ばれたことじゃないですかね、やっぱり。
西本 そういえば、松岡監督って
本の『東京タワー』の
サイン会に来てたんですよね?
BJ そうです。
西本 サイン会の列に
ふつうに並んでらっしゃった?
BJ ボクなんか監督のファンだったから、
「あ、松岡錠司だ!! なぜここに!?」って。
西本 一般のお客さんと一緒に?
BJ そうです。
原作本が刊行されたばかりのころ、
吉祥寺でサイン会をやったんですけど、
そのお客さんの列に、
ちょびヒゲ顔の松岡監督が、
ふつうに並んでた
んですよ!
西本 それはちょっと、すごいですね。
BJ リリーのサイン会はできるだけ、
ひとりづつゆっくりとお話しをしながら、
と思っているので、
ものすごく時間がかかるんですけど、
サイン会が終わるまで待っていてくださって。
西本 ちなみに、リリーさんの1回のサイン会は
何人までとか限定されてましたよね?
BJ 100人限定というのが多いですね。
時間にすると、いつもかならず、
最低3時間はかかるんです。
西本 3時間!
お店が閉店するね、ヘタしたら。
BJ いや実際、
閉まっちゃったり
したこともありました。

そんな感じでしたから
松岡監督も「なんなんだ、このサイン会は」って
おもしろがってくれたみたいで。
すべて終了したあとに
リリーのとこに「はじめまして」みたいな感じで
いらっしゃったんです。
西本 別に、知り合いとかでもなかったんだ。
BJ そこで、松岡監督が
「もう映像化の話なんか
 いろいろ来てると思うんですけど、
 自分もやりたいと思っていて、
 手を挙げさせてもらいたい。
 だから、ひとりの候補として
 記憶に留めておいてほしい」
ということをおっしゃってくださって。
‥‥そのときすでに
プロットのようなものがあったと思います。
西本 まだ本が刊行されて間もないころですよね?
BJ いまのような状況(210万部)が、
まだ誰も想像できないころの話ですから、
映画になるということに対しても、
正直、ピンときていませんでしたし。
西本 ‥‥松岡監督、なんで来たんですかね?
BJ いや、それが、
当時、ご自分で書かれていた脚本と
偶然にも、近いところがあったり、
監督の周囲の人たちからも、
『東京タワー』を読んでみたらどうだと
勧められていたりしていたみたいです。
西本 それで、読んで‥‥。
BJ これを撮りたいって
思ってくださったみたいなんですよ。
西本 じゃ、連絡先とか分からないから
とりあえずサイン会に行ってみよう、と?
BJ そうみたいです。
それって、なかなかできることじゃないし、
ほんとに、スゴいことですよね。
西本 松岡監督だからこそ、
できた映画なのかもしれませんね。
BJ そうでしょうね。
西本 でも、そんな松岡監督も
サイン会がそんなに長いとはねぇ(笑)。
BJ あれは予想外だったと言ってました(笑)。
西本 言ってましたか(笑)。

<つづきます>

2007-03-29-THU


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