いよいよ、お別れの日がやってくる。
前夜は、さすがに、しんみりとした。
「2匹を無事に、飼い主のもとへ戻す」
という、はじめに思っていた目標が、
いよいよ、達成されようとしている。
よかったね、といううれしい気持ちと、
この共同生活が終わっちゃう、というさみしい気持ちと。
牛と海苔は、やさしいねこだった。
わたしがしんみりして、ちょっぴり泣いているのを見て、
牛は、鼻息を「フンフン」しながら、
顔に頭突きをしてくる。
その姿は、まるで本物の「牛」のようだ。
お前は、すっかり「牛」だね。
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海苔は、びっくりした目をして(いつもだけれど)、
わたしの涙を、舌でぬぐってくれた。
そのザラザラした舌は、とても痛い。
海苔は、よくわたしの顔をなめてくれる。
なめられるこっちは、コツを見つけてしまった。
顔に力を入れると、より痛いので、
なめらてるときには、顔の力を抜くこと。それがコツ。
そうすると、あんまり痛くない。
きっとむこうは、毛づくろいとして、
愛情? を持ってやってくれてると思うので、
いちおう
「ありがとう、はい、うん、もういいよ、はい」
と、傷つけないように、やさしくお礼を言って、
丁重にお断りした。
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いよいよだ。
わたしは、ほんとうの飼い主・Hさんに、
手紙を書いた。 |
(つづく)
2011-10-31-MON
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