糸井 |
だけど、当社比100分の1だよね。
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ほぼ日 |
はい‥‥
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糸井 |
いやいや、別に責めてるんじゃなくさ。
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ほぼ日 |
我々も、編集局におじゃまして
最初に驚いたのは、そこです。
物が少なくて、
「床が、ちゃんと床として存在してる!」と
思いました(笑)。
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木村 |
いやいや、ぼくらは特に、
走りまわったりするので、
片づいてないと危険なんです。
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一同 |
(笑)
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木村 |
落ち着いた、走らない部署‥‥例えば
文化グループなどに行けば、もう少しは
散らかっているかもしれません。
それに、この社屋はおもに
編集局の現場だから、
ということもあると思います。
記事を書く人たちがいる場所は、
すごい資料が机の上にあって、
雪崩があちこちで起こっています。
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ほぼ日 |
やっぱり、記事を書く人たちは
ぜんぜん別のところにいるんですか。
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木村 |
部署にもよります。
我々新聞の、核となる部分の記事については、
おおかたの記者はここにはいなくて、
やはり取材拠点にいます。
ただ、リーチの長い内容の取材をしている者や、
大きな企画を対象に動いている記者もいますので、
そういう者は本社本館で
活動していることもあります。
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ほぼ日 |
さまざまな部署があると思うのですが、
異動は頻繁にあるものなんでしょうか。
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奥山 |
3年経ったら、もう
いつ異動させられてもおかしくないです。
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ほぼ日 |
そんなに頻繁に。
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奥山 |
はい、頻繁だと思います。
記者の人たちは、同じ職種の中で
勤務地が変わります。
若いときは3年に1回はあります。
新米ばかりが異動させられるかというと
そうでもありません。
外部の人から、
「ミーティングするたびに、毎回
上司の方が代わられますよね」
と言われたこともあるほど、
上の人たちの異動も頻繁です。
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ほぼ日 |
記者職はずっと記者職なんですか。
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木村 |
たいていそうなんですが、
「本籍地」という言い方って、
聞いたことあります?
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ほぼ日 |
‥‥いや、ありません。
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木村 |
入ったときの「本籍」が記者の方、
編集の方、広告の方、
そういう言い方です。
その「本籍」の周囲で
役職があがっていくのがふつうです。
社員同士で
「○○さんって本籍どこなの?」
という話をしたりもします。
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ほぼ日 |
「本籍」がいっしょだと
連帯感などが生まれたりするんですか?
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木村 |
あります、あります。
つき合いも多いですし、
「あそこに出向する人はだいたい
このポジションから」
というように
道もいくつか決まっています。
そのあたりは、
日本の大きな会社と同じかもしれません。
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宇宙部 |
ということは、
6階の技術チームの方は
ずっと技術チームですか。
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北元 |
技術って、
実はいろいろと変遷があるんです。
つまり、時代によって
「技術」というものは移り変わるので。
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宇宙部 |
なるほど。
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北元 |
新聞社の「システム」ということで言えば、
印刷技術系と電算システム、
2系統があるんです。
ですから、印刷のコントロールを
担当するつもりで入社した人が
コンピューターの前に
座ったりしています。
まさかインターネットのシステムを
作るとは思わずに
朝日新聞に入ったのでしょうけれども‥‥。
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糸井 |
社内を見学させていただいて
印象に残ったのは、やはり
あの大きな輪転機です。
物神性みたいなものがあって(笑)。
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北元 |
はい。まず、輪転機が
社内にあるということに
みなさん驚かれますね。
‥‥これは印刷会社の方がいらっしゃって
おっしゃっていたことなんですが、
新聞社の輪転機って、
休んでいる時間があるんです。
印刷会社だと、
いかに輪転機を休ませないかが勝負なのに、
「輪転機が休んでる!」と
驚いていらっしゃいました。
新聞の配送トラックも
「行き」は新聞積んでますけど、
「帰り」はカラで帰ってきます。
これも「ちょっともったいないな」と。
新聞ビジネスというのは、
効率的とは言えない
ところもありつつ、
かつてはしっかり儲かった
とてもよくできたビジネスモデルです。
それをインターネットビジネスのような、
「効率は良いけど、
お金にするのは難しいビジネス」
で取り換えていくというのは、
実はとても難しいのです。
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