── | 戦場でも、おしゃべりでほっとする瞬間が あるんだな、ということに、 逆にほっとしたというか‥‥。 |
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渡部 | そういう時間でしか、人が ふれあうことができないのかもしれません。 逃げまどい、食料が不足し、 身内が目の前で、犠牲になっていく。 |
── | はい。 |
渡部 | 気持ちを、保つことは、身内や地域で、 言葉をかけあうことしか、なかったんですね。 お話しすることは、みんなが 戦場を忘れられる、日常を取りもどせる、 大切な時間といえますね。 延々と、話しています。 それゆえに‥‥ぼくたちは携帯電話で、 よくお話しをするんですけれども‥‥、 現地の方が携帯電話で話しだすと、 終わらないんですねぇ。 |
渡部 | そうですね。 戦場でも、震災でも、 たくさんの子どもたちが犠牲になり、 たくさんの家族がばらばらになりました。 物で、生活環境を変えることも、 できるんですけれども、 ただ横に座っているだけであったり、 挨拶をするだけであったり、 握手をして、 おたがいの体温を感じあう、だけでも、 気持ちが、はぁっとさせられる。 それは、誰しもが持っている、優しい本能が、 目の前に出てきている、瞬間だと思います。 毛布や、食料や、水の支援も大切です。 現場に足を運んで横に座って、 日が暮れるまでお話しをしていることも、 すばらしいことだと思います。 逆に、現地に行けなくても、 起こっている状況を、 新聞やニュースでしっかりと、 毎日見ていることも、 寄り添っているといえます。 忘れないこと、たくさんの方に伝えること、 募金をすることも、ふれあっています。 授業の中で手を挙げて、みんなの前で、 戦争や災害について発表することも もちろん現地とつながることだと思います。 感じたことを、 どんどん行動に起こしていくことが、 どの地域の方々ともふれあうやさしさ、 寄り添える行動だと、思います。 |
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── | 渡部さんの朗読のCDは、 声の大切さ、つながりの大切さを感じる、 いいきっかけになるなぁ、 と思いました。 |
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渡部 | はい。 ぼくは、カメラマンです。 写真を使って、伝えていくことは、 ずっと続けているんですけれども、 何かを伝える方法に、 言葉の力、というものもあることを、 戦場の村人の井戸端会議を、聞いていて 感じました。 カメラマンとして、言葉で伝えることにも、 挑戦してみよう、 その思いが、CDの作品につながりました。 |
(つづきます)