細川亜衣さんと、白い料理。
 その6

 手打ちパスタ。



修業というよりもお手伝い、でしたけれど、
イタリアの食堂で働いていたことがあります。
通っていた郷土料理の学校のすぐ傍にあって、
「ここ、なんだろう?」と思って覗いたら、
ある日、手打ちパスタを伸ばしてるのが見えて、
「あれ? 食堂だ!」って。
80歳くらいのおばあちゃんがシェフで、
大鍋でいろんな煮込みをつくり、
一角に炭火焼きのコーナーがあって、
ステーキをチャッチャッと焼いたりするような食堂でした。
何回か食べに行って、そこで研修をしたいと思い、
学校の先生に相談して、行くことになったんです。
散々、イタリア中、いろんな所を、
「あそこかな、ここかな」と下見したのに、
結局いちばん学校の傍にあったお店に落ち着いて。

お昼の12時すぎに開店するんですけれど、
その前にまかないをいただくんですね。
ふつう、まかないは、残り物を食べたり、
使わなかった食材で作ったりするものなのですが、
そこは、できたての料理を好きなだけ取ってよくて。
こういう手打ちパスタも、できたてを自分で茹でて、
勝手にその辺にあるおいしいソースをかけて食べられる!
(細川)

 

うわぁ、まるで極楽の食堂!
話を聞くだけで、お腹が空いてきちゃった。
(伊藤)

2014-08-28-THU 

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写真:有賀傑