修業というよりもお手伝い、でしたけれど、
イタリアの食堂で働いていたことがあります。
通っていた郷土料理の学校のすぐ傍にあって、
「ここ、なんだろう?」と思って覗いたら、
ある日、手打ちパスタを伸ばしてるのが見えて、
「あれ? 食堂だ!」って。
80歳くらいのおばあちゃんがシェフで、
大鍋でいろんな煮込みをつくり、
一角に炭火焼きのコーナーがあって、
ステーキをチャッチャッと焼いたりするような食堂でした。
何回か食べに行って、そこで研修をしたいと思い、
学校の先生に相談して、行くことになったんです。
散々、イタリア中、いろんな所を、
「あそこかな、ここかな」と下見したのに、
結局いちばん学校の傍にあったお店に落ち着いて。
お昼の12時すぎに開店するんですけれど、
その前にまかないをいただくんですね。
ふつう、まかないは、残り物を食べたり、
使わなかった食材で作ったりするものなのですが、
そこは、できたての料理を好きなだけ取ってよくて。
こういう手打ちパスタも、できたてを自分で茹でて、
勝手にその辺にあるおいしいソースをかけて食べられる!
(細川) |