高橋みどりさん |
|
「ホンマさんと中村さんには‥‥?
あ、もうお話をしてきたんですね。
ほんとにねぇ、
香央留ちゃんの『プレゼント』を出したら
雄鶏社はなくなってしまって、
残念だったんですけど‥‥。
でもホンマさんと中村さんのおかげで
いい本ができました。
香央留ちゃんのいい名刺になっていると思います。
本づくりの最初の話をしましょう。
どういう本にするかで
一対一で話してるとき、
どういう人と一緒につくりたいの? って訊いたら、
出てくる名前が、ことごとく大御所なんです。
ああ、この子は本のオタクなんだと思いました。
そんな中で、とくに希望したのが、
中村至男さんだったんです。
本人も知り合いで、とても尊敬していると。
でも、中村さんと雄鶏社‥‥。
話が合うかしら、と(笑)。
じゃあ私は、通訳と交通整理で入ろうと、
そういう心持ちで中村さんに声をかけました。
次に、写真はどうしよう、誰に頼もう、
となったときに中村さんが、
「ホンマタカシさんはどうだろう」と。
経費の面でもホンマさんクラスにお願いするのは
かなり難しいけれど、
本人が興味を持ってくれればもしかしたら‥‥。
で、みんなでぞろぞろと、
ホンマさんのところに行ったんです。
そしたらもう、横尾さんを見たホンマさんが、
おもしろがってる様子がすぐにわかりました。
お見合い成立ですよね」
「彼女の魅力は、そうですね‥‥
ふつうの人の手づくりとは、明らかに違います。
この人のために、と相手に寄り添っていって、
考え抜いてから、つくる。
最高の注文建築のように、
その人を理解してからつくる。
ただ‥‥仕事の速度については、
私はよく叱るんですけど、
時間がかかりすぎです。
お直しをあずかって、1年とか待たせてはいけない。
今回の連載企画はとてもいいですよね。
締め切りがあることで、
もうすこし早くインスピレーションが
わくようになるかもしれない。
プロなんだったら、
そこをちゃんと訓練しないのは、やっぱりだめです。
香央留ちゃんには私、
けっこうきついことも言います。
でも心が強いんですよ。
かわいく見えて、
そんじょそこらの子とはちがいます。
かわいいお面をかぶってて、図太い。
かわいいお面をかぶってるけど、男らしい。
だから、いっしょの仕事はすごくおもしろい。
ほんとに図太いですよ。
だって図太くなかったら最初の本で、
ホンマさんに写真撮ってなんて言えないですよ(笑)。
あとはそう、控えめな性格ね。
え? ピザの注文ができない‥‥?
そんなことを言ってる年齢じゃないでしょう(笑)」
「いますこしずつ、
ごろんごろんと動き出してますよね、彼女。
いい時期なんだと思います。
私も含めて、結局みんな彼女が好きなんですよ。
なんだかんだ言っても、
彼女に動かされてる。
そのくらい強いオーラが、この人にはあるんでしょうね。
連載、たのしみにしてます」
(10月24日からはじまる本編へとつづきます。
お直しの写真と横尾さんの文章、どうぞおたのしみに) |