個人差はもちろんあるけれど、
人はだれでも、おおむね、
生活の3分の1近くをふとんの中で過ごします。
みんな、どんなふうに過ごしているんだろう‥‥?
寝つきは? 目覚めは? 快眠法は?
100人にたずねれば100種類の答えが返ってきそう。
様々な方々に、聞いてみることにしました。
「あなたの、眠りとのつき合い方を教えてください」
シリーズ2回目にお招きしたのは、
バレエダンサー・俳優の宮尾俊太郎さんです。
人生の3分の1は、ふとんの中。1/3LIFE
![ほぼ日「ねむれないくまのために」PRESENTS](./images/interview02/btn_presents.png)
- ──
- 寝起きはいいほうですしょうか?
- 宮尾
- それがですね、ぼくはすごい低血圧でして
寝起きが悪いんです。
- ──
- そうなんですね。
- 宮尾
- でもね、
ぜったいに起きられる方法を見つけたんですよ。
- ──
- おお、ぜひ知りたいです。
たくさんの人が知りたいことです!
- 宮尾
- あるアナウンサーの方に
教えていただいたんですが‥‥。
- ──
- はい(身を乗り出す)。
- 宮尾
- 寝る直前に起きる時間を3回唱えて
その時間に起きている自分をイメージをしてから
「よし!」と寝る。
- ──
- ほお(身を乗り出したまま)。
- 宮尾
- そうすると、目覚まし時計が鳴る
1分前にピシッと起きられるんです。
![](./images/interview02/img04.jpg)
- ──
- え? それだけで?
- 宮尾
- いや、本当なんですよ(笑)。
それをやる前は
目覚まし時計がガンガン鳴っても、
ずーっと意識が朦朧としていたのに、
これをやったら1分前にピシッと。
目覚ましが鳴る1分前に、
体内時計が合う感じなんです。
- ──
- はああー、そうですか。
- 宮尾
- ぼくは、
自分の身体の新しい可能性を感じました。
- ──
- すごい。
だれでもはじめられそうなことですので、
わたしも挑戦してみます。
- 宮尾
- ぜひ、やってみてください。
- ──
- はい、新しい可能性を感じたいです!
ところで、宮尾さんはふだん、
起きる時間は決まっているんですか?
- 宮尾
- なんとなく決まっています。
- ──
- そこも、なんとなくなんですね。
- 宮尾
- ただ、いまは舞台の期間中なので
コンディションを変えないように
同じ時間に起きるようにしています。
「寝る時間が遅くなっても、
起きる時間は合わせた方がいい」
という話も聞いたことがあるので。
- ──
- 「寝る時間が遅くなっても、
起きる時間は合わせた方がいい」
そうなんですね、勉強になります。
ほんとうに、眠りの知識をたくさんお持ちで。
ほかに何か睡眠方面で勉強されたことがあえば、
教えていただきたいです。
- 宮尾
- まだたくさんあります。
- ──
- ぜひ、お願いします!
- 宮尾
- 本番前で脳が活性化しちゃって、
どうしても眠れないときの最高のお助けアイテムが
「アイス枕」なんです。
- ──
- アイス枕。
それは夏に限らず使うんですか?
- 宮尾
- 限らずですね。
アイス枕で後頭部を冷やすと、
思考がちょっと停止するんですよ。
頭寒足熱じゃないですけど、
やっぱり後頭部を冷やすのって大事みたいなんです。
人間って、ものを考えるときに
脳が熱を持つらしいんですが、
冷やすと脳の働きがゆるやかになるというか。
- ──
- へええ。よさそうです。
夏に使うことはありましたが、
別な季節にも試してみます。
- 宮尾
- あと最近、量子力学にハマっていて。
量子力学に関するYouTubeを流しておくと、
カクンッて眠れます。
![](./images/interview02/img05.jpg)
- ──
- ん? 量子力学、ですか‥‥。
それは、どういうことでしょう??
- 宮尾
- 内容が難しくて眠くなるんです(笑)。
- ──
- ああ(笑)。
- 宮尾
- あとはやっぱり、
睡眠には運動が不可欠だと思っていて。
人間の体って思っているより疲れないというか、
しっかり運動しないと疲れないんですよね。
ちゃんと疲れたら、眠れるんです。
- ──
- ああ、そうですね。
子どものころは電池が切れるまで走り回って、
夜はこてんと寝ていました。
- 宮尾
- そうでしたね。
でも大人になったら、
電池が切れるまで動いてしまうと
やっぱり回復に時間がかかるので、
「これくらいはやっても大丈夫」
っていうラインを見つけることが大事だと思います。
- ──
- 大人になったら、電池切れは危険。
- 宮尾
- 「低負荷有酸素運動」
っていう言葉があるんですけど、
低負荷、つまりがんばり過ぎなくてよくて、
たとえば電動自転車を漕ぐだけでも
効果があるんです。
- ──
- そんなに厳しくしなくてもいい。
- 宮尾
- そうですね、悠々とできるものを。
通勤時間に自転車に乗るとか、
帰ってからプールに行くとか。
そういったことを無理のない範囲で
習慣にするのがいいと思います。
- ──
- 仕事帰りのプール、よさそうですね。
ただ、夜の運動は興奮しすぎてよくないと
聞いたことがあるのですが‥‥。
- 宮尾
- それはそうですけど、プールに行ったあと、
帰宅して、お風呂に入って、寝る準備をして、
などとすこし時間がかかりますよね。
だから大丈夫なんじゃないかな。
![](./images/interview02/img06.jpg)
- ──
- なるほど‥‥。
お話をうかがって自分を振り返ると、
身体を動かす機会が
あきらかにすくないと思いました。
もっと意識していきます!
- 宮尾
- そうですね、無理なくやってみてください。
(つづきます)
撮影:池ノ谷侑花(ゆかい)