── |
えー、半年ぶりのご無沙汰でございます。
本日はたいへんお忙しいところ‥‥。
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あやや |
遅い!!!!!
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森下 |
よろしく‥‥。
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荒井 |
お願いします、と。
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あやや |
遅すぎるってば!!!
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── |
いや、もう、はい、すいません。
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森下 |
遅いって?
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荒井 |
なにが?
|
あやや |
取りかかるのが遅いってことですよ!
もう、ドラマ、はじまっちゃうじゃないですか!
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森下 |
まあまあ。
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荒井 |
まだまだはじまらないですよ。
|
あやや |
甘い!!!
これから、この永田が
ちんたらちんたら編集するわけですから、
記事が掲載されるころには、
例によってほとんどのドラマの
初回が放送されてからになりますよ。
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森下 |
なるほど。
|
荒井 |
鋭い。
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── |
たしかに。
|
あやや |
「たしかに」じゃなくて!
たまには初回の放送前にやりましょうよ!
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── |
まことにもって私の不徳の致すところです。
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森下 |
ところで今日は、いつもの和室じゃないんですね。
|
荒井 |
そうそう、しかも、昼ですよ。
いつもだいたい夜なのに。
|
あやや |
そうそう、これはいったいどういう意図で?
|
── |
あ、はい、これはですね、
いつもいつも同じ場所で同じようにやっていると
やはり、多少のマンネリムードといいますか、
まったりしすぎた雰囲気なってしまいますので
たまには、こう、新鮮な感じを演出しようかなと。
|
荒井 |
ほう。
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森下 |
ほう。
|
あやや |
へぇ。
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|
── |
そして、もうひとつ、裏の目標としては、
こう、夜にありがちな「だらだら感」を払拭し、
濃く、コンパクトな収録ができれば、と。
|
あやや |
ンン? なにソレ?
ようするに時間を短縮しろってこと?
|
── |
いやいや、そういうわけじゃなくて。
まあ、そうもいえるけど。
|
あやや |
なにソレ! なにソレ! なにソレ!
わたしの至福の時間を奪わないで!
ていうか、そこ、このコンテンツの目玉でしょ!
そこを削っちゃったら本末転倒でしょう!
|
|
── |
いや、だからさ、そこまで大げさな話じゃなくて、
多少、ぎゅっと締めていきましょう、と。
|
あやや |
なにソレ! 急がせる気ですか!
だらだらしちゃダメなんですか!
たのしくおしゃべりさせてくださいよ!
|
── |
ああ、これは言い方が悪かった。
すいません、訂正します。
みなさん、いつも、収録に
何時間くらいかかってるかご存じですか?
|
森下 |
たしかに、いつも長いよね?
|
荒井 |
2時間以上、しゃべってるんじゃ?
|
あやや |
それくらいいいじゃないですかー。
|
── |
‥‥毎回、だいたい5時間かかってます。
|
あやや |
ひゃあ!
|
森下 |
ひー。
|
荒井 |
おー。
|
|
あやや |
たしかに、いつも、お弁当とか、
サンドイッチ食べながらはじめるのに、
終わるころにはお腹すいてますもんね。
|
── |
さすがに長すぎます。
テープ起こしするだけでもひと苦労です。
さぁ、そこでみなさん、今回の目標です!
|
あやや |
やめてーー、目標主義とか、やめてーー。
|
── |
目標! 4時間!
|
森下 |
それでも長いよ(笑)。
|
荒井 |
ははははは。
|
あやや |
むー、がんばろー。
|
── |
ま、それはあくまで裏の目標ですから、
あんまり意識せずに、いつもどおり、
たのしく脱線してください。
それでは、よろしくお願いしますーー!
|
あやや |
よろしくお願いしますっ!
|
森下 |
よろしくお願いしますー。
|
荒井 |
よろしくお願いします。 |
|
あやや |
じゃあ、さっそく参りましょう。
最初はどこから行きましょうかね。
ええと、じゃあ、森下さん、
気になるドラマを1本、挙げてください。
|
森下 |
うーん、じゃあ、『妖怪人間ベム』。
わたし、これ、ちょっと観たい。
|
|
あやや |
ああーー、『妖怪人間ベム』。
|
森下 |
わたし、こどものころ、大好きだったんですよ。
|
あやや |
あの、あれですよね、もとは、アニメ?
|
── |
あやちゃんの年だと知らないでしょ。
|
あやや |
そう、あの、失礼ながら、
まったく観てなくて、知らないんですよ。
その、ベムという人間を。
|
森下 |
人間じゃなくて妖怪。
|
あやや |
あ、妖怪?
|
荒井 |
妖怪人間。
|
あやや |
ようかいにんげん?
|
── |
ま、むつかしいね、そのへんはね。
|
|
あやや |
???
|
── |
ていうか、ほんとに、
あの『妖怪人間ベム』をやるんですか?
ドラマで? 実写で?
|
荒井 |
やるみたいですよ。
|
森下 |
まえに『怪物くん』をやったじゃないですか。
あれで道ができたのかもしれないですね。
|
あやや |
あっ、そうですよ、
ほら、脚本家の西田征史さんって
『怪物くん』の脚本を手がけられた方ですよ。
|
荒井 |
日テレの新しい個性かもしれないですね。
『銭ゲバ』とかもその路線でしょ。
アニメやマンガの、ちょっと暗めの名作を
いまに持ってくるっていうパターン。
しかも、ぜんぶ同じ枠だし。
|
あやや |
ああ、そうですね。いまはなんでしたっけ。
土曜日の9時だから‥‥
ああ、保育士とヤクザの。
|
森下 |
『ドン★キホーテ』。
|
あやや |
そうだ、そうだ、保育士とヤクザが、
ちょっと子どもにやさしくして
ハートウォーミング、みたいな。
たしかに「怖いけどやさしい」っていうあたりは
なんとなく共通してるかも。
『妖怪人間ベム』も、そういう感じ‥‥ですよね?
|
|
森下 |
「怖いけどやさしい」?
|
荒井 |
うーん、まぁ、そうかなぁ。
|
あやや |
あの、はっきりいってわたし、
アニメ全般に詳しくないんですけど、
これは、ベムがなにをするんですか?
なにしたらいいの? ベムは?
|
── |
ベムはね、はやく人間になりたいの。
|
荒井 |
そう。はやく人間になりたい。
|
あやや |
はやく? 人間に? なりたい?
|
森下 |
はやく人間になりたぁぁぁぁい!!
|
三人 |
ワハハハハハ。
|
あやや |
むきー、マジメに聞いてるのに!
|
森下 |
ごめん、ごめん(笑)。
|
|
荒井 |
ようするに、悪の妖怪と戦って人間を救う。
まぁ、ヒーローものなんでしょうねぇ。
|
森下 |
『デビルマン』みたいなもんッスよ。
人間じゃないのに、人間のために戦うっていう。
|
あやや |
へぇーー。じゃあ、いい人?
|
森下 |
いい妖怪。
|
あやや |
あ、妖怪なんですね、やっぱり。
でも、ドラマの紹介文には
「ヒューマンタッチに描く」
って書いてありますけど‥‥。
|
── |
妖怪を「ヒューマンタッチに描く」!
|
荒井 |
ははははは。
|
あやや |
「人目を避けて数百年も生き続ける
妖怪人間の悲しみをヒューマンタッチに描く」
うーん、やっぱり人間になりたいんですか。
どうやったら人間になれるんですか?
|
森下 |
えー、なれないんじゃないの?
|
荒井 |
あっさり(笑)。
|
あやや |
なれないの?
|
森下 |
いや、わかんないですけど。
|
── |
はやく人間になりたい問題はさておき、
ドラマの内容のほうをお願いします。
|
荒井 |
これ、キャスティングがわりと絶妙なんですよ。
なんていうかな、亀梨和也くんも杏さんも、
どこにでもいそうっていうよりも、
ちょっと浮き世離れした雰囲気があるから、
「じつは妖怪」っていわれても
意外に違和感がないっていうか。
あの、いい意味でですよ?
|
|
あやや |
わかります、わかります(笑)。
配役の評判はけっこういいみたいですね。
わたしとしては、刑事役の北村一輝さんに注目。
久しぶりに見れてうれしいです!
|
森下 |
わたしはベラがどうなるか気になります。
アニメの『妖怪人間ベム』ってね、
とにかくベラがめっちゃめちゃ怖かったんですよ!
|
荒井 |
ああ、そうですねー。
|
森下 |
ベロはかわいくて、
ベムはたのもしい。
で、ベラだけ、とにかく、いつでも怖い!
|
あやや |
それを杏ちゃんがやると。
|
森下 |
配役としては絶妙だと思いますので、
あとはベラの怖さがどこまで表現できるのか、
あるいは、ぜんぜん違うベラになるのか、
そのあたりがたのしみですね。
|
あやや |
こういう、アニメの実写化って、
アニメとか映画でもすっかり定着しましたけど、
いままででいちばんの成功作って、
どれになるんですかね。
|
荒井 |
『怪物くん』は数字的には成功でしょうね。
|
あやや |
もちろん成功ですけど、
みんなが目指してる理想はなんだろうと思って。
過去のドラマとかもぜんぶ振り返って、
いちばん成功したのって、どれになるんだろう。
|
|
── |
『ヤッターマン』?
|
森下 |
話題としてはそうなのかなー。
|
あやや |
でも、あれが最終的な理想型かというと。
|
森下 |
そうですねぇ。
|
荒井 |
最近では『ヤマト』とか、
ドラマだと『こち亀』もありますね。
|
── |
もっと昔だと『キャシャーン』。
|
森下 |
あーー。
|
あやや |
あっ、わかった、すごい成功例、あった。
|
── |
なに?
|
あやや |
『西遊記』! マチャアキの!
あれ、みんな観てたじゃないですか。
|
|
森下 |
そうだけど、
あれ、原作はアニメじゃないよ?
|
あやや |
あっ、そうか!
いや、でも、原作があって、
それを「実写化」するという意味でいえば、
『西遊記』はすごいじゃないですか。
|
荒井 |
そんなこといったら、
理想型は『JIN』じゃないですか?
|
あやや |
ああああああ、そうだ!
|
── |
そのとおりだ(笑)。
|
森下 |
いやいやいや、そんな。
|
|
あやや |
続きましては、これ、行っときましょう、
『南極大陸』!
|
荒井 |
これは、あれですよね、
いわゆる映画の『南極物語』と同じモチーフ。
|
森下 |
そうです、そうです。
|
あやや |
『南極物語』は、すごいですよ!
わたしが物心ついて、はじめて観た映画ですよ!
|
|
── |
それが、すごい理由?
|
荒井 |
内容は、まったくいっしょなんですかね。
南極越冬隊を描いたドラマ?
|
森下 |
あ、でも、そこ、微妙に違うみたいです。
製作側に知ってる人が多いので聞いたんですけど、
今回のドラマの成り立ちって
けっこうしっかりコンセプトがあるんですよ。
私たちがよく知ってるのは
いわゆる映画の『南極物語』のお話ですけど、
あれの裏側で描かれてない話っていうのが、
じつはすごいあるらしくって。
たとえば、南極越冬隊って、第二次世界大戦のあと、
「敗戦国の日本に南極なんか行けるわけない」って、
ほかの国に言われてたときに、日本人が意地を見せて、
全国の子どもたちから募金を受けて、
みんなで一丸となって、南極越冬隊と犬を
南極に送ったっていう話なんですって。
|
あやや |
えっ、そうなんだ!
|
森下 |
でも、一般的には、
犬だけのエピソードになってるでしょ。
それはちがう、っていうところが、
これのもともとの企画趣旨なんですって。
|
あやや |
へぇーーー。
|
荒井 |
いい話じゃないですか。
|
森下 |
うん、いい話なんですよ。
|
|
あやや |
このドラマを観るときの視線が
大きく変わりましたよ。
|
── |
いや、これは記事にしがいがある。
さすが「ほぼ日」テレビガイドシリーズと
ほめられそう。
|
あやや |
拍手、拍手!
|
|
一同 |
(拍手)
|
森下 |
や、それほどでも。
|
あやや |
その話を聞くと、
この、ドラマ全体に流れる、
「男のドラマ」な感じがうなずけますね。
|
森下 |
そうそうそう。
|
あやや |
木村拓哉さんを囲む
男っぷりがすごい豪華ですよ。
久しぶりの柴田恭兵さん、
ほかにも香川照之さん、緒形直人さん、
山本裕典さん、寺島進さん、
そして「ほぼ日」にも
なじみの深い、堺雅人さん!
なかなかここまでのメンツはそろわないです。
|
荒井 |
もう、映画ですね。
|
── |
ん? 堺さんって、前にも南極行ってたよね?
|
森下 |
あ、映画で『南極料理人』やってたねぇ。
|
荒井 |
南極つながり?
|
── |
もう、これからは、
「南極俳優」という個性で。
|
あやや |
どういう個性ですか。
|
|
── |
怪談といえば稲川淳司、というように、
南極といえば堺雅人だな、と。
|
森下 |
あるのか、その需要。
|
── |
コーラの一気飲みといえば
渡辺正行、というように
南極といえば堺雅人だなと。
|
あやや |
南極俳優はさておき、
わたし、『南極大陸』は期待です。
求められてるレベルも高いと思いますけど、
それを超える力がありそう。
|
森下 |
うん。おもしろくあってほしい。
|
あやや |
そうですねーー。
なんていうか、本格ドラマがはじまるぞ、
っていうわくわく感がありますね。
|
荒井 |
その気分を盛り上げるべく、
主題歌は中島みゆきさんです。
|
あやや |
おおお、盛り上がりますね!
|
|
森下 |
逆に、不安材料としてちょっと思うのは、
女の人がいないぞー、ってこと。
ドラマを観る立場として、
なんかもうちょっとだけ
「いろどり」があれば、って思わない?
|
あやや |
ああー、あります、あります。
|
荒井 |
メインのキャストでは
綾瀬はるかさんだけですか。
|
森下 |
芦田愛菜ちゃんも途中で出るはずですけど。
|
あやや |
たしかにちょっと少ないですね。
『不毛地帯』を思い出します。
ドラマはおもしろいんだけど、
なーんか、友だちが観てくれないぞ、みたいな。
|
森下 |
まぁ、でも、しょうがないんだけどね。
南極越冬隊だから。
|
あやや |
南極ですもんねー。
しかし、木村拓哉さんって、
つくづくすごいですね。
もう、なんていうか、
高倉健さんとか吉永小百合さんみたいな、
存在そのものがジャンルになってるような。
|
荒井 |
たしかにそういう感じですね。
|
あやや |
だって、こんな人いないじゃないですか、ほかに。
この人の代わり、いないですよね。
|
|
荒井 |
すでにその域になってる。
|
あやや |
前後10年見渡してもいないですもん。やっぱり。
だから、この人は、もうそういう人で。
|
荒井 |
この人の次に来る人って
いま、決定的な人がいないような。
|
あやや |
いないですよ。
|
森下 |
うん。
|
── |
というわけで『南極大陸』に期待、と。
よければつぎのドラマに‥‥。
|
あやや |
あああっ、そうだ!!
みなさん、知ってますか?
「タロー」と「ジロー」じゃないんですよ、
犬の名前。知ってました?
|
|
森下 |
えっ?
|
荒井 |
犬の名前?
|
あやや |
そうそう。
「タロー」と「ジロー」じゃないんですよ。
「タロ」と「ジロ」なんです!
伸ばしちゃダメなんですよ! 知ってました?
「木村タロー」さんとか「坂上ジロー」さんと
同じだと思ったら大間違い!
そこ、要チェック! 盲点!
|
一同 |
‥‥‥‥。
|
── |
よければ、つぎのドラマに。
|
森下 |
そうしましょう。
|
荒井 |
行きましょう。
|
あやや |
「タロー」と「ジロー」じゃなくて、
「タロ」と「ジロ」なんですよー。
|
|
|
(つづきます) |