まえがき的に言うと
漫画の本というのは
『サザエさん』の時代から、
『おそ松くん』であろうが
『鉄腕アトム』であろうが、
『ちびまる子ちゃん』にしても
漫画家側からの発想で
本のデザインがされていたように思うんです。
どれも、「漫画が読めればいいもの」
として作られていたんですね。
そこでヒントにしたのが
『クマのプーさん』という本です。
つまり、作者のミルンが
自分の子どものクリストファー・ロビン
という人のために描いた
『クマのプーさん』という物語の本作り。
本として愛着をもってもらうためには
どういうことをやったんだろうという
根源的なところにまで
戻る必要があったんです。
「漫画が出るんだよ」
というよりは
「本を作ったんだよ」という形で
デザインするには
どうしたらいいかっていうことを
やってみたかったんです。
仕様も発売日もほぼ決定して
何部刷りましょうか?
という会議の最中に
「根源的にデザインを
一から考え方を組み立てるのなら
佐藤卓さんだ。
発売日を遅らせてでも
ダメもとで佐藤卓さんに
お願いできないかな」
と、ぼくが言い出したことから始まったんです。
とは、言ってみたものの
卓さんが、かつてに
漫画の本のデザインをしたって話も
聞いたことがないし‥‥。
まずはこの話が舞い込んで来たとき、
卓さんはどう思いましたか? |