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イーヴ |
サ・バ?
どうぞ中に入ってお座りください。 |
糸井 |
こんにちわ。
わ、大きなチームですね。 |
マルセ |
ふたりです(笑)。 |
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イーヴ |
ハロー、お会いできてうれしいです。
どうぞ、お座りください。 |
糸井 |
ありがとうございます。 |
イーヴ |
ヨロシクオネガイシマス。
えー、日本語はこれで終わりです。 |
糸井 |
(笑)ありがとうございます。
イーヴさんとマルセさん、
おふたりは、シルク・ドゥ・ソレイユの
スカウト担当でいらっしゃるんですね? |
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イーヴ |
はい。 |
糸井 |
どういう経緯で
「スカウト担当」になられたんですか?
専用の勉強があるとか? |
イーヴ |
ぼくは、学生時代に
ビジュアルアートの哲学を
勉強いたしました。
これ、ほんとの話ですよ? |
糸井 |
信じてます(笑)。 |
一同 |
(笑) |
イーヴ |
最初は、
シアターカンパニーに勤めました。
ツアー担当として、
ヨーロッパ、フランス、ベルギー、
いろんなところを回り、
その後は9年間、シアターの仕事をしました。
シアターのプログラミング担当で、
いろんなカンパニーを選ぶ仕事を経験しました。
そして、シルク・ドゥ・ソレイユにやってきて、
いま4年が経ちました。
ここで、アーティスティックスカウト担当として
仕事をはじめることになりました。 |
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糸井 |
アーティスティックスカウトというのは? |
イーヴ |
アクロバット以外の、すべての人について
シルク・ドゥ・ソレイユのステージに
人を招き入れる仕事です。
すなわち、ミュージシャン、シンガー、
ダンサー、アクター、
それからクラウン(ピエロ)です。 |
糸井 |
クラウンも。 |
イーヴ |
そうです。 |
マルセ |
私は、イーヴとは対照的に、
アクロバティックの分野を担当しています。
つまり、スポーツ、パフォーマンス担当です。 |
糸井 |
マルセリーヌさんは、もともと
どういったお仕事を
なさっていたんですか? |
マルセ |
私は11歳のときから
トランポリンをやっていたんです。 |
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糸井 |
そうなんですか。 |
マルセ |
カナダの競技会や世界大会などにも
出場する選手でした。
その後はコーチや審判として
トランポリンの世界で仕事をしていました。
つまり、ずっとスポーツ界にいたんです。
でも、パフォーマンスの分野でも、
お仕事をしたことがあります。
それは、競技会に出るために
ちょっと稼がなければならなかったからです。 |
糸井 |
なるほど。 |
マルセ |
そして、競技の世界でキャリアを終えて、
ショーの世界に移ることになり、
アジア、オーストラリア、ヨーロッパを
回りました。
そのあと、ヒップホップダンスをはじめて、
子どもたちに教えたりもしていました。
シルク・ドゥ・ソレイユに来て、
いま、3年目です。 |
糸井 |
ご自分がアスリート出身だから
スカウトをなさるときも、
そういった経験が活きてくるわけでしょうか。 |
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マルセ |
ええ、そうですね。
アクロバットについては、おもに
スポーツ界やサーカス界で
人を探します。
スポーツ界でいえば、
体操、アクロスポーツ、
トランポリング、タンブリング、
ダイビング、シンクロナイズドスイミング、
それから武道、エクストリームスポーツ‥‥。 |
糸井 |
あらゆるスポーツが出てきますね。 |
マルセ |
サーカス界で探すとなると、
空中演技や、ジャーマン・ホイールのような、
フロアで行うパフォーマンスも含まれますし、
バトントワリングも含まれています。 |
糸井 |
おふたりが一緒に
スカウティングに出かけることはあるんですか? |
マルセ |
そのときのショーの性格によって
必要とされることが変わってきますので、
そのときによってまちまちですが。 |
イーヴ |
2005年に日本でオーディションをしたときには、
アクロバットスカウトの方と
いっしょに行いました。 |
糸井 |
これまでぼくは
いろんなシルク・ドゥ・ソレイユのショーを
拝見してきましたけれども、
新しいものになるにつれ、
アートの要素も大きくなっていっているように
思えたんですが。 |
イーヴ |
アーティスティックな部分は、いま、
シルク・ドゥ・ソレイユの象徴のようにも
なっています。
実は、それにともなって、
アクロバットのレベルも
ハイレベルになっていくんですよ。 |
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マルセ |
我々がオーディションをするのは
まさに、そこを見るためなんです。
世界クラスで競争に勝ち抜いてきた方であっても、
「この方が舞台上に
何を持ってきてくれるのか」
そういう視点からなんです。
(明日に続きます)
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